2015年01月31日

実に直線的な心地良い疾走感を伴い SAXON

80年代にアメリカ制覇を目指したが、それに伴う音楽性の変貌により多くのファンを失い重傷を負ったSAXON は、それまでのメジャー・レーベルを離れてドイツのレーベルと契約、再スタートを図ります。

本作は91年発表の 「SOLID BALL OF ROCK」 に続いて92年に発表された復活第2作目であり、迷いの生じていた妙に似合わないポップなサウンドが姿を消し、NWOBHM 初期の頃の姿が復活したのです。

私を含め多くのリスナーが求めていたのがこの姿であり、世界中のハードコアなファンに大歓迎されました。

オープニングの@から実に直線的な心地良い疾走感を伴い、「コレだよ、コレ!」と、思わず膝を叩いてしまいました。音抜けの良いビフ・バイフォードの指笛も健在だ。

CREAM やZEP、UFO、MEGADETH ら多くのバンドにカヴァーされているアーティスト、ウイリー・ディクソンのBは大胆なアレンジが施され、まるでオリジナル曲の様です。

また、雄大なる大地を想像させるアコースティカルな牧歌的バラードのDは、ビフの歌声の素晴らしさを改めて再認識させてくれます。これだけ声域が狭いのに、多彩なメロディ・ラインを生み出すビフの作曲能力は、いやはや凄いな。この曲はライヴでも演奏されており、実に良い雰囲気を醸し出してますよ。

GやIのファスト・ナンバーも硬質のサウンドをまとっていて、もうノリノリです。「THE EAGLE HAS LANDED」 の次作と言っても不思議の無いぐらいの音作りに、思わずニヤリとさせられます。

IRON MAIDEN、DEF LEPPARD らがアメリカで確固たるポジションを確立したのとは全く別の道を選択したSAXON は、ドイツやギリシャなど第三国の欧州で再スタートを切り、新たに強力なファン・ベースを作り上げたのです。

まさに劇的な復活と呼んでも良いんじゃないでしょうか。 90年代に発表されたアルバムは一般リスナーにあまり知られてませんが、実はすべてが名盤と呼べるものばかりですよ! うむ。



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FOREVER FREE / SAXON (1992)

@Forever Free
AHole in the Sky
BJust Wanna Make Love to You
CGet Dawn and Dirty
DIron Wheels
EOne Step Away
FCan't Stop Rockin'
GNighthunter
HGrind
ICloud Nine


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 これがSAXON のあるべき姿である。まいったか!


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2014年11月23日

自らの未来のサウンドを「ダンス・メタル」と名乗って JAGUAR

79年というNWOBHM 黎明期に結成されたバンドJAGUAR は、メロディ・メイカー誌主催のコンテストで第4位に入賞。それをきっかけにHeavy Metal Records と見事契約。発表したシングル盤 「Back Streeet Woman」 は、インディーズとしては異例の4千枚を売りさばきました。

その後のレーベルのサポートが得られないのを不服として、Neat Records へ電撃移籍。ヴォーカリストをポール・メイルにチェンジして、83年に初のフルレンス・アルバム 「POWER GAMES」 を発表します。

本作は若さに任せた気持ちいい位の疾走感に満ちており、ジョン・サイクスのような花形ギタリストはいませんが、TYGERS OF PAN TANG を彷彿させるリフ主体のスピーディかつ武骨なサウンドをアルバム全編にブチかましてます。

@のイントロから畳み掛けるようなリフの嵐! 前面に出ている迫力満点のドラムも手数が多くてノリノリです。ヴォーカリストのポールも決して上手くは無いのですが、歌い上げるタイプの非常に伸びのある聞き易い声質だ。湿り気を帯びて、何処か翳りのある歌メロは、個人的には大好物。(笑)

Aメロがアルペシオ主体のメロウな雰囲気で、サビに入ると一転ヘヴィなサウンドに変わるCは静と動のコントラストを絶妙に醸し出しており、アルバムの中でも良いアクセントとなってます。

IRON MAIDEN をちょっと彷彿させる劇的な展開のE、ミディアム・テンポでグイグイ押しながら、途中転調して疾走するGなど隠し味多数。ゴリゴリの疾走リフだらけでも、意外に考えてるなと思えるほどのバリエーションにはちょっと驚きだ。

Neat Records としては、非常に質の高い作品 (失礼!)を発表して評価を得た彼らは、オランダの大手インディーズであるRordrunner へとめでたくステップアップ移籍。その後の飛躍が期待されたのですが、何故かバンドは音楽性を変えるとの血迷った行為に走り、自らの未来のサウンドを「ダンス・メタル」と名乗って実に中途半端な方向性を模索したセカンド・アルバムを発表。当然セールス的にも振るわず、JAGUAR はシーンからあっという間に消えていくのでした。

このNWOBHM ムーブメントもIRON MAIDEN ら一部のバンド以外は、残念ながらメジャーにはお呼びでなかったのでしょう、きっと。でも、いいバンドでしたよ、JUGUAR は!


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POWER GAMES / JAGUAR (1983)

@Dutch Connection
AOut Of Luck
BThe Fox
CMaster Game
DNo Lies
ERun For Your Life
FPrisoner
GAin't No Fantasy 
HRawdeal
IColdheart
JAxe Crazy *
KWar Machine *

* BONUS TRACK


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 ひょっとしたら、NWOBHM の十指に入るアルバムかも!


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posted by ハムバッカー at 14:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月05日

これまた失踪 UFO

大英帝国が生んだハード・ロック・バンド、UFO は73年にSCORPIONS からマイケル・シェンカーを引き抜き、クリサリス・レコードと契約をしてから成功の階段を駆け上がっていきましたが、それ以前のバンド遍歴はあまり知られていません。

UFO は69年にフィル・モグ、ピート・ウェイ、ミック・ボルトンを中心に結成。当時のドラマーを魚の臭いがする (笑) という理由で解雇し、ドラム・セットを持っている事を理由にアンディ・パーカーを加入させます。

初期のUFO はギタリストの座が安定しないという難点がありました。元ボクサーのフィル・モグをはじめとしたメンバー達の個性は強力で、殴り合いの喧嘩もしょっちゅう。また酒豪が揃う中に加入したギタリストは、1回のツアーでアルコール中毒になってしまう、嘘のような本当の話がバンド内で起こっていたのです。

そんなトラブル続きのバンドでしたが、ビーコンというマイナー・レーベルより3枚の作品を発表。その3枚よりチョイスされた楽曲をまとめた日本独自のお得な (?) ベスト盤が本作、 「UFO BEST 10」 です。(1st. @ABCD、2nd. EF、3rd. GHI)

初期のサウンドは総じてどんよりと重苦しく、唯一、エディ・コクランのカヴァー@がドイツと日本でヒットした以外は、本国イギリスでは大した実績が残せていません。ボ・デイドリーのD、ティム・ローズのC (URIAH HEEP も1st. でカヴァー) など、カヴァー曲ばかりが選曲されてるのは何故だ?

Aのスペイシーかつサイケデリックなインストから、タイトル通リブギー調のBにメドレーでつながるんですが、マイケル・シェンカー在籍時のサウンド・曲調と比較すると、あまりの違いにちょっと驚きますよ。

19分近くに及ぶFは、幻想的かつドロリとしたな雰囲気で、ジャジーなインストではピート・ウェイのフリーキーなベースが縦横無尽に弾きまくってます。まるでプログレッシヴ・バンドのようだ。

日本で制作されたライヴ・アルバム (3rd.) からも3曲がチョイス。この来日公演はスリー・ドッグ・ナイト (!) とのジョイントでの武道館でのライヴが予定されてたが、スリー・ドッグ・ナイト側が来日をキャンセルしたため、急遽日比谷野音での単独ライヴに変更となったという逸話があります。日本の観客も来日アーティストが少ない時代のせいなのか、ノリノリなのが微笑ましいです。(笑)

