2014年08月14日

まるで墓の中から這い上がってきたようなゴリゴリの楽曲群に OZ

80年前半に勃発した、EUROPE、YNGWIE らを輩出した第一次北欧メタル・ムーヴメントは、北欧さながらの澄みきったサウンドや叙情的なメロディが私達多くのメタル・ファンの心を捉えました。

その一方でメロディアスさと対極を成す、NWOBHM の洗礼を受けたゴリゴリのサウンドを武装するバンドも多数現れ、その中でも個人的に一推しだったのがスウェーデン出身のバンド、OZ です。

結成は77年と、EF BAND、HEAVY LORD あたりと同様に極初期の北欧メタルのバンドという事で、IRON MAIDEN らに代表するイギリス特有のリフ主体のパワフルなサウンドを擁し、全く北欧らしくないんですよ。

メンバー名がエイプ (猿!) ・デ・マルデューニやジェイ・C・ブレイド、スピーディ・フォックスなどの名を名乗り、奇怪なロゴマークなどデヴィリッシュなイメージで統一されており、しかも83年に発表のセカンド・アルバム 「FIRE IN THE BRAIN」 のジャケットは髑髏を持つスタッド付きの手 (何故か髑髏の頭が燃えてる??) も何やら怪しげだ。

このバンド、リフ主体の英国産バンドのカデゴリーに属するサウンドなのですが、2本のギターが意外にもドラマティックな展開を作り上げてるのが驚きで、ハゲ頭のヴォーカリスト、エイプのパラノイア的ヴォーカルもなかなか聴き応え十分で、そんじょそこらのNEAT RECORDS あたりのバンドと一緒にしちゃいけません。また新加入のベーシスト、ジェイ・C・ブレイドが本作の多くの楽曲作りに携わってるらしいです。

@からゴリゴリと疾走するスピード感にはノリノリで、エイプのキレ気味のシャウトも迫力満点!アルバム・トップの曲は走り倒すというメタルの基本を忠実に実行してます。イントロからちょっとしたギター・ソロを炸裂させるBはミディアム・テンポかつパワフルなナンバーだ。このダークな感じが非常にイイね。

イントロのチョーキングのハモリが印象的なDは意外にポップなメロディがよく合っていて、ブリッジの途中に入るギターのフレーズが妙に心に引っ掛かります。

タイトル・トラックのGもザクザクとしたリフを主体とした疾走ナンバーで、ラストを締めくくるには相応しいスピード感のある楽曲です。

叙情的で美しい北欧メタルとは逆の側面を持つへヴィかつパワフルな、まさにダークサイドの住人であるOZ。残念ながらアルバムは入手困難ですが、見つけたら三食抜いても買うべし!

OZ は全4作のナイスな作品を発表したところで、メイン・ソングライターのジェイが他のバンドに引き抜かれて活動を停止。91年に復活作 「ROLL THE DICE」 をリリースしたが、以前のOZ とはかけ離れた妙に軽いサウンドにガックシ。

彼らは永遠の眠りについたと思われましたが、なんと20年の歳月を経ての2011年に驚きの復活! 全盛期のメンバーであるエイプやマークを含んだラインナップで作られた 「BURNING LEATHER」 は、以前の楽曲のセルフ・リメイクを含むアルバムで、80年代の彼らのサウンドとまったく変わっていない、まるで墓の中から這い上がってきたようなゴリゴリの楽曲群に思わず涙。(嬉)


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FIRE IN THE BRAIN / OZ (1983)

@Search Lights
AFortune
BMegalomaniac
CBlack Candles
DGambler
EStop Believin'
FStop Believin'
GFire in the Brain


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷一押しポイント雷 NWOBHM 好きの殿方には、是非!


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2014年07月10日

まさにけたたましいとの表現がピッタリだ KEEL

ナッシュビルから大いなる野望を持ちLAに渡ってきたロン・キールは、LAでメンバーを集めてSTEELER を再始動。イングウェイ・マルムスティーン擁するラインナップは、一躍LAメタルに沸くシーンで注目の的となりました。

しかし、お互いの音楽性すべてに共通点が見いだせなかった (そりゃそうだ) ロンとイングウェイは激しく対立。その後、イングウェイの脱退という事件へ発展します。

アルバム 「STEELER」 発表時には既にロン以外のメンバーはすべて脱退。しかもイングウェイを含むメンバー構成であれば、契約するレコード会社もあったと噂されてましたが、当然のごとくその話も消滅。後任にカート・ジェイムズ、ミッチ・ペリー、アダム・ボムらを加入させてバンドを継続しましたが、83年にバンドは解体。再度メンバーを集めながら自己の名前を冠としたバンド、KEEL を結成しました。

イングウェイをバンドに紹介するなど、KEEL をサポートしてきたShrapnei Records の社長、マイク・ヴァーニーのヘルプを得て84年にKEEL はデビュー・アルバム 「LAY DOWN THE LAW」 の発表に漕ぎつけます。

その際、他のメンバーに 「俺のやりたい方向性に黙ってついてきてくれ。それが嫌な奴はバンドから出て行ってくれ。」 とロンは言い放ったそうです。自己に対する確固たる自信と、STEELER での反省を踏まえての発言なのでしょう。

何とも官能的なジャケット (乳を握っている手は、たぶんロンの手でしょう) の本作は、STEELER 時代の後期の楽曲も含む、重厚かつメタリックなサウンドが全編を占めており、 「THE RIGHT TO ROCK」 のプロトタイプともいえる@はその代表格。タイトル・トラックのAもミディアム・テンポのKEEL 節が全開だ。

疾走するBGは彼らの真骨頂であり、ロンのスクリームも凄い凄い。まさにけたたましいとの表現がピッタリだ。HはTHE ROLLING STONES の大ヒット曲のカヴァー。この3曲は、後のメジャー・デビュー作に再収録されます。

Bの綺麗なバラードは彼らの新境地。STEELER 時代の " Serenade " での音痴さと比べたらなんと、大進歩じゃないですか!アコースティックに奏でられた美しいメロディが印象的。

ただ、難点を挙げると、終始不安定なドラマーの存在か。(Gのイントロは、なんだか分からんぞ!) 案の定、本作発表後脱退しちゃいますけど。(笑)

その後、メジャーレーベルA&M 傘下のゴールド・マウンテンと契約を凍結。なんとKISS のジーン・シモンズをプロデューサーに釣り上げて、メジャー・デビューを果たします。



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LAY DOWN THE LAW / KEEL (1984)

@Thunder and Lightning
ALay Down the Law
BSpeed Demon
CPrincess of Illusion
DBorn Ready
EMetal Generation
FTill Hell Freezes Over
GYou're the Victim (I'm the Crime)
HLet's Spend the Night Together


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 国内未発売
雷イチ押しポイント雷 ロンの金属的スクリームは見事だ!


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2014年06月07日

売れるサウンドを志向するために必要な物だけを残した MONTROSE

70代のアメリカのハード・ロックを牽引してきたMONTROSE。後に名盤と呼ばれることとなる1st. と2nd. を発表した後、彼らに大きな変化が現れます。

ヴォーカリストで、その後ソロを経てVAN HALEN 加入するサミー・ヘイガーがバンドを脱退した事と、プロデューサーのテッド・テンプルマンとの決別です。

リーダーのロニー・モントローズの狙いとして、売れるサウンドを志向するために必要な物だけを残したという事でしょうか。評判は良かったが前2枚のアルバム・セールスが思いのほか伸びなかったですし、もしかしたらサミーと何らかの衝突があったのかと考えられます。そして、本作がセルフ・プロデュースといえばなおさらでしょう。

アルバム・タイトルや映画のチラシを想起させるアルバム・ジャケットしかり。とてもユーモア溢れていてインパクトがあります。

音楽性はHRをベースにした強烈なブギー性は確かに後退しましたが、ハード一辺倒とは違ったまずまずのサウンドを聴かせてくれます。シンセから導かれて始まる@は、なかなかのドライヴ感を持った、オープニングにもってこいの曲。時折魅せるギターのハーモニー・ソロがいい味を出してます。新加入のボブ・ジェイムズの声がサミーとそんなに変わらないのが笑える!

エディ・コクランのBやアラン・プライスのEなど、カバー曲も2曲収録。アルバムをポップに彩る側面だ。

Cなんかの歌詞や壮大なメロディを聴くと、この曲はアメリカン・ハード・ロックの先駆け、MOUNTAIN の代表曲 " Nantucket Sieighride " を彷彿させます。Fのアコースティック・ギターで奏でられる牧歌的なインストも新機軸だ。

Hは本作中一番の疾走曲で、前作までの強烈なブギー色が色濃く反映されたラストを締めくくるのに相応しいノリノリの曲だ。ヴォーカルのメロディ・ラインも哀愁を帯びていて、カッコイイですよ。

その後MONTOROSE はメンバーを流動的に変化させながら全4枚の作品を発表し、わずか3年の短いバンド活動を終えます。 (その後再結成もありましたが)  しかし、アルバム・セールス以上に後世にインパクトを残したアメリカのバンドであり、多くの有名ミュージシャンらを輩出してアメリカン・ハードの重要な指針となったバンドだと思います。



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WARNER BROS. PRESENTS / MONTROSE (1975)

@Matriarch
AAll I Need
BTwenty Flight Rock
CWhaler
DDancin' Feet
EO Lucky Man
FOne and a Half
GClown Woman
HBlack Train


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 アメリカのバンドらしいゴージャス(?)な雰囲気だ


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posted by ハムバッカー at 17:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月05日

「凄い」 と 「好き」 とは別次元の話です QUEENSRYCHE

バンドが分裂する理由として、音楽性の相違や人間関係のもつれなどをよく聞きますが、実際は 「金」 が絡んでいることがほとんどで、人間の欲とは何ぞやというのをひしひしと感じさせます。

そして、分裂したバンド双方が同じバンド名を名乗るという、なんともややこしい展開となる事例がこれまでにもありました。GREAT WHITE 然り、TANK 然り。

そう、今回紹介するのはもうお分かりでしょう。 (笑) QUEENSRYCHE です。

彼らの場合、最終的にジェフ・テイトが首となりましたが、マネージャーを務めるジェフの妻に対して他のメンバーが、金の不明瞭さ等に疑問を抱いたのが大方の理由でしょう。

その後多くのバンドと同様に、分裂した双方がバンド名の権利を主張する、泥沼の法廷闘争が始まるのです・・、おいおい。

83年にEMIよりメジャー・デビューした彼らは、MOTLEY CRUE、RATT をはじめとしたグラマラスなLAメタルの中で、JUDAS PREIST ばりのサウンドを引っ提げて、私を含むブリティッシュ寄りのファンの心をムンズとわし掴みにしました。その作品がセルフ・タイトルの 「QUEENSRYCHE」 なのです。

硬質かつ攻撃的なリフに導かれて炸裂するジェフ・テイトのハイトーン・ヴォイスが強烈な@は、ウエットなメロディに美しいツイン・リード、もう涙がチョチョ切れます。さらにCの静と動のコントラストがはっきりとした、初期のJUDAS を踏まえたようなドラマティックな展開に、もはや 「参った!」 としか言えません。

正統派という名の元に、実は個性が全く無くてむりくり正統派としか表現・分類出来ないエセ正統派バンド達が蔓延する中、QUEENSRYCHE の登場は私の希望の光でした。

たった5曲のミニ・アルバム (LP発売時は確かDを除く4曲 )ですが、そのインパクトは物凄く、その後多くのジェフ・テイトのクローン・ヴォーカルが世に溢れました。本作はビルボードTOP100のランク・インし、その後名作との誉れ高い 「OPERATION : MINDCRIME 」を発表、バンドとして絶対的な地位を確立します。

ただ個人的には、難解になっていく彼らに1st.程の良さを感じることはありませんでした。確かに凄いとは思いましたが、 「凄い」 と 「好き」 とは別次元の話です。スティーヴ・ヴァイのギター・プレイは凄いと思うが、全然好きじゃないというのと一緒かな?(笑)

メイン・ソングライターのクリス・デガーモが脱退した時点で、バンド内部がおかしくなってしまったような気がします。いっそのこと再びヨリを戻して、初期のサウンドを彷彿させる作品を改めて作って欲しいんですが。無理かな〜。



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QUEENSRYCHE / QUEENSRYCHE (1983)

@Queens of the Reich
ANightrider
BBlinded
CThe Lady Wore Black
DThe Prophecy *

* CD ONLY


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 最近こういうバンドが少なくて寂しいっす


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posted by ハムバッカー at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

イメージの180度転換には、ちょっと無理があったかも TATTOO RODEO

70年代後半に彗星のごとくデビューして、彗星のごとく消えていった(笑)バンド、ANGEL を御存知でしょうか?

そのANGEL の中心人物であった、キーボードのグレッグ・ジェフリアのプロデュースを受けて84年にデビューしたバンド、WHITE SISTER はLAメタル末期の登場ということもあってか、ここ日本ではそれ程話題になりませんでしたが、個人的にはお気に入りのバンドの一つでした。

キーボードとベース双方がヴォーカルを分け合い、キーボードを前面に押し出したサウンドと分厚いコーラス、フックがありながらも哀愁を誘うメロディはまるでANGEL の再来のよう!

彼らはメジャーのEMI と契約したにもかかわらず、1作でドロップしてイギリスのマイナー・レーベルよりもう1枚作品を発表。その後誰にも知られることもなく、WHITE SISTER は88年頃にひっそりと解散しました。

その後の91年に、ギター・ベース・ドラムの3人でバンドを再編成するのですが、新バンドの名前はTATTOO RODEO。何と音楽性は、土の臭いが漂うブルージーなサザン・ロックへ変貌したとの話。

あのキラキラしながらもメロディアスだったバンドから、サザン・ロック??? あまりの方向転換に違和感を覚えたのは言うまでもありません。

@からいきなり渋いボトルネックが炸裂。しかし、イントロが終われば意外に普通のハード・ロック? デニス・チャーチルのヴォーカルは意外とパワフルで驚きだ。

シングル・カットされたBはまさにブルージーで、まるでCINDERELLA !絞り出すヴォーカルはY&T のデイヴ・メニケッティみたいだ。Eなんかはカントリー全開です。

CFHJを聴いていると、あまりサザン・ロックってイメージは湧きません。全体的に聴いても、ちょっとブルージーなハード・ロックかなって感じのアルバムじゃないですか。13曲収録もちょっと多すぎかな。

しかし、やっぱこのイメージの180度転換には、ちょっと無理があったかも。LAメタルのバンドが90年代に、こぞってルーツ回帰だかどうだかわかりませんが、ブルージーなサウンドに変貌した事実を踏まえると、なんかトレンドの旗本に集まったと勘繰られても、言い訳が出来ませんし。

きっと、どんな音楽性も器用にこなしてしまう巧いミュージシャン達だと思うんですよ。でも、ここまで音楽性がブレちゃうと。うーん、微妙だ‥ 。



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RODE HARD - PUT AWAY WET / TATTOO RODEO (1991)


@Strung Out
ASweet Little Vikki
BBeen Your Fool
CEverybody Wants What She's Got
DAin't No Reason Why
ELet Me Be the One
FBlonde Ambition
GLove Shuffle
HShotgun Johnny
ITell Me Why
JOne Way Love
KDown
LHard Like a Rock


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
イチ押しポイント WHITE SISTER のままで良かったのに!


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posted by ハムバッカー at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする