2015年09月05日

70年代の個性的なブリティツシュ・ロックは素晴らしい BABE RUTH

70年代のブリティッシュ・ロックの中で、女性ヴォーカリストを擁したバンドとして私が最も印象に残っているのが、BABE RUTH です。

このバンド名、もちろんアメリカ大リーグの有名選手の名前なのですが、なんで野球の文化の無い英国のバンドがこの名前? と不思議に思うでしょう。これは紅一点のヴォーカリスト、ジェニー・ハーンがバンドの加入前にアメリカのバンドに在籍していたことがあり、その彼女のアイディアからBABE RUTH という名前に決まったそうです。

肉感的なルックスが麗しいジェニー・ハーンの張りのあるヴォーカルと、印象的なスパニッシュ・ギターを織り成すアラン・シャンクロックの2枚看板を売りに、ロック・プログレッシヴ・ジャズ・トラッドなどの要素をミックスしたサウンドは、本国イギリスよりアメリカ (特にカナダ) で人気を博しました。これはもしかして、バンド名も影響していたのかな?

ロジャー・ディーン作のポップでコズミックなジャケットがナイスな彼らのデビュー・アルバム。タイトルもズバリ、 「First Base」 (笑)

アランの硬質なギター・リフから始まる@は、ジェニーのパワフルなヴォーカルと、途中から入るホーンが曲をグイグイと引っ張っていきます。演奏時間が6分以上の曲ですが、なんとシングル・カットされました。まさにオープニングにふさわしい、ファンキーでノリノリなサウンドだ。

@から一転、物哀しいピアノとストリングスをバックにジェニーが切々と歌い上げる7分以上の大作Aは、BABE RUTH の美しい側面を見事に打ち出してます。エンディングまで続く4分以上の壮大なストリングスは、なんとも雄大で感動的です。

ロック界の鬼才、フランク・ザッパのカヴァーBは、オリジナルのファンキーなイメージとは裏腹にクールにアレンジされたインストとなってます。

Dは、クリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウェスタン映画 「夕日のガンマン」 のテーマを大胆に導入。アランの真骨頂であるラテン調のギターが全編にて炸裂。実にジャジーな雰囲気で、彼らの曲の中で最も知られているナンバーかもしれません。

ラストのEはジェニーとアランのツイン・ヴォーカルが他の曲との毛色の違いを醸し出してます。7分を超える大曲なのに、最後まで一気に聴かせてしまうサウンドの妙は絶品だ。

巷ではギター・サウンドが強調され、ハード・ロック度を増した3rd.が最高傑作とみなされてますが、個人的に様々なジャンルを見事にブレンド、昇華されたデビュー作が一番のお気に入りです。

この作品はハード・ロックよりプログレッシヴ・ロックのフィールドで語られることが多いんですが、イイものはイイんです! しかも女性ヴォーカルのバンドとしては出色の出来だと思います。70年代の個性的なブリティツシュ・ロックは皆、素晴らしいね!


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FIRST BASE / BABE RUTH (1972)

@Wells Fargo
AThe Runaways
BKing Kong
CBlack Dog
DThe Mexican
EJoker


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 実にインテリジェンスなブリティッシュ・ロックだ


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2015年08月11日

ファストな曲ではイングウェイ風、スローな曲ではリッチー風 RATA BLANCA

世界中で愛されているHR//HM の勢力を大まかに分布すると、アメリカ・イギリスが第1世界にあたり、ドイツ・北欧あたりが第2世界となるでしょう。そして、それ以外の国々が第3世界となるわけですが、この第3世界の特徴として、英語ではなく各国の母国語を使用するという傾向が見られます。

その中でも特にスペイン語は強烈で、スペイン出身のBARON ROJO、MEDINA ASAHARA など、巻き舌バリバリで歌い上げるスタイルは好き嫌いの分かれるところです。

今回紹介するRATA BLANCA は南米アルゼンチンのバンドで、もちろんヴォーカルは母国語のスペイン語で歌ってます。しかし彼らの場合、思いのほかスペイン語というイメージが希薄で、多国語はダメという方も意外とすんなりと入ることが出来ますよ。

RATA BLANCA はアルゼンチンのリッチー・ブラックモアことヴァルテル・ヒアルディーノを中心にバンドは結成。ちなみにバンド名は 「白ネズミ」 を意味するそうです。

88年に発表されたデビュー・アルバムは、ヴァルテルのイングウェイあたりを彷彿するギター・プレイ以外は特筆する箇所も少なく、曲のつまらなさや音質の悪さなどもあって、ちっとも好きにはなれませんでしたが、ヴォーカリストの交代、キーボード・プレイヤーが加入して制作された2作目 「MAGOS,ESPADAS Y ROSAS」 は見違える程の力作となりました。

@からいきなり様式美バリバリの疾走チェーンで幕を開けます。これまたイングウェイを彷彿するソロ・ワーク、起伏のあるメロディ・ラインは絶妙。様式美好きには、まさに美味しい展開だ。

一転してメロウなAは、ギター・ソロがもろリッチー・ブラックモア! クイクイとタメの効いたソロ・ワークが印象的。新ヴォーカリスト、アドリアン・バリラーリのしっとりと歌い上げる感じも哀愁たっぷり。

このギタリスト、ファストな曲ではイングウェイ風、スローな曲ではリッチー風とプレイ・スタイルを振り分けており、寝ても覚めても様式美が好きだという事がよーく分かります。

Cでは様式美のお約束ともいえる、ギターとキーボードの掛け合いが中間部で炸裂。1st. では見られなかったこういった展開は、キーボード加入によって非常にバンドにプラスの方向へ作用してますね。

大仰なイントロダクションが迫力のDは、RAINBOW の 「Eyes of Fire」 そっくりで、思わず笑ってしまいます。でも重厚でイイ曲ですよ。目をつぶってギター・ソロを聴いていると、まるで前半はリッチーが弾いているような泣きっぷり、後半はイングウェイのごとく弾き倒し。(笑)

FGHは3曲続けてインスト。それぞれの曲に、ヴァルテルのギタリストとしての魅力が詰まってます。

アルゼンチンという異国の地でもこれほどの実力があり、(自国ではなんとプラチナ・ディスクを獲得) ワールド・ワイドへ飛び出す可能性を秘めたバンドがあるなんて驚きです。世界は広いね。日本語で歌われるジャパメタより数段レベルの高い彼らは一聴の価値ありです。様式美が大好物の方は選り好みの気持ちを捨てて、ぜひ聴いて見て下さい。シビレるぜ!



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MAGOS, ESPADAS Y ROSAS / RATA BLANCA (1990)

@La Leyends Del Hada y El Mago
AMujer Amante
BEl Beso De La Bruja
CHaz Tu Jugada
DEl Camino Del Sol
EDias Duros
FPorque Es Tan Dificil Amar
GPreiudio Obsesvo *
HOtono Medieval *

* CD bonus track


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 様式美大好きは、どこの国も共通だ!


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2015年07月25日

いかにして他と違う音を作り出すかを模索していたバンドが多かった ATOMIC ROOSTER

HR/HM の主要楽器と言ったらギターと言うのが当たり前ですが、70年代前半はオルガンがサウンドの中心に据えられるバンドも多く、DEEP PURPLE やURIAH HEEP はオルガンがインストの重要な位置を占め、プログレッシヴ・バンドの多くもオルガンを中心としたサウンドを構築していました。

その中でも70年にデビューしたATOMIC ROOSTER はヴィンセント・クレインの操るオルガンがメインであり、まさにリード・オルガニストという称号がピッタリとくる存在感をバンド・サウンドの中に醸し出してます。

またベーシストが不在というメンバー構成も変わり種で、ヴィンセントがオルガンのペダルでベースの代用を行っていることが、きっと独特なサウンド・メイキングにつながっているのでしょう。

元々このバンドはあのカール・パーマーがオリジナル・ドラマーで、彼は1st 発表後すぐにEL&P を結成するためにバンドを脱退。バンドはヴィンセント以外のメンバーを一新して、これまでのジャズっぽいアプローチからヘヴィでダークなサウンドにガラッと変貌するのです。

タイトル・トラックの@は静かなプロローグから徐々にスピードを増していくサタニックなナンバーで、邪悪なメロディ・ラインがなんとも不気味な7分を超える大曲。曲中で繰り返されるギター・リフが耳に付いて離れません。

シングル・カットされたBは全米11位まで上昇したヒット曲。アルバム収録曲中比較的ポップなサウンドですが、どこか屈折した雰囲気は彼らの強い個性が宿っているんでしょう。

ゴシック調のキーボードが全編で大活躍するCは、途中のキーボードとギターの掛け合いがDEEP PURPLE を彷彿させます。フィルを入れまくるポール・ハモンドのドラミングも最高。

ジョン・ガンの憂鬱なギターから始まるDはリフ自体をキーボード主体で重厚に弾いており、フリーキーなギターがその上を自由に弾きまくるアップ・テンポなナンバー。本アルバム中のハイライト曲だ。

個人的にコテコテのプログレッシブ・ロックは苦手なんですが、本作のようなハード・ロック・テイストが強い作品は大好きです。また、オルガンの音って、アナログでなんともイイんですよね〜。

70年代の音楽は現代と違って、いかにして他と違う音を作り出すかを模索していたバンドが多かったという事実が、個性的なムーヴメントを形成していたんでしょうね。良い時代でした・・。


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DEATH WALKS BEHIND YOU / ATOMIC ROOSTER (1970)

@Death Walks Behind You
AVug
BTomorrow Night
CSeven Lonely Streets
DSleeping for Years
EI can't Take No More
FNobody Else
GGershatzer


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 サイケデリック&プログレッシヴ&ハード!


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2015年06月24日

斬新と言うか意表を突いているのか ARRESTED

ハード・ロックとクラシックは70年代から非常に密接な関係にあり、その様式美的な共通点から自己の音楽性に投影するミュージシャンは少なくありません。

そのハード・ロックとオーケストラとの共演は、DEEP PURPLE、NICE、そして最近はイングウェイ・マルムスティーンがよく知られてますね。

本作 「ARRESTED」 は、ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとハード・ロックとの共演作品なんですが、何故か取り上げられたのがTHE POLICE の楽曲という、斬新と言うか意表を突いているのか非常に興味深い作品となってます。

ロック界きってのキーボード・プレイヤー、ドン・エイリー総指揮の元、まさにブリティッシュ・ロックの重鎮達が集結。名の知れたミュージシャンだけでも、ゲイリー・ムーア、イアン・ペイス、ニール・マーレイ、グラハム・ボネットなど、実に豪華なラインナップだ!

ただし、これはROCK な作品ではありません。そう思って聴くと、ちょっと肩透かしを食らいますよ。

@BEは本作用に書き下ろしたインスト楽曲、その他はTHE POLICE のヒット曲が並んでます。

クラシックやジャズに精通したドン・エイリーのセンスが随所に表現された音作りに、THE POLICE ならではの非常にポップなメロディ・ラインが乗った実に心地よく、荘厳なクラシック・サウンドにアレンジされてます。

インスト曲が多い中、本作で異彩を放っているのはグラハム・ボネットがヴォーカルを取るDで、彼の力強い歌声とシャウトは瞬時にして楽曲をクラシックからロック・サイドへ引っ張ってしまう個性的な色合いを持っていて凄いな。

ゲイリー・ムーアもDEFGでプレイしてますが、 「ゲイリー、何処?」 って感じです (笑) 。唯一Gでのオリエンタルなギター・プレイが、彼らしさを垣間見ることが出来ますが。

本作は、ブリティッシュ・ハード・ロック系のミュージシャンは、どんなジャンルにも器用にアプローチが出来るんだという事を証明していると思います。

まあ、リラックスしたい時に聴くには、非常に安らぎを与えてくれるサウンドで、私は個人的に大好きですけど。



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ARRESTED / ARRESTED (1983)

@Overture
ADe Do Do Do,De Da Da Da
BReleased 〜 Every Little Thing She Does is Magic
CRoxanne
DTruth Hits Everybody
EArrested
FMessegu in a Bottle
GInvisible Sun
HWalking on the Moon
IDon't Stand So Close to Me


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 これはクラシック・アルバムです


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posted by ハムバッカー at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月11日

なかなか凄い邦題ですね LOVERBOY

「それ行け! ウィークエンド」 なかなか凄い邦題ですね。 (笑) オジー・オズボーンの 「暗闇にドッキリ」 といい勝負か?

この曲、" Working for the Weekend " が収録されているLOVERBOY の2nd. 「GET LUCKY」 は81年発表作で、私がリアル・タイムで聴いた作品です。「幸運を祈る!」 との意味を持つ、指のサインのジャケットのセンスが最高!

LOVERBOY ってハード・ロックなの? と、よく論議されますが、デビュー作、そして本作はBON JOVI やAEROSMITH で名を馳せたプロデューサー、ブルース・フェイバーンが手掛けてますし (しかも、どちらもダブル・プラチナム獲得!) ヴォーカルのマイク・レノは、カナダのプログレ・バンド、MOXY に在籍していた経緯があります。私は、彼らは立派なハード・ロックだと思いますが。

また、カナダ出身のバンドはチーム・ワークで勝負! というイメージが強く、それが個人の好き嫌いの分かれるところです。それが軟弱だという揶揄もありますが、そんなことは無いと思いますよ。

イントロのカウベルが印象的な元気いっぱいの@は、当時日本でも大ヒットしました。私と同じく、この曲がLOVERBOY の入り口だという方は多いんじゃないでしょうか? 熱く張りのあるマイク・レノのヴォーカルは迫力満点。

一転、マイナー調のAは全米第26位までシングル・ヒットした過曲。Eもそうですが、こういったメロディアスな曲に彼らの本質、底力が見えるような気がするんですが。

Dはポール・ディーンのスライド・ギターが大活躍のホンキー・トンク調のR&R。聴いていて、気持ちがノリノリ(死語:笑)ですね、爽快だ。

カナディアン・ロックの草分け的存在であり、元祖ハード・ポップとも呼ばれた彼ら。突き抜ける様なスリルは少ないが、スタジオ・ミューシャンが集結しただけあって非常に安定した、タイトな演奏には思わず唸らされます。

私の若き青春時代を思い起こさせる本作は、天気の良い日に、車の中で大音量でドライブすれば、気持ちイイこと間違い無し!


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GET LUCKY / LOVERBOY (1981)

@Working for the Weekend
AWhen It's Over
BJump
CGangs in the Street
DEmotional
ELucky One
FIt's Your Life
GWatch Out
HTake Me to the Top


歴史的インパクト ★★★ ジャケット・デザイン ★★★
個人的思い入れ ★★ レア度 
雷イチ押しポイント雷 難しく考えず、とにかく楽しもう!


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