2012年07月30日

このギミックが子供騙しだと不評を買ったんですが  CRIMSON GLORY

LAメタルの嵐が吹き荒れる86年のアメリカに突如登場したCRIMSON GLORY は、アメリカ出身のバンドながらヨーロッパの雰囲気をまとった上質のサウンドが話題性を呼び、数々の雑誌で絶賛されました。

歌詞は神話や継承などミステリアスな題材を扱い、ツイン・リードを多用したマイナー系のドラマティックな様式美サウンド。そしてヴォーカリストのミッドナイトの唱法がハイトーンを駆使したスクリーミングを多用する所からも、彼らよりもちょっと前にデビューしたQUEENSRYCH のジェフ・テイトを彷彿させる事が大きな話題に。

さらにアルバム・ジャケットにもある銀色の仮面をメンバー全員が付けて素顔を明かさないというミステリアスさ。これはギリシャ神話に基づくコンセプトと同調していると当時メンバーがインタビューで言ってました。

まあ結論から最初に言ってしまうと、このギミックが子供騙しだと不評を買ったんですが (笑) 確かにKISS みたいに仮面のコンセプトが各メンバーのキャラクター・個性として確立しちゃえばいいんですよ。しかし、どっちかというと格式のある音楽性で勝負するならこんな話題性なんか要らないんじゃないの? と当時私自身も思ったものです。

もやっとしたあまりの音質の悪さに最初クラッとしましたが、その格式ある様式美サウンドはオープニングの@から炸裂しており、イントロのツインリードから入る所はおおっ! と思わず膝を叩いてしまう私好みの展開。北欧神話に登場する戦死した英雄の霊を祭る神の殿堂を歌った歌詞のコンセプトも古典的なのです。

冒頭からミッドナイトのスクリームが飛び出すAは、非常にポップなサビを持つ本作中一番キャッチャーな曲じゃないか? でもいい曲だ。

スペイシーなSE からスリリングなイントロになだれ込むDは疾走感満点で、思わず首を振らずにはいられない! ミッドナイトのどこまでも伸びていく高音スクリームが凄い凄い。まさに大爆発。

他も全編、彼ら独特のフォーマットに基づいたサウンドはアルバム全曲の統一感を持ち、ラストまでブリティッシュなサウンドが好きな人にはたまりませんよ。

しかし、劇的な展開を持つ楽曲をライヴで再現出来ないことを来日公演で露呈してしまった演奏技術の未熟さや、先出の仮面を被るというギミックも影響してか、彼らの勢いはその後尻すぼみに。また、パーティ・メタル全開の80年代アメリカでこのようなサウンドは、WARLORD やWARRIOR などの良質なバンドの作品と同様、非常な地味な扱いを受けたのも事実なのです。

仮面なんか被らなくても、メンバーは非常にルックスが良いって何かでで読んだ気がするんですが。でも、素顔を隠すミステリアスさ持ってしても、地味だというのも困ったものです。(笑)



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CRIMSON GLORY / CRIMSON GLORY (1986)

@Valhalla
ADragon Lady
BHeart of Steel
CAzrael
DMayday
EQueen of the Masquerade
FAngels of War
GLost Reflection


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 ほんとにアメリカのバンドなの?


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2012年07月17日

追悼 JON LORD

また一人、自分のアイドルが天に召されていきました。

ジョン・ロード、享年71歳。彼が癌の発症を発表した時、正直嫌な予感がしてたんです。なぜならロニーの時もそうだったから‥。

自分も年を取るのだから、私より年上の人も同じように年を取るのは当たり前な訳で。しかし、癌などの病によって亡くなるというのは何とも悲しすぎます。

その決して怒ることの無い穏やかな性格や、ツアーに出る際にはアタッシュケース一杯の本を持参する読書家という表側の顔とは裏腹に、ステージ上では鬼気迫るインター・プレイを自慢のハモンド・オルガンC−3にて炸裂させるミュージシャンとしての顔とコントラストがとても印象的でありました。

レズリー・スピーカーを回転させて歪ませたオルガン・サウンドや、マーシャル・アンプにオルガンを繋ぐという独創性。倒れんばかりにC−3を前後に揺さぶりながら衝撃音を出す力技に、演奏中に電源を切ってドップラー効果を発生させる荒技など、その変幻自在のプレイぶりは他の者を寄せつけません。

また、彼の経験に裏打ちされた流麗なクラシカル・プレイや、まるでパイプ・オルガンを弾いているのか?と思わせる壮大なサウンドも彼の持ち味で大好きでした。

ジョンが言っていた 「私は死ぬまでに、もう一度だけ第三期DEEP PURPLE のメンバーで演奏してみたい。きっとやり残したが見つかると思うし、音楽的な可能性が秘められている。」 といった夢は、叶うこと無く終わってしまったんですね。

最後までオルガンにこだわった職人、ジョン・ロード。安らかに‥。R.I.P.



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posted by ハムバッカー at 23:05| Comment(2) | TrackBack(0) | RIP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月06日

「凡ファイア 」と呼ばれる始末 BONFIRE

80年代中期にドイツからSCORPIONS、ACCEPT に続くバンドとしてHELLOWEEN、GRAVE DIGGER、RAGE、RUNNING WILD、RAILWAY など、どっちかと言えばACCEPT 寄りのバンドは数多く登場しましたが、何故かSCORPIONS 寄りのメロディアスなバンドは皆無の状態。

しかし87年に登場したBONFIRE はまさにSCORPIONS の正統後継者という名にピッタリのバンドで、一部輸入盤で入ってきていた本作 「DON'T TOUCH THE LIGHT」 は、当時話題となっていました。

彼らの楽曲は「LOVE AT FIRST STING」以降のハード・エッジながらメロディアス・サウンドのSCORPIONS を彷彿させ、またなんといってもヴォーカルの声質がクラウス・マイネそっくりなのです。
クラウスからあの独特なアクを抜いた感じの (?) 中域の声色を持ち、ついでに名前もクラウス・レーマン。 (笑)

しかも、SCORPIONS の生みの親であるディーダー・ダークスのスタジオを使用したなんていえばなおさらです。

何かを予感させるようなコズミックなイントロダクション@から雪崩込むAは、ずっしりとしたミディアムなナンバー。もちろん初期ジャーマン。メタルのバンドらを思い起こさせる湿り気をたっぷりと帯びたメロディが実に美味しい。

Bは切れ味鋭いリフが印象的な秀曲、バラードのCも何処かSCORPIONS の影がちらつくが、これもまた美しい。
前身バンドCACUMEN 時代にレコーディングされた曲Dを再び収録した事実も、良い曲へのこだわりを感じ取れますし。

全体的にミディアム・テンポ中心の楽曲で、疾走系の曲がも1、2曲欲しいかな、と正直感じますが、硬質なリフに抒情的なメロディが融合したジャーマン・サウンドはまさに私好みです。

その後BONFIRE は数多くの欧州バンドと同様アメリカ制覇を目指して渡米、セカンド・アルバムのプロデューサーになんとマイケル・ワグナーを迎えることが決定。 「BALLS TO THE WALLS」 の再現か! と大きな期待を持たせてくれたが、よせばいいのにそのサウンドはDOKKEN やKEEL の様なアメリカナイズされたサウンドに移行して思わずガックシ。

それもアルバム発表を重ねていく程にポップかつ凡夫な楽曲ばかりが増え、4作目発表時には某音楽誌のレビューでは 「凡ファイア 」と呼ばれる始末。(爆笑)

アメリカのバンドだらけで既に飽和状態のシーンに、なぜ自分らしさをかなぐり捨ててまでアメリカナイズされたサウンドへと変貌するんでしょうか? みんな。

隣の芝は良く見えるという気持ちはよく分かるんですけど、70年代のミュージシャンのようにいかに他人と違うサウンドを作り出そうかという気高い誇りなんて微塵も無いんでしょうかね。残念じゃ。



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DON'T TOUC THE LIGHT / BONFIRE (1987)

@Intro
AStarin' Eyes
BHot to Rock
CYou Make Me Feel
DLonging for You
EDon't Touch the Light
FSDI
GNo More
HL.A.



歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 SCORPION は全米制覇後のサウンドが好きだ!と思うあなたに


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posted by ハムバッカー at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする