2012年10月23日

自身の作品がヒットしないという不思議な法則 HOLLY KNIGHT

80年代を席巻した空前のHM/HR ムーヴメントにて、それらのバンドの楽曲作りにおいて陰からアシストしたのが、外部のソングライターという職業です。

元々HM/HR のアーティスト達は60年代から作詞・作曲、はたまたプロデュースまで自分自身で行うのが美学であり、楽曲のカヴァーならともかく、他人に自分たちの音楽を干渉させないのが当たり前でした。

しかし時は流れて、良い楽曲のためなら他人の協力もいとわないという柔軟な考え方がこの世界でも一般的になったのも確かであり、悪い見方をすれば、有名ソングライターの力を借りてヒット・シングルを生み出そうと考える輩も明らかにおりました。

デスモンド・チャイルド、ダイアン・ウォーレン、ボブ・ハリガンJr. など、売れっ子ソングライターは数え上げたら両手では足りません。

その中で卓越したポップ・センスを持ち、BON JOVI、HEART、OZZY OSBOURNE、KISS、AEROSMITH、CHEAP TRICK、John Wait、Meat Loaf らHR/HM のアーティストだけで無く、Pat Benatar、Rod Stewart、HALL & OATES、Tina Turner、Patty Smyth らポップ畑のアーティストらにも楽曲提供をしている美人売れっ子ソングライターが、今回紹介するホリー・ナイトです。

80年にデビューしたSPIDER というバンドのキーボーディストを振り出しに、DEVICE というバンドを経て専業ソングライターとなり、その後の成功は説明するまでもありません。

その彼女が88年に初めて発表した、自身の名前を冠したソロ・アルバム 「HOLLY KNIGHT」 はちょっとした話題となりました。

ゲストにHERAT のナンシー・ウィルソン、HALL & OATES のダリル・ホール、DEVICE の盟友、ジーン・ブラックを迎え、パット・ベネターに提供した "Love is a Battlefield" のカヴァーを含んだ楽曲群、さらに自身の共同プロデュースという力の入れ様。

しっかし、しかし‥。

アルバム全体がAOR感覚のライトなポップ・ソングで占められており、HM/HR に慣れた耳にはちょっとキツいな〜。もちろん、作品のクオリティ自体は悪くないのですが。ちょっと本ブログで取り上げたのは無理があったかも。

楽曲の邦題も、 「ハートで抱きしめて」 「私のSexy Boy」 「貴方に夢中」 など (笑) かなり失笑モノです。

デスモンド・チャイルドやボブ・ハリガンJr らも彼女と同様、ソロ・アルバムを発表したにも拘らず、たいしたヒットを記録してないのが事実であり、売れっ子ソングライターは自身の作品がヒットしないという不思議な法則 (? )があるんですよ。

確かに自分自身の作品がヒットすれば、他人に楽曲提供するのなんてもったいない話ですし。

彼女が最初に在籍したSPIDER なんかは割と好きなんですが、またいつか機会があれば紹介します。

最後にホリー自身が関与した作品で個人的にベスト3を挙げるとしたら、こんな感じです。
@Never / HEART (HEART)
AHide Your Heart / KISS (HOT IN THE SHADE)
BSpace / CHEAP TRICK (LAP OF LUXURY)



HollyKnight1.jpg


HOLLY KNIGHT / HOLLY KNIGHT (1988)

@Heart Don't Fall Me Now
AEvery Man's Fear
BSexy Boy
CIt's Only Me
DPalace of Pleasure
EWhy Don't cha Luv Me-Like You Used to
FBaby Me
GLove is a Battlefield
HNature of the Beast
IHowlling at the Moon


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン  レア度 ★★
イチ押しポイント 彼女の提供した楽曲を聴こう!(笑)


宜しければワンクリックを ↓
にほんブログ村 音楽ブログ HR/HMへ
にほんブログ村




posted by ハムバッカー at 23:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月10日

DEEP PURPLE はオーケストラと一緒にペンペンやってる頃で GUN

今回は60年代まで遡ります。67年にポール&エイドリアン・ガーヴィッツ兄弟を中心にイギリスで結成されたGUN が69年に発表したデビュー・アルバム。その衝撃的かつ前衛的なサウンドは今聴いても全く色褪せておりません!

アルバム邦題の 「悪魔天国」 を彷彿させるおどろおどろしい、異様なアルバム・ジャケットがまず凄い! デザインはその後YES やURIAH HEEP、ASIA らの名盤のジャケットを手掛ける巨匠ロジャー・ディーン。 (ロック・バンドのジャケット・デザインはこれが初仕事らしい。)

アルバムのハイライトでもある@は、シャッフル・ビートに乗ってうねりまくりながら疾走するサウンドが大迫力で思わずのけぞってしまいます。エイドリアンのギターとブラス・セクションの対位法での絡みが強烈で、ポールの高らかな笑い声も狂気のサウンドを増幅させる事に。凄い!

本作が発表された69年って言えば、まだLED ZEPPELIN がデビューしたばかり。DEEP PURPLE はオーケストラと一緒にペンペンやってる頃で、BLACK SABBATH やURIAH HEEP らはまだ誕生してないんですから。

そんな頃にこんな凄いサウンドがあったなんて。まるで、BLACK SABBATH の重厚さとは全く対極にある狂気を伴ったへヴィさにはまったく驚きです。

打って変わってホーンセクションから始まるAは、日本のGSを雄大にした感じ (?) のメロディで、エンディング近くに突然挿入された分厚いストリングスは緊迫感満点。邦題が 「悲しい物語」 って、言い当て妙だ!

暴力的なジャミングからギターのスイッチング奏法に雪崩込むイントロが超カッコいいDは、歌メロに入るとステディなテンポに変化し、イントロとのコントラストがかなり面白い。

バラードのFでは世界で初めて回転するストリングスがバックで使用され、哀愁のメロディが涙を誘います。HEEP の「July Morning」と並ぶ名バラードだと断言しますよ。

ラストのGは11分にも及ぶ超大作で、延々と続くギター・ソロに途中を挟むドラム・ソロなど、CREAM 並みのインプロゼーションには脱帽! ストリングスが絡んでくる壮大なラストまでサウンドに伴走する緊張感が保たれてるなんて‥。

結局彼らは70年に2作目となる 「GUNSIGHT」 を発表して解散。短命ではありましたが、ブリティッシュ・ハードの源流とも呼べる本作は燦然と輝いてます。

ZEPP のアルバムなんかも同様ですが、サウンド・プロダクションが古くてもそれを凌駕する程の大迫力の演奏のせいか、今聴いても全く古さを感じさせません。狂気の織りなす、まさにブリティッシュの原点でもあるハード・ドライヴィングなアルバム、温故知新も捨てたもんじゃありません。聴かねば損でっせ!!



51bskp6hs-L__SL500_AA300_.jpg


GUN / GUN (1969)

@Race with the Devil
AThe Sad Saga of the Boy and the Bee 
BRupert'sTravels
CYellow Cab Man
DIt Won't Be Long
ESunshine
FRat Race
GTake Off


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 ホントに69年の作品? 支極へヴィだ!


宜しければワンクリックを ↓
にほんブログ村 音楽ブログ HR/HMへ
にほんブログ村




posted by ハムバッカー at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする