2015年11月13日

追悼 PHIL "ANIMAL" TAYLOR

元MOTORHEAD のドラマー、フィル・アニマル・テイラーが11日に亡くなりました。享年61歳、死因は不明。

レミー、エディと共にMOTORHEAD の黄金期を支え、直線的でパワフルなドラミングとその破天荒な性格は稀代のドラマーと呼ぶに相応しい男でした。

2014年のMOTORHEAD イギリス・バーミンガム公演ではエディと共にステージに立ち、久々の黄金トリオ再編か! と思わせましたが、当日はドラムを叩きませんでした。病気療養していたとの噂もあったんですが‥。

この3人でのライヴをいつかリユニオンで観たいと思ってたのですが、叶わぬ夢となってしまいました。

大酒飲みで、子供のように無邪気な愛すべきドラマー、永遠なれ! R.I.P.




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2015年10月11日

レーベルの手厚いサポート等があればもっと大きくなる可能性が HARD STUFF

今回取り上げるHARD STAFF は、ATOMIC ROOSTER とQUATERMASS のメンバーが合体した、いわゆるスーパー・グループとの触れ込みで72年にデビューを果たしました。

最近の若い方にすれば??? という感じだと思いますが、ATOMIC ROOSTER は70年代初頭に ” Tomorrow Night ” や ” The Devil's Answer ” の全英シングル・ヒットを放った、オルガンを中心としたダークかつプログレッシヴなハード・ロック・バンド。QUATERMASS はあのリッチー・ブラックモア率いるRAINBOW が、彼らの ” Black Sheep of the Family ” をカヴァーした事でも知られるプログレッシヴ・トリオです。

ATOMIC ROOSTER の音楽性に違和感を感じ始めたギタリストのジョン・デュ・カンは、ドラマーのポール・ハモンドを引き連れてバンドを脱退、新バンド結成のためにQUATERMASS のジョン・ガスタフソンに声をかけ、当時飛ぶ鳥を落とすほどの勢いを持ったDEEP PURPLE のレーベルである 「Purple Records」 と見事契約を果たします。

EPISODE SIX (イアン・ギラン・ロジャー・グローヴァーが在籍) のドラマーでもあったミック・アンダーウッドがQUATERMASS でガスダフソンのバンド・メイトだったという関係から、(たぶん) 彼の口利きでレーベルとの契約が決まったと推測されます。Purple Records もPURPLE 以外の看板アーティストを必要としており、バンドとレーベル両者の思惑が一致したのでしょう。

ダークで憂鬱なROOSTER と、鋭角的で劇的なQUATERMASS のサウンドの融合。これが実に不思議な化学反応をアルバム内にて起こしているんです!

癖のあるスピーディーなリフが冒頭から炸裂する@はアルバム中最もポップな3分弱の楽曲で、プログレッシヴな両バンドのイメージからしてちょっとビックリ。でも印象的でイイ曲です。私はカンの弾く引っ掛かりのあるギター・フレーズが大好きなんです。

BからDは曲間が全く無く、メドレー形式で畳み掛ける風だ。鼓笛隊のドラムを連想する (笑) イントロから始まるCは、まるでThe Rolling Stones ばりのルーズさで、ファズがかかったヘヴィなギター・リフが耳をつんざくDとの対比は実に面白い!

EやGはATOMIC ROOSTER の楽曲からアクのあるキーボード・サウンドを抜き、オマージュしたような雰囲気。Fにはイアン・ギラン、ロジャー・グローヴァー2人のクレジットがあり、まるで 「IN ROCK」 に収められてても不思議じゃないほどPURPLE っぽい曲です。ただ、PURPLE で言えば捨て曲の部類かな?(笑)

彼らはもう一作アルバムを作り73年に解散。カンとハモンドはATOMIC ROOSTER の再結成に走り、ガスダフソンはその後PURPLE を脱退したイアン・ギランと合流。IAN GILLAN BAND を結成します。

英国プログレッシヴの個性的な両バンドが合体して作られたHARD STUFF には、レーベルの手厚いサポート等があればもっと大きくなる可能性があったんじゃないのかな?との気がします。今聴いても全く古臭さを感じさせない斬新なサウンド、角度を変えて見るとハードロック、ポップ、プログレッシヴと様々な光を放つ数々の楽曲、必聴です。Must!

ただ、国内で発売された本作はMSI盤とエアー・メイル・レコーディングス(紙ジャケ)の2種がありますが、ラストのIがバサッと切られて終わる雑なマスタリングのMSI盤はちょっとお薦めできません。ボーナス・トラックも1曲追加収録された紙ジャケ盤がお薦めかな。


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BULLETPROOF / HARD STUFF (1972)

@Jay Time
ASinister Minister
BNo Witch At All
CTaken Alive
DTime Gambler
EMillionaire
FMonster in Paradise
GHobo
HMR.Longevity
IThe Provider (Part 1)


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
⚡イチ押しポイント⚡ 英国の気品漂うも、音は意外に無国籍?


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2015年09月05日

70年代の個性的なブリティツシュ・ロックは素晴らしい BABE RUTH

70年代のブリティッシュ・ロックの中で、女性ヴォーカリストを擁したバンドとして私が最も印象に残っているのが、BABE RUTH です。

このバンド名、もちろんアメリカ大リーグの有名選手の名前なのですが、なんで野球の文化の無い英国のバンドがこの名前? と不思議に思うでしょう。これは紅一点のヴォーカリスト、ジェニー・ハーンがバンドの加入前にアメリカのバンドに在籍していたことがあり、その彼女のアイディアからBABE RUTH という名前に決まったそうです。

肉感的なルックスが麗しいジェニー・ハーンの張りのあるヴォーカルと、印象的なスパニッシュ・ギターを織り成すアラン・シャンクロックの2枚看板を売りに、ロック・プログレッシヴ・ジャズ・トラッドなどの要素をミックスしたサウンドは、本国イギリスよりアメリカ (特にカナダ) で人気を博しました。これはもしかして、バンド名も影響していたのかな?

ロジャー・ディーン作のポップでコズミックなジャケットがナイスな彼らのデビュー・アルバム。タイトルもズバリ、 「First Base」 (笑)

アランの硬質なギター・リフから始まる@は、ジェニーのパワフルなヴォーカルと、途中から入るホーンが曲をグイグイと引っ張っていきます。演奏時間が6分以上の曲ですが、なんとシングル・カットされました。まさにオープニングにふさわしい、ファンキーでノリノリなサウンドだ。

@から一転、物哀しいピアノとストリングスをバックにジェニーが切々と歌い上げる7分以上の大作Aは、BABE RUTH の美しい側面を見事に打ち出してます。エンディングまで続く4分以上の壮大なストリングスは、なんとも雄大で感動的です。

ロック界の鬼才、フランク・ザッパのカヴァーBは、オリジナルのファンキーなイメージとは裏腹にクールにアレンジされたインストとなってます。

Dは、クリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウェスタン映画 「夕日のガンマン」 のテーマを大胆に導入。アランの真骨頂であるラテン調のギターが全編にて炸裂。実にジャジーな雰囲気で、彼らの曲の中で最も知られているナンバーかもしれません。

ラストのEはジェニーとアランのツイン・ヴォーカルが他の曲との毛色の違いを醸し出してます。7分を超える大曲なのに、最後まで一気に聴かせてしまうサウンドの妙は絶品だ。

巷ではギター・サウンドが強調され、ハード・ロック度を増した3rd.が最高傑作とみなされてますが、個人的に様々なジャンルを見事にブレンド、昇華されたデビュー作が一番のお気に入りです。

この作品はハード・ロックよりプログレッシヴ・ロックのフィールドで語られることが多いんですが、イイものはイイんです! しかも女性ヴォーカルのバンドとしては出色の出来だと思います。70年代の個性的なブリティツシュ・ロックは皆、素晴らしいね!


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FIRST BASE / BABE RUTH (1972)

@Wells Fargo
AThe Runaways
BKing Kong
CBlack Dog
DThe Mexican
EJoker


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 実にインテリジェンスなブリティッシュ・ロックだ


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2015年08月11日

ファストな曲ではイングウェイ風、スローな曲ではリッチー風 RATA BLANCA

世界中で愛されているHR//HM の勢力を大まかに分布すると、アメリカ・イギリスが第1世界にあたり、ドイツ・北欧あたりが第2世界となるでしょう。そして、それ以外の国々が第3世界となるわけですが、この第3世界の特徴として、英語ではなく各国の母国語を使用するという傾向が見られます。

その中でも特にスペイン語は強烈で、スペイン出身のBARON ROJO、MEDINA ASAHARA など、巻き舌バリバリで歌い上げるスタイルは好き嫌いの分かれるところです。

今回紹介するRATA BLANCA は南米アルゼンチンのバンドで、もちろんヴォーカルは母国語のスペイン語で歌ってます。しかし彼らの場合、思いのほかスペイン語というイメージが希薄で、多国語はダメという方も意外とすんなりと入ることが出来ますよ。

RATA BLANCA はアルゼンチンのリッチー・ブラックモアことヴァルテル・ヒアルディーノを中心にバンドは結成。ちなみにバンド名は 「白ネズミ」 を意味するそうです。

88年に発表されたデビュー・アルバムは、ヴァルテルのイングウェイあたりを彷彿するギター・プレイ以外は特筆する箇所も少なく、曲のつまらなさや音質の悪さなどもあって、ちっとも好きにはなれませんでしたが、ヴォーカリストの交代、キーボード・プレイヤーが加入して制作された2作目 「MAGOS,ESPADAS Y ROSAS」 は見違える程の力作となりました。

@からいきなり様式美バリバリの疾走チェーンで幕を開けます。これまたイングウェイを彷彿するソロ・ワーク、起伏のあるメロディ・ラインは絶妙。様式美好きには、まさに美味しい展開だ。

一転してメロウなAは、ギター・ソロがもろリッチー・ブラックモア! クイクイとタメの効いたソロ・ワークが印象的。新ヴォーカリスト、アドリアン・バリラーリのしっとりと歌い上げる感じも哀愁たっぷり。

このギタリスト、ファストな曲ではイングウェイ風、スローな曲ではリッチー風とプレイ・スタイルを振り分けており、寝ても覚めても様式美が好きだという事がよーく分かります。

Cでは様式美のお約束ともいえる、ギターとキーボードの掛け合いが中間部で炸裂。1st. では見られなかったこういった展開は、キーボード加入によって非常にバンドにプラスの方向へ作用してますね。

大仰なイントロダクションが迫力のDは、RAINBOW の 「Eyes of Fire」 そっくりで、思わず笑ってしまいます。でも重厚でイイ曲ですよ。目をつぶってギター・ソロを聴いていると、まるで前半はリッチーが弾いているような泣きっぷり、後半はイングウェイのごとく弾き倒し。(笑)

FGHは3曲続けてインスト。それぞれの曲に、ヴァルテルのギタリストとしての魅力が詰まってます。

アルゼンチンという異国の地でもこれほどの実力があり、(自国ではなんとプラチナ・ディスクを獲得) ワールド・ワイドへ飛び出す可能性を秘めたバンドがあるなんて驚きです。世界は広いね。日本語で歌われるジャパメタより数段レベルの高い彼らは一聴の価値ありです。様式美が大好物の方は選り好みの気持ちを捨てて、ぜひ聴いて見て下さい。シビレるぜ!



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MAGOS, ESPADAS Y ROSAS / RATA BLANCA (1990)

@La Leyends Del Hada y El Mago
AMujer Amante
BEl Beso De La Bruja
CHaz Tu Jugada
DEl Camino Del Sol
EDias Duros
FPorque Es Tan Dificil Amar
GPreiudio Obsesvo *
HOtono Medieval *

* CD bonus track


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 様式美大好きは、どこの国も共通だ!


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2015年07月25日

いかにして他と違う音を作り出すかを模索していたバンドが多かった ATOMIC ROOSTER

HR/HM の主要楽器と言ったらギターと言うのが当たり前ですが、70年代前半はオルガンがサウンドの中心に据えられるバンドも多く、DEEP PURPLE やURIAH HEEP はオルガンがインストの重要な位置を占め、プログレッシヴ・バンドの多くもオルガンを中心としたサウンドを構築していました。

その中でも70年にデビューしたATOMIC ROOSTER はヴィンセント・クレインの操るオルガンがメインであり、まさにリード・オルガニストという称号がピッタリとくる存在感をバンド・サウンドの中に醸し出してます。

またベーシストが不在というメンバー構成も変わり種で、ヴィンセントがオルガンのペダルでベースの代用を行っていることが、きっと独特なサウンド・メイキングにつながっているのでしょう。

元々このバンドはあのカール・パーマーがオリジナル・ドラマーで、彼は1st 発表後すぐにEL&P を結成するためにバンドを脱退。バンドはヴィンセント以外のメンバーを一新して、これまでのジャズっぽいアプローチからヘヴィでダークなサウンドにガラッと変貌するのです。

タイトル・トラックの@は静かなプロローグから徐々にスピードを増していくサタニックなナンバーで、邪悪なメロディ・ラインがなんとも不気味な7分を超える大曲。曲中で繰り返されるギター・リフが耳に付いて離れません。

シングル・カットされたBは全米11位まで上昇したヒット曲。アルバム収録曲中比較的ポップなサウンドですが、どこか屈折した雰囲気は彼らの強い個性が宿っているんでしょう。

ゴシック調のキーボードが全編で大活躍するCは、途中のキーボードとギターの掛け合いがDEEP PURPLE を彷彿させます。フィルを入れまくるポール・ハモンドのドラミングも最高。

ジョン・ガンの憂鬱なギターから始まるDはリフ自体をキーボード主体で重厚に弾いており、フリーキーなギターがその上を自由に弾きまくるアップ・テンポなナンバー。本アルバム中のハイライト曲だ。

個人的にコテコテのプログレッシブ・ロックは苦手なんですが、本作のようなハード・ロック・テイストが強い作品は大好きです。また、オルガンの音って、アナログでなんともイイんですよね〜。

70年代の音楽は現代と違って、いかにして他と違う音を作り出すかを模索していたバンドが多かったという事実が、個性的なムーヴメントを形成していたんでしょうね。良い時代でした・・。


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DEATH WALKS BEHIND YOU / ATOMIC ROOSTER (1970)

@Death Walks Behind You
AVug
BTomorrow Night
CSeven Lonely Streets
DSleeping for Years
EI can't Take No More
FNobody Else
GGershatzer


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 サイケデリック&プログレッシヴ&ハード!


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