2014年07月10日

まさにけたたましいとの表現がピッタリだ KEEL

ナッシュビルから大いなる野望を持ちLAに渡ってきたロン・キールは、LAでメンバーを集めてSTEELER を再始動。イングウェイ・マルムスティーン擁するラインナップは、一躍LAメタルに沸くシーンで注目の的となりました。

しかし、お互いの音楽性すべてに共通点が見いだせなかった (そりゃそうだ) ロンとイングウェイは激しく対立。その後、イングウェイの脱退という事件へ発展します。

アルバム 「STEELER」 発表時には既にロン以外のメンバーはすべて脱退。しかもイングウェイを含むメンバー構成であれば、契約するレコード会社もあったと噂されてましたが、当然のごとくその話も消滅。後任にカート・ジェイムズ、ミッチ・ペリー、アダム・ボムらを加入させてバンドを継続しましたが、83年にバンドは解体。再度メンバーを集めながら自己の名前を冠としたバンド、KEEL を結成しました。

イングウェイをバンドに紹介するなど、KEEL をサポートしてきたShrapnei Records の社長、マイク・ヴァーニーのヘルプを得て84年にKEEL はデビュー・アルバム 「LAY DOWN THE LAW」 の発表に漕ぎつけます。

その際、他のメンバーに 「俺のやりたい方向性に黙ってついてきてくれ。それが嫌な奴はバンドから出て行ってくれ。」 とロンは言い放ったそうです。自己に対する確固たる自信と、STEELER での反省を踏まえての発言なのでしょう。

何とも官能的なジャケット (乳を握っている手は、たぶんロンの手でしょう) の本作は、STEELER 時代の後期の楽曲も含む、重厚かつメタリックなサウンドが全編を占めており、 「THE RIGHT TO ROCK」 のプロトタイプともいえる@はその代表格。タイトル・トラックのAもミディアム・テンポのKEEL 節が全開だ。

疾走するBGは彼らの真骨頂であり、ロンのスクリームも凄い凄い。まさにけたたましいとの表現がピッタリだ。HはTHE ROLLING STONES の大ヒット曲のカヴァー。この3曲は、後のメジャー・デビュー作に再収録されます。

Bの綺麗なバラードは彼らの新境地。STEELER 時代の " Serenade " での音痴さと比べたらなんと、大進歩じゃないですか!アコースティックに奏でられた美しいメロディが印象的。

ただ、難点を挙げると、終始不安定なドラマーの存在か。(Gのイントロは、なんだか分からんぞ!) 案の定、本作発表後脱退しちゃいますけど。(笑)

その後、メジャーレーベルA&M 傘下のゴールド・マウンテンと契約を凍結。なんとKISS のジーン・シモンズをプロデューサーに釣り上げて、メジャー・デビューを果たします。



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LAY DOWN THE LAW / KEEL (1984)

@Thunder and Lightning
ALay Down the Law
BSpeed Demon
CPrincess of Illusion
DBorn Ready
EMetal Generation
FTill Hell Freezes Over
GYou're the Victim (I'm the Crime)
HLet's Spend the Night Together


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 国内未発売
雷イチ押しポイント雷 ロンの金属的スクリームは見事だ!


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2014年06月07日

売れるサウンドを志向するために必要な物だけを残した MONTROSE

70代のアメリカのハード・ロックを牽引してきたMONTROSE。後に名盤と呼ばれることとなる1st. と2nd. を発表した後、彼らに大きな変化が現れます。

ヴォーカリストで、その後ソロを経てVAN HALEN 加入するサミー・ヘイガーがバンドを脱退した事と、プロデューサーのテッド・テンプルマンとの決別です。

リーダーのロニー・モントローズの狙いとして、売れるサウンドを志向するために必要な物だけを残したという事でしょうか。評判は良かったが前2枚のアルバム・セールスが思いのほか伸びなかったですし、もしかしたらサミーと何らかの衝突があったのかと考えられます。そして、本作がセルフ・プロデュースといえばなおさらでしょう。

アルバム・タイトルや映画のチラシを想起させるアルバム・ジャケットしかり。とてもユーモア溢れていてインパクトがあります。

音楽性はHRをベースにした強烈なブギー性は確かに後退しましたが、ハード一辺倒とは違ったまずまずのサウンドを聴かせてくれます。シンセから導かれて始まる@は、なかなかのドライヴ感を持った、オープニングにもってこいの曲。時折魅せるギターのハーモニー・ソロがいい味を出してます。新加入のボブ・ジェイムズの声がサミーとそんなに変わらないのが笑える!

エディ・コクランのBやアラン・プライスのEなど、カバー曲も2曲収録。アルバムをポップに彩る側面だ。

Cなんかの歌詞や壮大なメロディを聴くと、この曲はアメリカン・ハード・ロックの先駆け、MOUNTAIN の代表曲 " Nantucket Sieighride " を彷彿させます。Fのアコースティック・ギターで奏でられる牧歌的なインストも新機軸だ。

Hは本作中一番の疾走曲で、前作までの強烈なブギー色が色濃く反映されたラストを締めくくるのに相応しいノリノリの曲だ。ヴォーカルのメロディ・ラインも哀愁を帯びていて、カッコイイですよ。

その後MONTOROSE はメンバーを流動的に変化させながら全4枚の作品を発表し、わずか3年の短いバンド活動を終えます。 (その後再結成もありましたが)  しかし、アルバム・セールス以上に後世にインパクトを残したアメリカのバンドであり、多くの有名ミュージシャンらを輩出してアメリカン・ハードの重要な指針となったバンドだと思います。



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WARNER BROS. PRESENTS / MONTROSE (1975)

@Matriarch
AAll I Need
BTwenty Flight Rock
CWhaler
DDancin' Feet
EO Lucky Man
FOne and a Half
GClown Woman
HBlack Train


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 アメリカのバンドらしいゴージャス(?)な雰囲気だ


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posted by ハムバッカー at 17:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月05日

「凄い」 と 「好き」 とは別次元の話です QUEENSRYCHE

バンドが分裂する理由として、音楽性の相違や人間関係のもつれなどをよく聞きますが、実際は 「金」 が絡んでいることがほとんどで、人間の欲とは何ぞやというのをひしひしと感じさせます。

そして、分裂したバンド双方が同じバンド名を名乗るという、なんともややこしい展開となる事例がこれまでにもありました。GREAT WHITE 然り、TANK 然り。

そう、今回紹介するのはもうお分かりでしょう。 (笑) QUEENSRYCHE です。

彼らの場合、最終的にジェフ・テイトが首となりましたが、マネージャーを務めるジェフの妻に対して他のメンバーが、金の不明瞭さ等に疑問を抱いたのが大方の理由でしょう。

その後多くのバンドと同様に、分裂した双方がバンド名の権利を主張する、泥沼の法廷闘争が始まるのです・・、おいおい。

83年にEMIよりメジャー・デビューした彼らは、MOTLEY CRUE、RATT をはじめとしたグラマラスなLAメタルの中で、JUDAS PREIST ばりのサウンドを引っ提げて、私を含むブリティッシュ寄りのファンの心をムンズとわし掴みにしました。その作品がセルフ・タイトルの 「QUEENSRYCHE」 なのです。

硬質かつ攻撃的なリフに導かれて炸裂するジェフ・テイトのハイトーン・ヴォイスが強烈な@は、ウエットなメロディに美しいツイン・リード、もう涙がチョチョ切れます。さらにCの静と動のコントラストがはっきりとした、初期のJUDAS を踏まえたようなドラマティックな展開に、もはや 「参った!」 としか言えません。

正統派という名の元に、実は個性が全く無くてむりくり正統派としか表現・分類出来ないエセ正統派バンド達が蔓延する中、QUEENSRYCHE の登場は私の希望の光でした。

たった5曲のミニ・アルバム (LP発売時は確かDを除く4曲 )ですが、そのインパクトは物凄く、その後多くのジェフ・テイトのクローン・ヴォーカルが世に溢れました。本作はビルボードTOP100のランク・インし、その後名作との誉れ高い 「OPERATION : MINDCRIME 」を発表、バンドとして絶対的な地位を確立します。

ただ個人的には、難解になっていく彼らに1st.程の良さを感じることはありませんでした。確かに凄いとは思いましたが、 「凄い」 と 「好き」 とは別次元の話です。スティーヴ・ヴァイのギター・プレイは凄いと思うが、全然好きじゃないというのと一緒かな?(笑)

メイン・ソングライターのクリス・デガーモが脱退した時点で、バンド内部がおかしくなってしまったような気がします。いっそのこと再びヨリを戻して、初期のサウンドを彷彿させる作品を改めて作って欲しいんですが。無理かな〜。



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QUEENSRYCHE / QUEENSRYCHE (1983)

@Queens of the Reich
ANightrider
BBlinded
CThe Lady Wore Black
DThe Prophecy *

* CD ONLY


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 最近こういうバンドが少なくて寂しいっす


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posted by ハムバッカー at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

イメージの180度転換には、ちょっと無理があったかも TATTOO RODEO

70年代後半に彗星のごとくデビューして、彗星のごとく消えていった(笑)バンド、ANGEL を御存知でしょうか?

そのANGEL の中心人物であった、キーボードのグレッグ・ジェフリアのプロデュースを受けて84年にデビューしたバンド、WHITE SISTER はLAメタル末期の登場ということもあってか、ここ日本ではそれ程話題になりませんでしたが、個人的にはお気に入りのバンドの一つでした。

キーボードとベース双方がヴォーカルを分け合い、キーボードを前面に押し出したサウンドと分厚いコーラス、フックがありながらも哀愁を誘うメロディはまるでANGEL の再来のよう!

彼らはメジャーのEMI と契約したにもかかわらず、1作でドロップしてイギリスのマイナー・レーベルよりもう1枚作品を発表。その後誰にも知られることもなく、WHITE SISTER は88年頃にひっそりと解散しました。

その後の91年に、ギター・ベース・ドラムの3人でバンドを再編成するのですが、新バンドの名前はTATTOO RODEO。何と音楽性は、土の臭いが漂うブルージーなサザン・ロックへ変貌したとの話。

あのキラキラしながらもメロディアスだったバンドから、サザン・ロック??? あまりの方向転換に違和感を覚えたのは言うまでもありません。

@からいきなり渋いボトルネックが炸裂。しかし、イントロが終われば意外に普通のハード・ロック? デニス・チャーチルのヴォーカルは意外とパワフルで驚きだ。

シングル・カットされたBはまさにブルージーで、まるでCINDERELLA !絞り出すヴォーカルはY&T のデイヴ・メニケッティみたいだ。Eなんかはカントリー全開です。

CFHJを聴いていると、あまりサザン・ロックってイメージは湧きません。全体的に聴いても、ちょっとブルージーなハード・ロックかなって感じのアルバムじゃないですか。13曲収録もちょっと多すぎかな。

しかし、やっぱこのイメージの180度転換には、ちょっと無理があったかも。LAメタルのバンドが90年代に、こぞってルーツ回帰だかどうだかわかりませんが、ブルージーなサウンドに変貌した事実を踏まえると、なんかトレンドの旗本に集まったと勘繰られても、言い訳が出来ませんし。

きっと、どんな音楽性も器用にこなしてしまう巧いミュージシャン達だと思うんですよ。でも、ここまで音楽性がブレちゃうと。うーん、微妙だ‥ 。



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RODE HARD - PUT AWAY WET / TATTOO RODEO (1991)


@Strung Out
ASweet Little Vikki
BBeen Your Fool
CEverybody Wants What She's Got
DAin't No Reason Why
ELet Me Be the One
FBlonde Ambition
GLove Shuffle
HShotgun Johnny
ITell Me Why
JOne Way Love
KDown
LHard Like a Rock


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
イチ押しポイント WHITE SISTER のままで良かったのに!


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posted by ハムバッカー at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月29日

ポールに関しては早くホテルに帰って女とセックスすることしか考えてなくて PENTAGRAM

まったく物凄い音源が残っていたんですね。

今でこそドゥーム・メタルの元祖として知られるPENTAGRAM ですが、実はバンド結成は1971年で、契約が有った・無かったの違いはあるにせよ、BLACK SABBATH やURIAH HEEP らと同世代の古株のバンドなんです。

結成された71年から75年にかけて録音されたデモ・トラックの数々を集めたのが本作ですが、アメリカのバンドながら収録された曲は70年代ブリティッシュ・ロックを彷彿させる凶暴なサウンドで、これがまた素晴らしい!

では、なぜそんな素晴らしい音楽性を持った彼らがレーベルと契約出来なかったというと、これがまたバンドが様々な失態をやらかしてきたんですよ。

75年にCOLUMBIA RECORDS が彼らに興味を示し、ニューヨークで3曲のデモを作るチャンスを得ました。実際COLUMBIA 側は契約書まで用意していたとの噂も有ります。しかし、レコーディングの最中に自身のヴォーカル・トラックの録音に満足していなかったボビー・リーブリングが撮り直しを懇願したにもかかわらず、レーベルのマネージャーが撮り直しを拒否。怒ったボビーがスタジオ内でそのマネージャーを罵倒した事を発端に契約が白紙になったという、なんとも衝撃的な事件を起こしました。

そして、PENTAGRAM の代わりにCOLUMBIA が契約したバンドがJUDAS PRIEST だったそうで・・。運命の悪戯とは何とも不思議だ。

さらに75年に 「ALIVE !」 がブレイクし、頂点に上り詰めようとしていたKISS が地元でのコンサートの後に、PENTAGRAM のリハーサルをチェックしに来るというビッグ・チャンスを得たのです。そこでKISS のメンバーに見初められれば、彼らの所属するCasablanca Recordsと契約出来るという皮算用もあったでしょう。

しかし、メンバーの2人がそのリハーサルに遅刻。しかも、到着したジーン・シモンズとポール・スタンレーはさほどバンドに興味を持っておらず、ポールに関しては早くホテルに帰って女とセックスすることしか考えてなくて、挙句の果てにはその場に居たPENTAGRAM のメンバーの彼女を口説き始めるという始末。 「彼らはあまりスターには見えないね。」 と言う捨て台詞を残して、悲しいがなKISS サイドは早々と帰ってしまいました。

そういった悪夢のような紆余曲折を経てバンドは解散・再結成を繰り返し、音楽性を変化させながら最終的に85年にデビューを果たし、現在のドゥーム・メタルの元祖と言う称号を得るのです。

その彼らの音楽の源泉となる全22曲、2枚組のヴォリュームとなった本作は、唸りをあげるギター、土埃りが舞う勢いのドラム、ドライヴしまくる荒くれサウンドの@から始まり、2本のギターのバトルがスリリングなFまでがDISC1に収録。

THE ROLLING STONES のカヴァーBとYARDBIRDS のカヴァーEは、レコード会社の気を引くために録音されたらしいのですが。特にオリジナルばりのスッカスカのサウンドのBは、かなり笑えますが。

DISC2はリハーサルしていた倉庫で録られた文字通りの生々しいライヴ音源。音質も悪く、音量もバラバラですが、彼らのエネルギーが凝縮された、アングラ的な強力なパフォーマンスが収録されています。

彼らの誕生の頃の音楽性を垣間見ることが出来る超レアな音源。現代に蘇ってもさほど古臭さを感じさせないサウンドは一聴の価値ありだ。聴くべし!



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FIRST DAZE HERE TOO : VINTAGE COLLECTION / PENTAGRAM (2011)


DISC1

@Wheel of Fortune
AWhen the Screams Come
BUnder My Thumb
CSmokescreen
DTeaser
ELittle Games
FMuch too Young to Know

DISC2

@Virgin Death
AYes I Do
BAsk no More
CMan
DBe Forewarned
ECatwalk
FDie in Your Sleep
GFrustration
HTarget
IEverything's Turning To Night
JTake Me Away
KNightmare Gown
LCartwhee
MCat & Mouse
NShow 'Em How


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 70年代の野武士サウンドじゃ!


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posted by ハムバッカー at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする