2015年10月11日

レーベルの手厚いサポート等があればもっと大きくなる可能性が HARD STUFF

今回取り上げるHARD STAFF は、ATOMIC ROOSTER とQUATERMASS のメンバーが合体した、いわゆるスーパー・グループとの触れ込みで72年にデビューを果たしました。

最近の若い方にすれば??? という感じだと思いますが、ATOMIC ROOSTER は70年代初頭に ” Tomorrow Night ” や ” The Devil's Answer ” の全英シングル・ヒットを放った、オルガンを中心としたダークかつプログレッシヴなハード・ロック・バンド。QUATERMASS はあのリッチー・ブラックモア率いるRAINBOW が、彼らの ” Black Sheep of the Family ” をカヴァーした事でも知られるプログレッシヴ・トリオです。

ATOMIC ROOSTER の音楽性に違和感を感じ始めたギタリストのジョン・デュ・カンは、ドラマーのポール・ハモンドを引き連れてバンドを脱退、新バンド結成のためにQUATERMASS のジョン・ガスタフソンに声をかけ、当時飛ぶ鳥を落とすほどの勢いを持ったDEEP PURPLE のレーベルである 「Purple Records」 と見事契約を果たします。

EPISODE SIX (イアン・ギラン・ロジャー・グローヴァーが在籍) のドラマーでもあったミック・アンダーウッドがQUATERMASS でガスダフソンのバンド・メイトだったという関係から、(たぶん) 彼の口利きでレーベルとの契約が決まったと推測されます。Purple Records もPURPLE 以外の看板アーティストを必要としており、バンドとレーベル両者の思惑が一致したのでしょう。

ダークで憂鬱なROOSTER と、鋭角的で劇的なQUATERMASS のサウンドの融合。これが実に不思議な化学反応をアルバム内にて起こしているんです!

癖のあるスピーディーなリフが冒頭から炸裂する@はアルバム中最もポップな3分弱の楽曲で、プログレッシヴな両バンドのイメージからしてちょっとビックリ。でも印象的でイイ曲です。私はカンの弾く引っ掛かりのあるギター・フレーズが大好きなんです。

BからDは曲間が全く無く、メドレー形式で畳み掛ける風だ。鼓笛隊のドラムを連想する (笑) イントロから始まるCは、まるでThe Rolling Stones ばりのルーズさで、ファズがかかったヘヴィなギター・リフが耳をつんざくDとの対比は実に面白い!

EやGはATOMIC ROOSTER の楽曲からアクのあるキーボード・サウンドを抜き、オマージュしたような雰囲気。Fにはイアン・ギラン、ロジャー・グローヴァー2人のクレジットがあり、まるで 「IN ROCK」 に収められてても不思議じゃないほどPURPLE っぽい曲です。ただ、PURPLE で言えば捨て曲の部類かな?(笑)

彼らはもう一作アルバムを作り73年に解散。カンとハモンドはATOMIC ROOSTER の再結成に走り、ガスダフソンはその後PURPLE を脱退したイアン・ギランと合流。IAN GILLAN BAND を結成します。

英国プログレッシヴの個性的な両バンドが合体して作られたHARD STUFF には、レーベルの手厚いサポート等があればもっと大きくなる可能性があったんじゃないのかな?との気がします。今聴いても全く古臭さを感じさせない斬新なサウンド、角度を変えて見るとハードロック、ポップ、プログレッシヴと様々な光を放つ数々の楽曲、必聴です。Must!

ただ、国内で発売された本作はMSI盤とエアー・メイル・レコーディングス(紙ジャケ)の2種がありますが、ラストのIがバサッと切られて終わる雑なマスタリングのMSI盤はちょっとお薦めできません。ボーナス・トラックも1曲追加収録された紙ジャケ盤がお薦めかな。


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BULLETPROOF / HARD STUFF (1972)

@Jay Time
ASinister Minister
BNo Witch At All
CTaken Alive
DTime Gambler
EMillionaire
FMonster in Paradise
GHobo
HMR.Longevity
IThe Provider (Part 1)


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
⚡イチ押しポイント⚡ 英国の気品漂うも、音は意外に無国籍?


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posted by ハムバッカー at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする