2016年07月04日

そして完全復活までの長い道のりを歩いていく事となるのです SAXON

IRON MAIDEN、DEF LEPPARD と並んでNWOBHM の雄であり現在も活動を続けるSAXON は、先のバンドとらは違って多くの紆余曲折を経てきました。

同胞のMAIDEN へのライバル心は並々ならぬものがあり、初の日本公演が決まっていたMAIDEN の来日前にエージェントにゴリ押しをして、MAIDEN よりも先に日本公演を実現させたという逸話があるほどです。

80年代初頭にMAIDEN はヴォーカルをブルース・ディッキンソンに変え、草の根的なライヴ活動を全米中で展開した結果、83年発表の 「PIECE OF MIND」 を全米チャート最高14位に送り込みました。DEF LEPPARD はそのポップな音楽性に加え、ジョン・マッド・ランジという敏腕プロデューサーとタッグを組み 「PYROMANIA」 を見事全米2位まで押し上げたのです。

その動きをSAXON も見逃すはずがありません。彼らもアメリカ制覇にベクトルを向けて制作された 「POWER AND THE GLORY」 これが当時ファンの間で賛否両論を巻き起こしたのです。

個人的には本作はSAXON らしさが後退している訳ではなく、実にバランスの良い作品となったと思うのですが。

タイトル・トラックの@から、SAXON節が炸裂する突出した疾走感が迫力満点だし、ABとシャッフル・ナンバーを並べる曲順も心憎い。

Cはメジャー・キーのアルペジオのイントロが当時物議を醸しだし、ハードコアなファンが眉をひそめた問題の楽曲。今聴いてみると、別に何てこと無いんだけど。不思議ですね。

炎の様に疾走するDに対して、ラストのGはスローで重厚な雰囲気が新機軸。タイトルも前作のライヴ・アルバムと同じで、SAXON らしからぬ (?) 哲学的な歌詞が美しい。

結局本作は全米チャート100位圏内にも届かず、その焦りからなのか次作より音楽性を劇的に変化させ、自らの首を絞めるごとく奈落の底に堕ちていきます。そして完全復活までの長い道のりを歩いていく事となるのです。



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POWER AND THE GLORY / SAXON (1983)

@Power and the Glory
ARedline
BWarrior
CNightmare
DThis Town Rocks
EWatching the Sky
FMidas Touch
GThe Eagle Has Landed



歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
イチ押しポイント ヤワな作品じゃないでっせ!


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posted by ハムバッカー at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月15日

NYの夜の街並みに立っているストリート・ガールのよう PRECIOUS METAL

私はCDを1,000枚近く持っているんですが、たまにアルバム整理している最中に 「おっ、こんなの持ってたんだ。」 と、ふと手を停めてしまうことがあります。

そんな風に見つかった一枚が、今回紹介する 「PRECIOUS METAL」 です。

女性だけのバンドってのも結構あって、古くはRUNAWAYS、ROCK GODDESS、GIRLSCHOOL。80年代にはVIXEN やPHANTOM BLUE など、有名どころでもザッとこれだけ挙げられます。

どうしても女性だけのバンドというと、まずルックスが気になる所ですね?? 美麗なルックスを持つ女性が多いバンドや、それなりの粒揃いのルックスが揃ったバンドなどが多々あります。個人的にケリー・ジョンソン (GIRLSCHOOL) や、サンディ・ウエスト (RUNAWAYS) が私好みなんですが。

そして肝心のPRECIOUS METAL なんですが・・。 残念ですが、これが酷い。 (笑) 彼女らは揃いも揃って、まるでNYの夜の街並みに立っているストリート・ガールのようです。

PRECIOUS METAL は83年にLA で結成され、86年にマーキュリー / ポリグラムより、あのポール・サブーのプロデュースで華々しくアルバム・デビューを果たします。そして本作は90年に発表された3作目にあたる作品で、バンド名をアルバム・タイトルに冠した事実や、レコード会社をCAPITOL傘下に移籍したことから推測して、彼女らの勝負作であったと思われます。

しかし、まずアルバム・ジャケットを見て心が折れました。 ジャケットと言えば、まさにアルバムの顔なんですが、並んだ5人のメンバーは何とも‥。 もうちょっと修正とが出来ないのか、それとも、修正してこのレベルなのか? まあ、ルックスという色眼鏡だけで見てはいけない事も十分わかってます。肝心なのは音なんです、うん! しかし、しかし‥。

正直言って、サウンドも掴みどころがないのが率直な感想です。雰囲気としてはVIXEN に楽曲の雰囲気は似ており、レスリー・ナウアーのハスキーなヴォーカルが印象的なんですか。

そして気づいたんですが、あのブルース・スプリングスティーンの80年発表作品 「THE RIVER」 収録の " TWO HEART " をカヴァーしているじゃありませんか! カヴァーのセンスは良いのですが、内容は凡夫なアレンジで、う〜ん。

すみません、あまりレビューになってないですね。割とJなんかはソリッドで好きなんですが。まあ、アルバム整理中に持っていると気づく程度のアルバムですので御勘弁を、合掌・・。


MI0002056722.jpg


PRECIOUS METAL / PRECIOUS METAL (1990)

@Mr. Big Stuff
ATrouble
BTwo Heart
CThrilling Life
DForever Tonight
EReckless
FEazler than You Think
GNasty Habits
HDownhill Dreamer
IIn the Mood
JHowl at the Moon
KChasing Rainbow *

* bonus track


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン  レア度 国内未発売
イチ押しポイント ガールズ・メタルも色々あります‥。


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posted by ハムバッカー at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月11日

なんで腕相撲なの‥。 HUSTLER

「なんじゃ、このダサダサのジャケットは!」 本作の第一印象はこんな感じでした。時代を感じさせるベルボトムのジーンズを履く人々で溢れるロンドンの道端で何故か腕相撲をする姿、なんで腕相撲なの‥。

イマイチの作品はアルバム・ジャケットの見た目も最悪という定説を覆すこのHUSTLER の1st は74年の発表で、マイケル・シェンカーが加入したばかりのUFO、ツイン・リード体制になりUKフォノグラム傘下のヴァーティゴと契約したTHIN LIZZY、名作である2nd. を発表したばかりのQUEEN など 、それぞれの個性や毛色が全く違うバンドらとイギリスでしのぎを削っていました。

HUSTLER は74年にレーベルと契約し、同8月にアルバムを発表。同時に8月に行われていた英国ロックの風物詩、レディング・フェスティバルに初出演と、新人ながら幸先の良いスタートを切ったのです。

泥臭いブギー調のサウンドの上にギターとオルガンによるクラシカルな味付けを。そしてプログレッシヴのエッセンスを注入した展開は斬新で、個性が服を着て歩いていると言われた70年代の英国のバンドの1つと言えるでしょう。

緊迫感溢れるイントロから始まるほぼインストのAは、ギターとオルガンのクラシカルなユニゾン・プレイがカッコよく、中間部の構築されたオルガン・ソロも実にメロディアス。DEEP PURPLE やURIAH HEEP らが好きな方なら、どストライクですよ。

DはFACES ばりのアーシーなR&R。同じアルバム内に両極端のサウンドが同居しているのは、なんとも面白い。

Gは退廃的なバラードで、スティーヴ・ハイネスの絞り出す様なヴォーカルが哀愁を誘います。後半は転調してスリリングなシャッフル・ビートで疾走。三連のオルガン・ソロが印象的だ。

Hはバント名と同名曲で、ライヴでもラストを飾っていた代表曲。武骨なシャウトが迫力満点で、力強く唄われるサビの相の手となるコーラスが何とも悩ましい。こういった男らしい歌声で、悲しいメロディをなぞる唄法はとても私好みです。静寂を挟んで中間部のオルガン・ソロからさらにストリングスが被さってくる展開はドラマティックで、ラストまで曲をガツンと盛り上げていきます。

全曲名曲揃いとは言えませんが、AとHの充実度が他にもっと波及していたら本作は名盤の称号を与えられたんじゃないかと思います。この2曲を聴くだけでも、アルバムを買う価値はありますよ。

彼らは結局もう1枚アルバムを発表した後に解散しますが、70年代のB級バンドはHUSTLER のような個性的なバンドがウヨウヨしていて、今でも私の聴欲を掻き立ててくれます。実にいいバンドだなー。



HUSTLER.jpg


HIGH STREET / HUSTLER (1974)

@Just Leave a Good Man
APiranhas
BLet the Wind Slow
CUptight Tonight
DGet Outa 'Ouse
EJack the Lad
FMidnight Seducer
GMiranda
HThe Hustler


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★
イチ押しポイント ブギとクラシカルの融合は斬新だ


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posted by ハムバッカー at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月22日

「産業ロック」 という悪しき言葉に抹殺されてしまうのは FOREIGNER

「FOREIGNER って、産業ロックのバンドでしょ?」 No No ! それは彼らを偏った側面でしか見ていない人の意見であり、こういった人が多くて実に嘆かわしい。

バンドの誕生は、元SPOOKY TOOTH のギタリストであるミック・ジョーンズと、KING CRIMSON のオリジナルメンバーでもあるイアン・マクドナルドがアメリカで出会い意気投合。

そしてオーディションの上、ルー・グラム、、デニス・エリオット、アル・グリーンウッド、エド・ガリアルディらを迎え入れ、FOREIGNER が結成されました。

英国人・米国人3名ずつの混合バンドという異色の構成であると同時に、そのサウンドはどんなものになるのか? と思わせますが、発表された作品はハード・ロック、プログレ、そしてポップなメロディが入り混じった、コンパクトながら緻密なサウンドとなったのです。

ABが本作のハイライトであり、タイトル通りひんやりと冷たい雰囲気のAは、イントロから導入されるピアノが格調高さを醸し出しており、それに呼応するルー・グラムの伸びやかで張りのあるヴォーカルもソウルフル。中間部のミックのギター・ソロもコンパクトながら最高にメロディアスだ。

BはFOREIGNER の全楽曲中でもかなり異質な部類に入る物哀しくも退廃的なバラードで、味わい深い (!?) ミックのヴォーカルに美しいコーラス・ワークとスペイシーな味付けが絶妙。共作者のアル・グリーンウッドの持ち味が遺憾なく発揮されてます。

その他に、全米第4位に輝いたアルバム・トップの@、ハードさとエレクトロニカルが両立されたE(全米第20位)のヒット・シングルに、ミックのハードなギター・サウンドにプログレッシヴな要素が巧みに作用しているG、スリリングなイントロの運びから、ルーのヴォーカルの巧さに思わず唸らされるIなど、捨て曲がまったくありません。

本アルバムは全米第4位を獲得。その後FOREIGNER は、トップ・バンドとしての道を燦然と駆け上がっていくのです。

ポップさだけを売りとするハード・ロック・バンドとは趣きを異とした変幻自在のサウンド、実力に裏打ちされたメンバーの集合体による素晴らしい楽曲が、 「産業ロック」 という悪しき言葉に抹殺されてしまうのは、いささか不本意であります。聴かないのは実にもったいないぞー!



無題.png


FOREIGNER / FOREIGNER (1977)

@Feel Like the First Time
ACold As Ice
BStarrider
CHeadknocker
DThe Damage is Done
ELong,Long Way from Home
FWoman Oh Woman
GAt War with the World
HFool for You Anyway
II Need You


歴史的インパクト ★★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
イチ押しポイント 実にインテリジェンス!


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posted by ハムバッカー at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

追悼 LEMMY KILMISTER

とても悲しいニュースが飛び込んできました。MOTORHEAD のレミー・キルミスターが癌のため12月28日に亡くなりました。享年70歳。

先日、同胞のフィル・アニマル・テイラーが亡くなったばかりだというのに‥。

近年ロックン・ローラーという形容が似合うミュージシャンが少なくなる中、私生活もバンド活動も唯我独尊であるレミーに、多くのファンやミュージシャン達が憧れ続けてたと思います。

26日に癌であることを知らされてから、わずか2日後に亡くなってしまうなんて。あまりにも呆気無いお別れですよ、まったく。

しかし彼の作り出した多くの爆音R&R は、永遠に私の心をリスペクトし続けるでしょう。Goodbye,LEMMY!



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posted by ハムバッカー at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする