2017年07月30日

何も変わらないサウンドに思わずニンマリ SAVAGE

80年代に英国で勃発したNWOBHM のムーヴメントは、IRON MAIDEN、SAXON、DEF LEPPARD など一流のバンドを生み出しましたが、その底辺には何百というB級、C級のバンドがウヨウヨと存在していました。

NEAT RECORDS と並んで当時のシーンを支えたEBONY の第一弾アーティストとしてデビューしたSAVAGE もその底辺の中で動めいてたバンドの一つで、何故静かに眠っていた墓場から突然引きずり出されて脚光を浴びたのか? それはNWOBHM の影響を受けて83年に登場したMETALLICA が原因なのです。

ブレイクした彼らが影響を受けた英国のバンドをこぞってカヴァーした事がきっかけで、SWEET SAVAGE やHOLOCAUST と合わせてこのSAVAGE も注目されたのですが、確かに私もリアルタイムでNWOBHM を体感してますがこれらのバンドは当時知る由もなく、実はMETALLICA 経由で知ったのです。たぶん、ほとんどの方がそうだと思います。

低予算で制作された本作はこの時期に作られたアルバム群と同様に音質は悪いですが、その弱点をモノともしない粗削りなサウンドは今聴いても実にカッコ良く、劣悪な音質を軽く凌駕してるのが凄い!

そのMETALLICA がカヴァーした@とBが本作 「LOOSE'N LETHAL」 の核であり、特に@はパワー・メタル然とした重く疾走するサウンドが痛快です。これが同じく83年にデビューしたJAGUAR を彷彿させます。クリス・ブラッドリーのちょっとうわずり気味ながらもパワフルで直線的なヴォーカルはカッコいい。

Aのギター・ソロ前にライト・ハンド奏法を炸裂させる展開や、泣きのツイン・リードのイントロを擁するEなど、一本調子にならないよう細かい所に気を配った作りとなっていて、B級ながらもなかなかの聴き応えとなってます。

本作はアメリカへの輸入盤を中心に2万5,000枚以上のセールスを記録したにもかかわらず、ビジネス・マネージャーの無能さや弱小レーベルの力の無さが足を引っ張り、全くの無風状態となってしまいました。

その後レーベルを移籍して心機一転を図ったが徐々にバンド内部から崩壊が始まり、残念ながらバンドは解散の道を辿りました。

しかし、多くのファンの後押しを受けてなんと95年に再結成。アルバム 「HOLY WARS」 を発表して私達マニアの度肝を抜いたのです。何も変わらないサウンドに思わずニンマリ、NWOBHM だね〜。



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LOOSE'N LETHAL / SAVAGE (1983)

@Let It Loose
ACry Wolf
BBerlin
CDirty Money
DAin't No Fit Place
EOn the Rocks
FThe China Run
GWhite Hot


歴史的インパクト ★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★★
イチ押しポイント スピード感あふれるサウンドは最高!


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2017年06月19日

何故かネガティヴなイメージから入ってしまいます BLACK 'N BLUE

このバンドを語る時、メジャーからアルバムを4枚発表したにも関わらず全くブレイクしなかったという、何故かネガティヴなイメージから入ってしまいます。

そのバンドである BLACK 'N BLUE の3枚目となる 「NASTY NASTY」 のプロデューサーはなんと、ジーン・シモンズ。元々KISS のASYLUM TOUR のサポートとして同行したのが縁で起用されたんでしょう。

1作目がディーダー・ダークス、2作目がブルース・フェイバーンと大物プロデューサーを起用してもアルバム・セールスが伸びなかった反省から、彼らの本質であるR&R を最大限に引き出してくれる事を期待して、ジーンに声をかけたと思われます。

ただ、ジーンのプロデュース方針は A.徹底的にヘヴィなサウンド一本鎗で勝負 B.豪華ゲストを迎えて絢爛豪華な作品を の2パターンのどちらかなのです。個人的にはA に該当するEZO、KEEL 「THE RIGHT TO ROCK」 ウエンディ・O・ウイリアムス 「WOW」 らの作風が好きなんですが、残念ながら本作はB のパターンでの作風に、うーん。

@ABはジーンのクレジットも見受けられることから、まさにKISS を想起させる楽曲だ。特に@の後半にはKISS の「Only You」 のリフがいきなり挿入されててビックリ。

ポップでメロディアスなFはアルバム内で妙に1曲だけ浮いてるんですが、この曲だけプロデューサーはJOURNEY のジョナサン・ケインが担当。しかも全曲中この曲が一番イイのだ (笑)

Hではゲストにピーター・クリス、ロン・キールがバック・コーラスで参加。ウイスキー焼けしたピーターのソウルフルな声とけたたましいロン・キールのシャウトが目立つ目立つ。

全体の作風からイメージすると、本作はKEEL の「THE FINAL FRONTIEA」 に雰囲気に酷似している事実に気が付きます。ただ、 " Because the Night " や " Tears of Fire " などのKILLER な楽曲が無い分、「NASTY NASTY」 はインパクトの弱い作品と位置付けられてしまったのではないでしょうか?

ポートランドから鳴り物入りでLA に移住した彼らは非常に期待されていたバンドだったのですが、作品を発表するごとにバンドの音のイメージが変わってしまうマイナス点や、インパクトのある名曲を書くことが出来なかった事実が最後までブレイクを阻んだ原因だと思います。

解散後角メンバー達が立ち上げたバンドも残念ながら全く話題になりませんでしたし。唯一、トミー・セイヤーがKISS に加入出来たのが救いですね。


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NASTY NASTY / BLACK 'N BLUE(1986)

@Nasty Nasty
AI Want it All(I Want it Now)
BDoes She or Dosen't She
CKiss of Death
D12 O'clock High
EDo What You Wanna Do
FI'll Be There for You
GRules
HBest in the West


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
イチ押しポイント 彼らの作品中、最もハードです。


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2017年05月05日

ヒゲを生やしたその顔がちょっと気持ち悪い TREASURE

64年にニューヨークで結成され 「People Got to be Free」「Groovin'」 など多くの楽曲をビルボード・チャートのNo.1に送り出したTHE RASCALS は、白人による黒人音楽を継承するブルー・アイド・ソウルを基盤としたバンドです。

中心人物であったヴォーカリスト、フェリックス・キャバリエはTHE RASCALS 解散後にソロ・アルバムを発表。そして77年に本バンドTREASURE を結成します。

まあ、ここまで書くとHR/HM にはあまり関係無いんじゃない? と思うのですが、このバンドにギタリストとして参加しているのが、その後KISS 〜 VINNIE VINCENT INVASION を結成するヴィニー・ヴィンセントなのです。

ヴィニーといえば、KISS 加入後にその卓越したソング・ライティングで低迷していたバンドを浮上させ、またフラッシーなギター・スタイルは当時のLAメタルのシーンに負けないテクニックを持ち、KISS を同じ土俵で共存させる力を授与しました。

そのヴィニーのキャリアの振り出しとなった本バンドの加入の経緯は詳しくわかりませんが、きっとニューヨーク近辺の人脈から選ばれたのでしょう。この頃は本名のヴィニー・クサノを名乗っており、裏ジャケの写真を見るとヒゲを生やしたその顔がちょっと気持ち悪い。(笑)

アルバムは全編AORっぽいポップなサウンドで占められていて、その中でヴィニーのギター・プレイもメロディアスなソロを弾いてます。さすがにKISS、VVI の頃みたいに狂ったようなマシンガン・ピッキングでは弾けずとても控えめですが、@のソロのフィードバックを聴くと一瞬、ヴィニーらしさを垣間見ることが出来ますよ。

またAやFも彼の単独ペンで書かれた曲で、アレンジによっては十分ハード・ロックに変えられるナイスな曲であり、ソングライティングのセンスを感じさせます。

結論本作はフェリックスのキャリにおいてもさほど影響の無い作品であり、ヴィニー自身もその後フィリックスのソロ作品でギターをプレイするもパッとせず、KISS に加入するまでの82年までは成功を夢見て安アパートの床に直接寝るような生活を送るのですが、彼の黎明期を知ることが出来る貴重な作品であることは間違いありません。

我の強さからバンドを崩壊させてきたヴィニーは一体今何をしているのでしょうか? 才能あるミュージシャンなので彼の復活をぜひ、期待したいのですが。


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TREASURE/TREASURE (1977)

@I Wanna Love You
AInnocent Eyes
BLove Me Tonight
CJubilation
DWhen the Sun Shines
EMy Lady Once Told Me
FTurn Yourself Around
GThink It's Love
HTreasure


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
イチ押しポイント KISS ファンだけでなくメロハー好きの方も是非聴いてくれぃ


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2017年02月27日

すれっからしのルックスはどストライク GIRLSCHOOL

今ではHM/HR の世界でも女性が当たり前のように活躍してますが、NWOBHMの嵐が吹き荒れる79年にイギリス・ロンドンからデビューを飾ったGIRLSCHOOL は、女性初の本格的メタル・バンドだったんじゃないでしょうか?

彼女らのデビュー前にはRUNAWAYS、SUZI QUATRO などもいましたが、どっちかというと女性らしさを前面に出したビジュアル優先のイメージが強く、男性と対等なイメージをまとったGIRLSCHOOL のデビューは驚きでした。

デニム&レザーを信条とする彼女らが目標としたのはズバリ、MOTORHEAD。 実際、MOTORHEAD のマネージャーであるダグラス・スミスの仲立ちでGIRLSCHOOL はMOTORHEAD の全英ツアーのサポートに起用され、そして彼らが所属するBronze レーベルに引き入れて、MOTORHEAD の妹分バンドとして売り出したのです。

「ACE OF SPADES」 のプロデューサー、ヴィック・メイルを迎えて制作された彼女らのデビュー・アルバム 「DEMOLITION」 は、まさに小型MOTORHEAD。@の小気味良い疾走感はあの名曲 " Motorhead " を彷彿させます。キム・マコーリフの投げやりというか、突き放す感じのヴォーカルが刺激的だ。

70年に登場したガービッツ兄弟率いるGUN のカバーBは意外な選曲。オリジナルの異様な雰囲気とは趣を変えたストレートなサウンド・メイキングはなかなか好感が持てます。

その後MOTORHEAD も取り上げるG (エニッドのヴォーカルは意外にキュートだ) をはじめ、全編リフ&リフのNWOBHM ど真ん中の楽曲満載で、女性のバンドながら男臭さがプンプンと漂ってくる感じ。個人的にはレスポール・ゴールドトップをかきむしるケリー・ジョンソンのすれっからしのルックスはどストライク。たまりません。 (笑)

フロントマンの3人ともヴォーカルを取れることが強みで、決してテクニック的には特筆するものは無いけど突き抜けるようなビートは実にカッコよく、その姿は後続の女性バンド達に希望を与えました。そして兄貴分のMOTORHEAD のブレイクと比例するごとく、成長曲線を上げていきます。

81年にセカンドアルバムを発表。そして同年8月に開催された第21回レディング・フェスティバルの初日のトリを務め、名実ともにNWOBHM のバンドとして頭角を表していくのです。


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DEMOLITION / GIRLSCHOOL(1980)

@Demotition Boys
ANot for Sale
BRace with the Devil
CTake it All Away
DNothing to Lose
EBreakdown
FMidnight Ride
GEmergency
HBaby Doll
IDeadline


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★
イチ押しポイント 小気味良い疾走感はまさにMOTORHEAD


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2016年10月24日

70年以降にハード・ロック界の核となる人物ばかりで LORD SUTCH

バンド活動が50年代の終わり頃だという、THE BEATLES や THE ROLLING STONES らと同世代に当たるロード・サッチは、自身のバック・バンドから多くのミュージシャンを輩出しました。

彼のバンドに在籍していたミュージシャンをざっと挙げると、リッチー・ブラックモア (DEEP PURPLE/RAINBOW) ジミー・ペイジ (LED ZEPPELIN) ニッキー・ホプキンス (JEFF BECK/STEVE MILLER) ノエル・レディング (JIMI HENDLIX) マシュー・フィッシャー (PROCOL HALUM) など、70年以降にハード・ロック界の核となる人物ばかりで、サッチには良いミュージシャンを見分ける目があったのでしょう。

サッチのステージは吸血鬼のごとく棺桶から登場し、白塗りの顔に緑色に染められた髪のいで立ちなど、現代ショック・ロックの元祖と呼ばれており、そのスタイルは後にアメリカのALICE COOPER やKISS などに引き継がれたのではないでしょうか。

そういった個性を売りに、60年代初頭には英国で一番稼いでいたバンドだと呼ばれ、60年代中期に勢いそのままにアメリカ制覇を目論み全米に渡ったが見事撃沈。そそくさと英国に戻り、地道にクラブ回りをしていたそうです。

そして70年に有名になった元メンバーたちを集め、本作 「LORD SUTCH AND HEAVY FRIENDS」 を発表。参加ミュージシャンはジミー・ペイジ、キース・ムーン、ジェフ・ベック、ノエル・レディング、ニッキー・ホプキンスとまさに豪華絢爛だ。

プロデューサー&バック・バンドとして参加したジミー・ペイジはノー・クレジットを条件にこの仕事を引き受けたが、なんとアルバムが発表されたらジャケット表側には堂々と 「ジミー・ペイジ」 と書かれ、裏ジャケには本作セッション中のジミーの写真がデーンと載っていて、それを見たジミーがひっくり返ったとの逸話が。(笑)

冒頭の@からジョン・ボーナムのパワフルなドラミングとジミー・ペイジの癖のあるギターが一聴して耳に飛び込んできます。ZEPP の作品と比較するとずいぶんラフなプレイですが、実にカッコいい!

ジミーの真骨頂である浮遊するようなワウ・プレイから始まり、突然攻撃的なリフが耳をつんざくAはKINKS の 「All Days and All of the Night」 を彷彿させます。

BO DIDDLEY 風のB、CHUCK BERRY のパロディのようなGもありますが、ジェフ・ベックが参加したCは、ジミーとは明らかに違うギター・プレイを聴くことが出来ます。こちらはまた個性的でイイんです。ジミーのプレイと聴き比べてみるのも面白いですよ。

彼らバック・バンドのサウンドを聴いているだけでも、非常にワクワクします。肝心のサッチのヴォーカルはガナり立て叫ぶばかりで、特筆すべき点はあまり無いんですが。何とも言えない 「ヒャ〜」 というシャウトが結構耳に残る程度か。

それを裏付けるように、80年に本作が再発された際にはアルバム・ジャケットも変更されて、何故かジミー・ペイジ&ジェフ・ベック名義の作品として発表。サッチの名前はどこへやら?? うーん、悲しすぎるぞ。

本作は珍盤の部類に入るんじゃないんでしょうか? しかし、ジミー・ペイジのファンでしたら演奏のみを聴いてるだけでも十分楽しめる作品ですよ!



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LORD SUTCH AND HEAVY FRIENDS / LORD SUTCH (1970)

@Walking Sounds
ACause I Love You
BFlashing Lights
CGutty Guitar
DWould You Believe
ESmoke and Fire
FThumping Beat
GUnion Jack Car
HOne for You, Baby
IL・O・N・D・O・N
JBrightest Light
KBaby, Come Back


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★★
イチ押しポイント 70年代の巨匠達のプレイは最高!


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