2013年04月20日

多かれ少なかれRUSH の影響は必ず受けている GASKIN

NWOBHM 時代に登場したトリオ編成のバンドとして、LIMELIGHT と並び華麗な作品を発表したのがポール・ガスキン率いるGASKIN です。

ギター&ヴォーカルのポール・ガスキン、ベースのステフ・プロコブック、ドラムのデイヴ・ノーマンの3人から成すサウンドは、従来のへヴィでアグレッシヴなNWOBHM 特有のサウンドとは違い、スペイシーかつファンタジック寄りであり、まさにトリオ編成の雄であるカナダのRUSH を彷彿させます。

まあ、トリオ編成のバンドは多かれ少なかれRUSH の影響は必ず受けている事が多い訳ですが。

シングルとして発表された@Hは、どちらかというとモッタリした何てことの無い楽曲ですが、幻想的なアルペシオから始まり、途中で転調して疾走するA、複雑な展開を擁する劇的かつプログレッシヴなBは彼らの真骨頂であり、トリオならではの隙間を埋める手数の多いプレイを聴く事が出来ます。

1870年代に作られた讃美歌をモチーフとした、インストDのダイナミズムな壮大さは息を飲む程の出色の出来。それに続くタイトル・トラックEのスピード感はDと相俟って爽快だ! まるでイントロが、オジーの 「Crazy Train」 を超高速にした感じなのがちょっと笑える。

FGあたりも結構へヴィなリフで武装してますが、アルバム全体が霧がかかったようなモヤッとしたミックスのせいもあって、幾分マイルドに聴こえるのは彼らの特徴なのか? それとも、単にレコーディング・バジェットの低さから来たものなのか?(笑) ポールのジャリジャリしたギター・サウンドもなんとも個性的ですね。

ラストのIは、バラード調の調べから徐々に盛り上がってくドラマティックな展開で、アルバムの最後を締めくくるのには相応しい名曲だ。

こんなクオリティの高い作品を出したにもかかわらず、次作では専任ヴォーカリストを加入させて4人編成となり、何故かサウンドもストレートなハード・ロックへと変貌してしまいました。

個人的にはセカンドは一般的評価ほど悪い作品じゃないと思うのですが、複雑な演奏形態を放棄するのなら、わざわざ4人編成にしなくても。と感じたのは私だけでしょうか?

まあ、アルバム・ジャケットの幻想的な感じも含めて、NWOBHM から出現した異質なサウンドを装備したGASKIN、いいバンドでしたね〜。



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END OF THE WORLD / GASKIN (1981)

@Sweet Dream Maker
AVuictim of the City
BDespiser
CBurnin Alive
DThe Day Thou Gavest Lord Hath Ended
EEnd of the World
FOn My Way
GLonely Man
HI'm No Fool
IHandful of Reasons
JI'm No Fool (single version) *
KSweet Dream Maker (single version) *

* BONUS TRACK


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 トリオ編成の妙技を聴け!

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posted by ハムバッカー at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月07日

「いったい何処に耳付けてるの?」 BLACK SABBATH

本作 「TYR」 は、 「THE ETERNAL IDOR」 「HEADLESS CROSS」 と共に、BLACK SABBATH 様式美三部作の一つとして数えられる名作です。

SABBATH の金看板を守り続けてきたトニー・アイオミを軸に、コージー・パウエル、ニール・マーレイというブリティッシュ・ロックの巨人が集結。そこに抜群の歌唱力を持つシンガー、トニー・マーティンを擁するメンバーで作られた作品が悪いわけがありません。

よくオリジナル・メンバーにこだわるファンは、この頃の作品を軽視する傾向がありますが、とんでもない! 「いったい何処に耳付けてるの?」 と思わず言い放ちたくなります。トニー・アイオミのセンスが光る王道を極めた、オーセンティックなハード・ロックは超素晴らしいの一言ですよ。

北欧神話を下敷きにしたコンセプト・アルバムっぽい作りの本作は、幻想的かつ力強い@から始まり、続いてSABBATH 史上最速の疾走感をもつAにはおおっ、と驚かされます。コージー・パウエルの強力なドラミングが炸裂するこの曲を聴くと、彼が共同プロデューサーとしてクレジットされている理由が浮かび上がってきます。

多くの曲がドラムのフィル・インから始まる事実が、強いコージーの関わりを如実に表しております。RAINBOW 在籍時には 「ドラマーはどれだけ曲にインプットをしても、なかなかクレジットをもらえないんだ。」 とこぼしていましたし。

初期SABBATH 特有の引きずる様なリフが印象的なC、映画のサウンドトラックを連想させるなドラマティックなインストDから雪崩込む荘厳なEはまさにロニー時代を彷彿させます。また、トニー・マーティンが小型ロニー・ジェイムズ・ディオと呼べるほどの見事な唱法を駆使し、否が応でも 「HEAVEN AND HELL」 の時代を思い出しちゃいますね〜。

前作より本格的に曲作りに参加したトニー・マーティンの歌いっぷりは堂々としており、歴代のSABBATH に在籍したシンガー達と比較しても全く遜色無く、見事なメロディ・ラインと神秘的な歌詞を提供。う〜ん、素晴らしいぜ。

ジェフ・ニコルズのキーボードも全編にて大々的にフューチャー、彼の役割が素晴らしく、本作に雄大な味付けを絶妙に加えております。さすがあのホラー作家の巨匠、スティーブン・キングに見込まれた事がある才能の持ち主だけありますね。

これだけ素晴らしい作品を作り出したにもかかわらず、当時の市場はSABBATH と逆行したサウンドがほとんどを占めており、またSABBATH のマネージメントの無力さ、ライヴのブッキングのお粗末さも重なって、全くの無風状態でした。

これがロニーを呼び戻して、二期SABBATH のリユニオンをトニー・アイオミに決意させたきっかけになったのだと思います。しかし、その 「DEHUMANIZAR」 にて掲示されたサウンドは、私を含む様式美をこよなく愛するファンを失意のどん底に叩き落とす、モダンで彼らに似つかわしくない曲ばかり‥。

これだったら 「TYR」 のメンバーでもう1作作ってくれよ。との嘆き節の一つも、思わず出ちゃいますよ。

ただ、本作唯一のプロモーション・ビデオGの内容は最悪、SABBATH の名に泥を塗るようなお粗末な出来でした。歯痒かったなー、当時は。でも本作は最高でっせ! 聴かにゃ損だ。



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TYR / BLACK SABBATH (1990)

@Anno Mundi (The Vision)
AThe Law Maker
BJerusalem
CThe Sabbath Stones
DThe Battle of Tyr
EOdin's Court
FValhalla
GFeels Good to Me
HHeaven in Black


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 時代を超越した正統派HRに悶絶!名盤だ


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posted by ハムバッカー at 12:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする