2016年08月16日

アゲまんバンドという言い方も裏を返せば PERSIAN RISK

そのバンドに在籍していたメンバーが何故か出世する、いわゆるアゲまんと呼ばれるバンドは色々とあります。アメリカではLONDONや ROUGH CUTT、イギリスではTYTAN など。

ちょっとマイナーではありますが、イギリスのPERSIAN RISK も、その部類に入るんじゃないでしょうか?

このバンドはNWOBHM 黎明期である79年に結成。ジョン・デヴィリル(TYGERS OF PAN TANG) フィル・キャンベル(MOTORHEAD) カール・センタンス(KROKUS) という渋い実力派ミュージシャン達を輩出、。初のフル・アルバムとなる本作は、結成からだいぶ経った86年に発表、既にジョン・デヴァリルは脱退しており、フィルとカールは在籍しています。

NWOBHM からまず連想するのは、リフまたリフの嵐という形態ですが、このバンド意外にメロディアスな方向を指針しており、Aなんかはアメリカンのバンド? と思わせるポップでメロディアス。コーラスやキラキラしたアルペシオが綺麗です。カール・センタンスの癖の無い歌い上げるヴォーカル・スタイルは非常に耳障りが良いです。

タイトル・トラックのBやDは一転、ヘヴィなリフが炸裂するハードなサウンドだ。しかし、サビがポップで英国っぽくないなー。

このバンドはFに代表されるように、いくらリフがへヴィでもカール・センタンスの歌メロが入ってくると、実にポップになるんですよ。本作が発表された86年は既にNWOBHM は壊滅的で、HR/HM のトレンドの主導権がアメリカに渡っていた事実も、彼らのサウンド・メイキングに少し影響していたのではないでしょうか?

その後MOTORHEAD に加入してレミーの片腕となるフィル・キャンベルのギターも、本作では全然彼らしくない没個性的ですし‥。

英国のバンドという事実を置いといて聴くと、メロディアス・ハード的な好盤と呼ばれる事に納得がいきます。しかし、個人的にブリティッシュ・ロックはもう少し湿り気のある、誇り高きサウンドであって欲しいのですが。

最初に書いたアゲまんバンドという言い方も、裏を返せば実力ミュージシャンが踏み台としていったバンドとも取れるんですよ。う〜ん。


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RISE UP / PERSIAN RISK (1986)

@Hold the Line
AJane
BRise Up
CBrave New World
DDon't Turn Around
ESky's Falling Down
FBreak Free
GDark Tower
HRip it Up
IWoman and Rock
JToo Different *
KSky's Falling Down *
LDark Tower *

* CD BONUS TRUCK


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
イチ押しポイント 英国という先入観を捨てて聴けばイイかも。


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2016年07月04日

そして完全復活までの長い道のりを歩いていく事となるのです SAXON

IRON MAIDEN、DEF LEPPARD と並んでNWOBHM の雄であり現在も活動を続けるSAXON は、先のバンドとらは違って多くの紆余曲折を経てきました。

同胞のMAIDEN へのライバル心は並々ならぬものがあり、初の日本公演が決まっていたMAIDEN の来日前にエージェントにゴリ押しをして、MAIDEN よりも先に日本公演を実現させたという逸話があるほどです。

80年代初頭にMAIDEN はヴォーカルをブルース・ディッキンソンに変え、草の根的なライヴ活動を全米中で展開した結果、83年発表の 「PIECE OF MIND」 を全米チャート最高14位に送り込みました。DEF LEPPARD はそのポップな音楽性に加え、ジョン・マッド・ランジという敏腕プロデューサーとタッグを組み 「PYROMANIA」 を見事全米2位まで押し上げたのです。

その動きをSAXON も見逃すはずがありません。彼らもアメリカ制覇にベクトルを向けて制作された 「POWER AND THE GLORY」 これが当時ファンの間で賛否両論を巻き起こしたのです。

個人的には本作はSAXON らしさが後退している訳ではなく、実にバランスの良い作品となったと思うのですが。

タイトル・トラックの@から、SAXON節が炸裂する突出した疾走感が迫力満点だし、ABとシャッフル・ナンバーを並べる曲順も心憎い。

Cはメジャー・キーのアルペジオのイントロが当時物議を醸しだし、ハードコアなファンが眉をひそめた問題の楽曲。今聴いてみると、別に何てこと無いんだけど。不思議ですね。

炎の様に疾走するDに対して、ラストのGはスローで重厚な雰囲気が新機軸。タイトルも前作のライヴ・アルバムと同じで、SAXON らしからぬ (?) 哲学的な歌詞が美しい。

結局本作は全米チャート100位圏内にも届かず、その焦りからなのか次作より音楽性を劇的に変化させ、自らの首を絞めるごとく奈落の底に堕ちていきます。そして完全復活までの長い道のりを歩いていく事となるのです。



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POWER AND THE GLORY / SAXON (1983)

@Power and the Glory
ARedline
BWarrior
CNightmare
DThis Town Rocks
EWatching the Sky
FMidas Touch
GThe Eagle Has Landed



歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
イチ押しポイント ヤワな作品じゃないでっせ!


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2016年05月15日

NYの夜の街並みに立っているストリート・ガールのよう PRECIOUS METAL

私はCDを1,000枚近く持っているんですが、たまにアルバム整理している最中に 「おっ、こんなの持ってたんだ。」 と、ふと手を停めてしまうことがあります。

そんな風に見つかった一枚が、今回紹介する 「PRECIOUS METAL」 です。

女性だけのバンドってのも結構あって、古くはRUNAWAYS、ROCK GODDESS、GIRLSCHOOL。80年代にはVIXEN やPHANTOM BLUE など、有名どころでもザッとこれだけ挙げられます。

どうしても女性だけのバンドというと、まずルックスが気になる所ですね?? 美麗なルックスを持つ女性が多いバンドや、それなりの粒揃いのルックスが揃ったバンドなどが多々あります。個人的にケリー・ジョンソン (GIRLSCHOOL) や、サンディ・ウエスト (RUNAWAYS) が私好みなんですが。

そして肝心のPRECIOUS METAL なんですが・・。 残念ですが、これが酷い。 (笑) 彼女らは揃いも揃って、まるでNYの夜の街並みに立っているストリート・ガールのようです。

PRECIOUS METAL は83年にLA で結成され、86年にマーキュリー / ポリグラムより、あのポール・サブーのプロデュースで華々しくアルバム・デビューを果たします。そして本作は90年に発表された3作目にあたる作品で、バンド名をアルバム・タイトルに冠した事実や、レコード会社をCAPITOL傘下に移籍したことから推測して、彼女らの勝負作であったと思われます。

しかし、まずアルバム・ジャケットを見て心が折れました。 ジャケットと言えば、まさにアルバムの顔なんですが、並んだ5人のメンバーは何とも‥。 もうちょっと修正とが出来ないのか、それとも、修正してこのレベルなのか? まあ、ルックスという色眼鏡だけで見てはいけない事も十分わかってます。肝心なのは音なんです、うん! しかし、しかし‥。

正直言って、サウンドも掴みどころがないのが率直な感想です。雰囲気としてはVIXEN に楽曲の雰囲気は似ており、レスリー・ナウアーのハスキーなヴォーカルが印象的なんですか。

そして気づいたんですが、あのブルース・スプリングスティーンの80年発表作品 「THE RIVER」 収録の " TWO HEART " をカヴァーしているじゃありませんか! カヴァーのセンスは良いのですが、内容は凡夫なアレンジで、う〜ん。

すみません、あまりレビューになってないですね。割とJなんかはソリッドで好きなんですが。まあ、アルバム整理中に持っていると気づく程度のアルバムですので御勘弁を、合掌・・。


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PRECIOUS METAL / PRECIOUS METAL (1990)

@Mr. Big Stuff
ATrouble
BTwo Heart
CThrilling Life
DForever Tonight
EReckless
FEazler than You Think
GNasty Habits
HDownhill Dreamer
IIn the Mood
JHowl at the Moon
KChasing Rainbow *

* bonus track


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン  レア度 国内未発売
イチ押しポイント ガールズ・メタルも色々あります‥。


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2016年04月11日

なんで腕相撲なの‥。 HUSTLER

「なんじゃ、このダサダサのジャケットは!」 本作の第一印象はこんな感じでした。時代を感じさせるベルボトムのジーンズを履く人々で溢れるロンドンの道端で何故か腕相撲をする姿、なんで腕相撲なの‥。

イマイチの作品はアルバム・ジャケットの見た目も最悪という定説を覆すこのHUSTLER の1st は74年の発表で、マイケル・シェンカーが加入したばかりのUFO、ツイン・リード体制になりUKフォノグラム傘下のヴァーティゴと契約したTHIN LIZZY、名作である2nd. を発表したばかりのQUEEN など 、それぞれの個性や毛色が全く違うバンドらとイギリスでしのぎを削っていました。

HUSTLER は74年にレーベルと契約し、同8月にアルバムを発表。同時に8月に行われていた英国ロックの風物詩、レディング・フェスティバルに初出演と、新人ながら幸先の良いスタートを切ったのです。

泥臭いブギー調のサウンドの上にギターとオルガンによるクラシカルな味付けを。そしてプログレッシヴのエッセンスを注入した展開は斬新で、個性が服を着て歩いていると言われた70年代の英国のバンドの1つと言えるでしょう。

緊迫感溢れるイントロから始まるほぼインストのAは、ギターとオルガンのクラシカルなユニゾン・プレイがカッコよく、中間部の構築されたオルガン・ソロも実にメロディアス。DEEP PURPLE やURIAH HEEP らが好きな方なら、どストライクですよ。

DはFACES ばりのアーシーなR&R。同じアルバム内に両極端のサウンドが同居しているのは、なんとも面白い。

Gは退廃的なバラードで、スティーヴ・ハイネスの絞り出す様なヴォーカルが哀愁を誘います。後半は転調してスリリングなシャッフル・ビートで疾走。三連のオルガン・ソロが印象的だ。

Hはバント名と同名曲で、ライヴでもラストを飾っていた代表曲。武骨なシャウトが迫力満点で、力強く唄われるサビの相の手となるコーラスが何とも悩ましい。こういった男らしい歌声で、悲しいメロディをなぞる唄法はとても私好みです。静寂を挟んで中間部のオルガン・ソロからさらにストリングスが被さってくる展開はドラマティックで、ラストまで曲をガツンと盛り上げていきます。

全曲名曲揃いとは言えませんが、AとHの充実度が他にもっと波及していたら本作は名盤の称号を与えられたんじゃないかと思います。この2曲を聴くだけでも、アルバムを買う価値はありますよ。

彼らは結局もう1枚アルバムを発表した後に解散しますが、70年代のB級バンドはHUSTLER のような個性的なバンドがウヨウヨしていて、今でも私の聴欲を掻き立ててくれます。実にいいバンドだなー。



HUSTLER.jpg


HIGH STREET / HUSTLER (1974)

@Just Leave a Good Man
APiranhas
BLet the Wind Slow
CUptight Tonight
DGet Outa 'Ouse
EJack the Lad
FMidnight Seducer
GMiranda
HThe Hustler


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★
イチ押しポイント ブギとクラシカルの融合は斬新だ


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posted by ハムバッカー at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月12日

追悼 KEITH EMERSON

元EMERSON、 LAKE & PALMER のキース・エマーソンが3月10日に、LAサンタモニカの自宅で亡くなりました。享年71歳。

世界に先駆けてモーグ・シンセサイザーを初めて使用した鍵盤の先駆者であり、鍵盤にナイフを突き刺し、オルガンを倒して破壊。さらに空中でグランド・ピアノを回転させるなどの狂気のパフォーマンスは、まさに時代を突き抜けた存在であったと思います。

ロックだけでなくジャズ、クラシックにも精通し、ムソングルスキーの ” Pictures at an Exhibition” をはじめ、ロックとの融合を試みる実験的かつ革命的なプレイは、後のアーティスト達に多大なる影響を与えました。

近年は右手の麻痺から思うようなプレイが出来ずに鬱状態が続いていたらしく、拳銃で自分の頭を打ち抜いた自殺だとの報道が ‥。

4月にはキース・エマーソン・バンドとしての来日が決定していたのですが、残念です。 R.I.P.


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