2013年03月24日

失意のどん底に落ちたことでしょう FIONA

85年にデビューしたフィオナは、HR/HM系女性ヴォーカリスト特有の男勝りしたガツガツとしたいやらしさも無く、非常にスマートなヴォーカルとハード・ポップなサウンドで注目を集めました。

シングル 「Take to Me」 もビルボードで60位代まで上昇し、そこそこのチャート・アクションを記録したので次のセカンド・アルバムには期待してました。いったい、どういったサウンドで勝負をしてくるのかを。

翌86年に発表されたセカンド 「BEYOND THE PALE 」 は、なんと、RATTで名を上げたボー・ヒルをプロデューサーに迎え、ゲストにもボーのプロデュースする作品ではたびたびプレイしている子飼いのミュージシャン、キップ・ウィンガーやレヴ・ビーチ (WINGER) も参加。前作同様、ボビー・メッサーノ (STARZ) ジョー・フランコ (TWISTED SISTER) もバックでプレイしてます。

ボー・ヒルの作り出すサウンドのイメージとは、ブライトでゴージャスなあのRATTの発表したアルバムを聴いてもらえばよーく分かると思います。個人的にあまり好きではないサウンド・メイキングですので一抹の不安はありましたが。

しかし、そんな心配したサウンド・メイキングよりも根本的に楽曲自体が 「売るぞ!」 という方向に舵が切られた、ポップな楽曲がほとんどだったのが大ショックでした。

もはやハード・ロックの枠の中からはみ出した、どちらかと言うとダンサブルなサウンドも多く、私を含めて期待していたファンの溜息が聞こえて (?) きそうです。

しかし、フィオナのヴォーカルはファーストと比べて変に力んだ感じも無く、非常にキュートな歌声に変わっており好感が持てます。やはり前作が期待したほどの成果が得られなかった事実を踏まえると、このヴォーカルを前面に押し出したサウンドの移行は仕方が無いのかな。86年といえば大爆発したBON JOVI の 「Slippery When Wet 」の発表された年、いろんな意味でHR/HM のポップ化が進行したきっかけとなった年ですし。

Dのサビのメロディー・ラインなんかを聴いてると、その後90年に発表されるあのイングウェイ・マルムスティーンの元妻、ERIKA のイメージが頭をよぎります。北欧チックなイメージもほんの少々見受けられますが、フィオナは元々、アイルランド移民なんだそうですよ。なるほど。

結局本作でも大きな成果を上げることが出来ずに、女優としてテレビ・ドラマに出演するなど方向性を変えた彼女は、しばらくの間音楽業界から姿を消します。

そして3年後に音楽活動を再開した際に飛び込んできたニュースは、なんとプロデューサーのボー・ヒルと結婚! え〜っ。(悲) きっと、日本中のフィオナ・ファンが失意のどん底に落ちたことでしょう。(笑)



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BEYOND THE PALE / FIONA (1986)

@Tragedy
AHopelessly Love You
BLiving in a Boy’s World
CThunder & Lightning
DTender is the Heart
ERunning out of Night
FIn My Blood
GHe’s on My Side
HYou Better Wait
IKeeper of the Flame


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 キュートな歌声はイイね!


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2013年03月14日

追悼 CLIVE BURR

長年病気と闘っていた元IRON MAIDN のドラマー、クライヴ・バーが12日に亡くなりました。

多発性硬化症という治療が難しい病にかかって10年以上、まだ56歳という若さで‥。

あの愛くるしい笑顔からは想像できないタイトなドラミング、多用するシンバルに高速ワンバス、独特のドラムロールなどの個性的なプレイは、唯我独尊であった初期のMAIDEN を形成していたワンピースでもありました。

よくよく考えてみると、私のMAIDEN のフェイバリット・アルバムは初期の3枚なんですが、それらすべてはクライヴがドラムを叩いてたんですね。

MAIDEN 脱退後のSTRATUS やPRAYING MANTIS では大きな成功を収められず、まだまだ頑張って欲しいなと思ってたのですが。

自分の青春時代のヒーロー達が亡くなっていくのは、何ともやるせない気持ちです。長い闘病生活は、とても辛かったと思います。安らかにお眠り下さい。R.I.P.




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posted by ハムバッカー at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | RIP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月10日

一歩間違えればオネェ系? KUNI

今では日本人が海外に渡って活躍することが当たり前の時代となりましたが、80年代に18歳で単身渡米し、裸一貫からアルバム・デビューまでこぎ着けた凄いミュージシャンがいます。そう、ギタリストのKUNIです。

彼は渡米してわずか2年で英語を習得。その底抜けに明るい性格と社交性、もちろんギタリストとしての腕前もあって数多い英米のミュージシャン達と友人となり、本作 「MASQUE」 を作り上げました。

当時、無名の日本人ギタリストがアメリカで豪華アーティストを従えてアルバムを発表した事実や、孔雀の羽をあしらったド派手なマクク (一歩間違えればオネェ系?) を覆ったミステリアスな存在が国内で話題となりました。彼がアルバム・デビュー出来た経緯はよく分からないんですが、コ・プロデューサーにあの伊藤政則氏のクレジットがあることや、渡辺音楽事務所が絡んでいる点から、日本より何らかの働きかけがあったのでしょう。

歌ものとインストが絶妙なバランスで配分された本作は、LAメタルの雰囲気というよりは、NY寄りの正統派メタル・サウンドになっており、NY界隈のミュージシャンが集結して制作された 「THRASHER」 と雰囲気がよく似てます。

80年代に巷に氾濫した曲芸ギタリスト達のマスターベーション的なアルバムと趣が違い、楽曲で勝負する作品は好感が持てます。もちろん、KUNI のギター・テクニックも流石ではありますが。

@ABのヴォーカルは、今ではデュアン・バロンと組んでのプロデューサー・チームとしての方が有名となったジョン・パーテルが歌ってます。この人、こんなに歌えるんだ! と言わしめるほど、見事な唱法を聴かせてくれます。ビックリ。

ドラマーはフランキー・バネリ、マーク・エドワーズの2人が全面参加。どちらもアメリカを代表するパワー・ヒッターで、その重厚なドラミングはアメリカよりブリティッシュ・サウンドを彷彿させます。個人的にHRサウンドのドラムの重要性を普段から説いてるんですが、この2人に起用は大正解! 私の大好物なパワフルなサウンドに仕上がってます。

インストのCDFでは、ビリー・シーンが (クレジットは本名の William "Billy" Sheehan だ。) あの輪郭のはっきりしないモコモコとした独特なベース・サウンドで縦横無尽に弾きまくっており存在感抜群! そこいら中にビリー印が押されてます。 (笑) KUNI のギターとの熱いバトルは最高、本作の聴き所ですよ。

元ANTHRAX のニール・タービンの意外と艶のあるヴォーカルが冴えるEもいいが、Gで哀愁溢れるサウンドに乗せて情熱的に歌い上げるカル・スワンのヴォーカルは、本作のハイライトとも言える楽曲です。彼が歌うと、どんな曲調でもブリティッシュ・サウンドになってしまう (?) 雰囲気はもう素晴らしい! カルはゲスト参加等では結構いい仕事をするんですが、肝心の本業でさっぱりなのは何故なんでしょうか? やっぱりダグ・アルドリッジのせいなのか。(爆笑)

ラストのインストHでは、CREAM のプロデューサーやMOUNTAIN のベーシストとして知られるフェリックス・パッパルディ(故人)とのジョイントで一躍有名となった日本のバンドCREATION のキーボード奏者、奥本亮が叙情的な味付けをしており、ラストを締めくくるに相応しい、ムーディでしっとりとした感じが印象的です。エンディングの水滴の音なんかを聴くと、思わず心が浄化されてしまいます。

セカンド以降は、KUNI はLA ナイズされたサウンドに移行してしまいガックシしてしまいましたが、本作は個人的に彼の最高傑作と断言します! ただ、本作品は入手困難で、国内盤をフルコピーした質の悪い韓国製のブートレグが出回る始末。しっかりと再発して欲しい作品の一つですね。日本人の作品なんだから。おいっ!(怒)



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MASQUE / KUNI (1986)

@When We Rock
ALove Taker
BEast Meet West
CTelepathy
DVictory of Dreams
EHands Up
FOne Last Change
GRestless Heart
HDesert Sunset


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 日本人ギタリストの神髄を聴け!


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