UFOはこの3作を発表後、ギタリストのミック・ボルトンが失踪、後任のラリー・ウォリスはあまりの酒癖の悪さに解雇。続いて加入したバーニー・マースデン (後にWHITESNAKE に加入) もこれまた失踪。 (なんてバンドだ! マイケルが初めてじゃないのね。笑) そして前座を務めていたSCORPIONS のマイケル・シェンカーを引き抜き、UFO の本当の栄光がここから始まるのです。

それ以前の苦難の時代を網羅したこのベスト盤は、彼らの音楽の基盤を垣間見ることが出来、ある意味とても貴重であると思います。



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UFO BEST 10 / UFO (1991)

@C'mon Everybody
AUnidentified Flying Object
BBoogie
CMelinda
DWho Do You Love
ESilver Bird
FStar Storm
GC'mon Everybody (LIVE)
HLoving Cup (LIVE)
IPrince Kajuku the Coming of Prince Kajuku(LIVE)



歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 サイケデリック!スペーシー! 70年代やね。


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2014年08月14日

まるで墓の中から這い上がってきたようなゴリゴリの楽曲群に OZ

80年前半に勃発した、EUROPE、YNGWIE らを輩出した第一次北欧メタル・ムーヴメントは、北欧さながらの澄みきったサウンドや叙情的なメロディが私達多くのメタル・ファンの心を捉えました。

その一方でメロディアスさと対極を成す、NWOBHM の洗礼を受けたゴリゴリのサウンドを武装するバンドも多数現れ、その中でも個人的に一推しだったのがスウェーデン出身のバンド、OZ です。

結成は77年と、EF BAND、HEAVY LORD あたりと同様に極初期の北欧メタルのバンドという事で、IRON MAIDEN らに代表するイギリス特有のリフ主体のパワフルなサウンドを擁し、全く北欧らしくないんですよ。

メンバー名がエイプ (猿!) ・デ・マルデューニやジェイ・C・ブレイド、スピーディ・フォックスなどの名を名乗り、奇怪なロゴマークなどデヴィリッシュなイメージで統一されており、しかも83年に発表のセカンド・アルバム 「FIRE IN THE BRAIN」 のジャケットは髑髏を持つスタッド付きの手 (何故か髑髏の頭が燃えてる??) も何やら怪しげだ。

このバンド、リフ主体の英国産バンドのカデゴリーに属するサウンドなのですが、2本のギターが意外にもドラマティックな展開を作り上げてるのが驚きで、ハゲ頭のヴォーカリスト、エイプのパラノイア的ヴォーカルもなかなか聴き応え十分で、そんじょそこらのNEAT RECORDS あたりのバンドと一緒にしちゃいけません。また新加入のベーシスト、ジェイ・C・ブレイドが本作の多くの楽曲作りに携わってるらしいです。

@からゴリゴリと疾走するスピード感にはノリノリで、エイプのキレ気味のシャウトも迫力満点!アルバム・トップの曲は走り倒すというメタルの基本を忠実に実行してます。イントロからちょっとしたギター・ソロを炸裂させるBはミディアム・テンポかつパワフルなナンバーだ。このダークな感じが非常にイイね。

イントロのチョーキングのハモリが印象的なDは意外にポップなメロディがよく合っていて、ブリッジの途中に入るギターのフレーズが妙に心に引っ掛かります。

タイトル・トラックのGもザクザクとしたリフを主体とした疾走ナンバーで、ラストを締めくくるには相応しいスピード感のある楽曲です。

叙情的で美しい北欧メタルとは逆の側面を持つへヴィかつパワフルな、まさにダークサイドの住人であるOZ。残念ながらアルバムは入手困難ですが、見つけたら三食抜いても買うべし!

OZ は全4作のナイスな作品を発表したところで、メイン・ソングライターのジェイが他のバンドに引き抜かれて活動を停止。91年に復活作 「ROLL THE DICE」 をリリースしたが、以前のOZ とはかけ離れた妙に軽いサウンドにガックシ。

彼らは永遠の眠りについたと思われましたが、なんと20年の歳月を経ての2011年に驚きの復活! 全盛期のメンバーであるエイプやマークを含んだラインナップで作られた 「BURNING LEATHER」 は、以前の楽曲のセルフ・リメイクを含むアルバムで、80年代の彼らのサウンドとまったく変わっていない、まるで墓の中から這い上がってきたようなゴリゴリの楽曲群に思わず涙。(嬉)


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FIRE IN THE BRAIN / OZ (1983)

@Search Lights
AFortune
BMegalomaniac
CBlack Candles
DGambler
EStop Believin'
FStop Believin'
GFire in the Brain


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷一押しポイント雷 NWOBHM 好きの殿方には、是非!


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posted by ハムバッカー at 12:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月10日

まさにけたたましいとの表現がピッタリだ KEEL

ナッシュビルから大いなる野望を持ちLAに渡ってきたロン・キールは、LAでメンバーを集めてSTEELER を再始動。イングウェイ・マルムスティーン擁するラインナップは、一躍LAメタルに沸くシーンで注目の的となりました。

しかし、お互いの音楽性すべてに共通点が見いだせなかった (そりゃそうだ) ロンとイングウェイは激しく対立。その後、イングウェイの脱退という事件へ発展します。

アルバム 「STEELER」 発表時には既にロン以外のメンバーはすべて脱退。しかもイングウェイを含むメンバー構成であれば、契約するレコード会社もあったと噂されてましたが、当然のごとくその話も消滅。後任にカート・ジェイムズ、ミッチ・ペリー、アダム・ボムらを加入させてバンドを継続しましたが、83年にバンドは解体。再度メンバーを集めながら自己の名前を冠としたバンド、KEEL を結成しました。

イングウェイをバンドに紹介するなど、KEEL をサポートしてきたShrapnei Records の社長、マイク・ヴァーニーのヘルプを得て84年にKEEL はデビュー・アルバム 「LAY DOWN THE LAW」 の発表に漕ぎつけます。

その際、他のメンバーに 「俺のやりたい方向性に黙ってついてきてくれ。それが嫌な奴はバンドから出て行ってくれ。」 とロンは言い放ったそうです。自己に対する確固たる自信と、STEELER での反省を踏まえての発言なのでしょう。

何とも官能的なジャケット (乳を握っている手は、たぶんロンの手でしょう) の本作は、STEELER 時代の後期の楽曲も含む、重厚かつメタリックなサウンドが全編を占めており、 「THE RIGHT TO ROCK」 のプロトタイプともいえる@はその代表格。タイトル・トラックのAもミディアム・テンポのKEEL 節が全開だ。

疾走するBGは彼らの真骨頂であり、ロンのスクリームも凄い凄い。まさにけたたましいとの表現がピッタリだ。HはTHE ROLLING STONES の大ヒット曲のカヴァー。この3曲は、後のメジャー・デビュー作に再収録されます。

Bの綺麗なバラードは彼らの新境地。STEELER 時代の " Serenade " での音痴さと比べたらなんと、大進歩じゃないですか!アコースティックに奏でられた美しいメロディが印象的。

ただ、難点を挙げると、終始不安定なドラマーの存在か。(Gのイントロは、なんだか分からんぞ!) 案の定、本作発表後脱退しちゃいますけど。(笑)

その後、メジャーレーベルA&M 傘下のゴールド・マウンテンと契約を凍結。なんとKISS のジーン・シモンズをプロデューサーに釣り上げて、メジャー・デビューを果たします。



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LAY DOWN THE LAW / KEEL (1984)

@Thunder and Lightning
ALay Down the Law
BSpeed Demon
CPrincess of Illusion
DBorn Ready
EMetal Generation
FTill Hell Freezes Over
GYou're the Victim (I'm the Crime)
HLet's Spend the Night Together


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 国内未発売
雷イチ押しポイント雷 ロンの金属的スクリームは見事だ!


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posted by ハムバッカー at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする