2013年07月21日

分裂に友好的もへったくれもあるのでしょうか U.D.O.

80年代中期にアメリカ市場でそれなりのブレイクをし、その後のアメリカ進撃が期待されたジャーマン・メタルの雄、ACCEPT からヴォーカリストのウド・ダークシュナイダーが脱退するという激震が走った時、そのニュースを聞いた誰もが耳を疑ったと思います。

当時のMTV 主導のアメリカン・マーケットに歩調を合わせるのには、ウドのルックスではどうか? というマネージメントの判断でこの決定がなされた様ですが、あの独特の声ありきでACCEPT だという事を、メンバーを含めた周りは忘れていたのでしょう。

ACCEPT は新ヴォーカリストを迎えてアメリカ制覇を目論み、ウドは自己のバンドU.D.O. を結成してこれまでのサウンドを継承していく。そんなすみ分けをしてお互いに友好的に別れたと言ってましたが、分裂に友好的もへったくれもあるのでしょうか。

確かにウドは今までと同じギャビー・ホークのマネージメントに残り、本作 「ANIMAL HOUSE」 の楽曲はなんと全曲ACCEPT のメンバーのペンによるもの。さらにEにおいてはACCEPT のメンバーが演奏しているという気持ち悪いくらい複雑な状況に、実際のところウドはどう思い、どう感じていたのでしょうか?

「俺にはこれしかできないんだぞ」 というウドの意気込みがアルバム全編にひしひしと伝わっており、名曲「Metal Heart」を想起させる、緊張感溢れる静寂から切り込んでくるタイトル・トラックの@から当然、ACCEPT 節全開。

子供の声をコーラスとして挿入した意外性を持つBは、物哀しくも力強いメロディに思わず膝を叩いてしまう程の名曲だ。

Dのような美しいバラードだって十分歌いこなせるウドの実力を考えると、分裂した事実が嘘のようです。本作全編でリード・ギターを弾いているマティアス・デュードのプレイは素晴らしく、ウルフ・ホフマンを彷彿させる流麗かつ美しいソロは、本アルバムの聴き所の一つでしょう。この人、以前RAGE に在籍してたとの事ですが、こんなに弾ける人とは知らなかった。

しかし、本作のなかで個人的に一番好きな曲が、ACCEPT のメンバーがバックで演奏しているEなのは、なんとも皮肉だ ‥。ミドル・テンポでゴリゴリと押していく曲展開に、例の地響きコーラスがなんとも気持ちいい! (この曲は86年発表の 「RUSIAN ROULETTE 」のアウト・テイクらしい。)

その後U.D.O. は、名盤 「TIME BOMB」 を発表するなど、マイナーながらも非常に充実した活動を91年まで続け、一方のACCEPT は新ヴォーカリストにアメリカ人のデイヴィッド・リーズを迎えて89年に 「EAT THE HEAT」 を発表。メジャーを目指してガラリと変わったサウンドって訳でも無く、それまでのACCEPT とも言えない何とも中途半端な方向性に留まった作品で、最終的にはデイヴィッドとピーター・バルデスがツアー中に殴り合いの喧嘩をしてバンドは崩壊。分岐した2つのバンドは、残念ながらくっきりと明暗が分かれてしまいました。

そう考えると、ウドとの決別は失敗だったのが本筋でしょう。

そういった血迷った選択を克服して、なんと92年に彼らはオリジナル・メンバーでACCEPT 復活。これまでのファンを納得させる再スタートを切ったのです。彼らを長い間見つめてきた日本のファンもこの再結成には狂喜乱舞、思わず涙したでしょう。バンドの強い結束も垣間見ることが出来ました。

しかし、その後また同じ過ちを再び犯すなんて、だれが想像していたでしょうか ‥。



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ANIMAL HOUSE / U.D.O. (1988)

@Animal House
AGo Back to Hell
BThey Want War
CBlack Widow
DIn the Darkness
ELay Down the Law
FWe Want it Loud
GHot Tonight
HWarrior
IComing Home
JRun for Cover


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
イチ押しポイント このU.D.O. のサウンドでACCEPT を続けて欲しかった!


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posted by ハムバッカー at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月07日

本領を体験できるのはライヴであり MOUNTAIN

1969年デビュー、HRの巨人でもあるMOUNTAINのギタリスト、レズリー・ウエスト。その巨体から繰り出す狂暴なリフ・ワークと繊細なクラシカル・プレイのコントラストは素晴らしく、独特のピッキング・ハーモニクス、揺れ幅の大きなビブラート、バイオリン奏法などの先駆的存在者として、後世の多くのギタリストに影響を与えました。

レズリーにリスペクトを受けたギタリストをざっと挙げると、マイケル・シェンカー、ランディ・ローズ、エディ・ヴァン・ヘイレン、エイドリアン・ヴァンデンバーグなど、超一流どころばかり。私事で恐縮なんですが、個人的にもリッチー・ブラックモア、ブライアン・メイと合わせて影響を最も受けたギタリストの一人なんです。

HRの源流に当たるCREAM のプロデューサーとして名を馳せたフェリックス・パパラルディが、短期間で崩壊していったCREAM で成し得なかった夢をもう一度と、レズリーに託して結成したバンドがMOUNTAIN であり、バッハの体位法などクラシカル理論をレズリーに叩き込み、あの個性的なギター・プレイが完成されたのです。

ポードレールの詩集にインスパイアされた71年発表の4作目にあたるアルバム 「Flowers of Evil」 は 、今となってはさほど珍しくないのですが、 (アナログ盤で) A面がスタジオ録音、B面がライヴ録音という当時では珍しく、画期的な作品でありました。

スタジオ録音のサイドは、今までの作品と毛色が違った@に代表される牧歌的メロディが強調され、フェリックスのルーツでもあるフォーク・サウンドからの影響が垣間見えます。Cにおける自由奔放なレズリーのプレイには舌を巻きますし、Dの冒頭のクラシカルなヴァイオリン奏法は聴きどころです。

しかし、MOUNTAIN の本領を体験できるのはライヴであり、アナログのB面を占めるライヴはまさに本領発揮という感じです。

25分以上にも及ぶ、" Dream Sequence " と命名されたEの組曲形式の5曲は圧巻で、ギター・ソロから雪崩込むチャック・ベリーのカヴァーである " Roll Over Beethoven " の強烈なプレイは、レズリーのギター・プレイの妙技の全てを堪能することが出来ますし、 " Dream of Milk and Honey " でのレズリーのギターとフェリックスのベースとのインター・プレイの応酬は、まるでバンドの主導権を争ってるような形相で、DEEP PURPLE における、リッチーとジョン・ロードの火を噴くようなバトルを彷彿させますよ。

世界一有名なカウベル・プレイで始まる彼ら最大のヒット曲であるラストのFは、もう何も言うことがありません。ノリノリです。

日本では過小評価されてますが、彼らの発表した2nd. 〜 4th. までの3作品はHR の美しさと醍醐味を十分に感じることが出来る名盤中の名盤です。現在は糖尿病の影響により片足を切断してしまったレズリーですが、枯れてもまだまだ牙を隠し持っているギター・プレイは必聴だ!



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FLOWERS OF EVIL / MOUNTAIN (1970)

@Flowers of Evil
AKing's Chorale
BOne Last Cold Kiss
CCrossroader
DPride and Passion
EDream Sequence
Guitar Solo
Roll Over Beethoven
Dreams of Milk and Honey
Variations
Swan Theme
FMississippi Queen


歴史的インパクト ★★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 
雷イチ押しポイント雷 レズリーの甘いギター・トーンにもうメロメロ


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posted by ハムバッカー at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする