2012年02月19日

メイン・ヴォーカル以上に不安定かつ素っ頓狂な歌声を披露 220VOLT

寒い時期になると食べたくなる鍋と同様、寒いと何故か無性に聴きたくなる (?) 80年代の初期北欧メタルの中で、その魅力をほぼ満たしていると思われるバンドが今回紹介する220VOLT ではないでしょうか。

79年結成と言えば、NEON ROSEやE.F BAND、HEAVY LORD くらいしかタマが無く、EUROPE もイングウェイもまだアマチュア・レベルの範囲でしたから、彼らはごく初期からの北欧メタル・バンドに属するのでしょう。

82年に発表した自主制作シングル 「Prisoner of Love」 (本作収録Hとは別バージョン)/ 「Sauron」 が何故か海を渡ったアメリカやフランスのラジオ局でヘヴィ・ローテーションで取り上げられた事が話題となり、めでたく地元スウェーデンのメジャー・レーベルであるCBS と契約、本デビューアルバムが制作されました。

夢のようなメジャー・レーベルからの発売とは裏腹に、実際の音はデモ・テープ並みの音質で、レコーディング・バジェットの低さゆえのチープなサウンド・プロダクションは悲しいがな仕方ないのか。

またこの頃の多くの北欧メタルにありがちな、英国あたりのメロディアスなHRバンドからリフやメロディを拝借したサウンドには何とも笑えます。

しかし、当時イギリスやアメリカのバンドでは絶対出す事が出来なかった哀愁を帯びたウェットなメロディ・ラインと美しいツイン・リード、そして作品全体を包み込む冷ややかな空気は、極東の島国にいる若き少年の心をムンズと掴むのに時間はかかりませんでした。

英国圏以外のバンドの特色でもある音程がかなり不安定なヴォーカルもまさに初期北欧メタルならではで、まさに私の好みにどストライクじゃありませんか。

しかも、このヨアキム・ルンドホルムというヴォーカリスト、本作のレコーディングの最中にヴォーカルが脱退するという、もの凄い非常事態時に後任として迎えられたらしく、いやはやなんとも。

@やBCFなどは、そのジットリとした湿り気を帯びた叙情的なサウンドが全開で、その音質の悪さも相俟って不思議と楽曲にミステリアスなムードを醸し出しており非常にソソられます。

非常にリリカルなDはゲスト・ヴォーカリストと思われるジェニー嬢とのツイン・ヴォーカルなんですが、このジェニー嬢がメイン・ヴォーカルのヨアキム以上に不安定かつ素っ頓狂な歌声 (笑) を披露、すべてをブチ壊してしまっている感じがします、あ〜あ。 (で、このジェニー嬢って、いったい誰?)

彼らも3rd. までは本作の延長上の作風ですが、本格的アメリカ進出を目指してた4作目ではなんと、OZZY OSBOURNE やY&T、MEGADETH のプロデュースで知られるマックス・ノーマンを担ぎ出してアルバム 「EYE TO EYE」 を発表。メジャーという風格がプンプンと漂うアルバムでしたが、そこには私の好きなあの初期北欧メタル特有の憂いは残念ながらありませんでした。

予想通り (笑) セールスは惨敗で、バンドは解散。その後何度か再結成されアルバムも発表されましたが現在はどうしているんでしょうか?

同郷のEUROPE のアメリカ制覇をきっかけに、多くの北欧バンドが自分達の色を変えてまでアメリカ進出という見果てぬ夢に立ち向かい、無残にも敗れ去っていきました。EUROPE は " Final Countdown " というKiller な楽曲と、JOURNEY を売った敏腕A&R の存在があったからこそブレイクしたのであって、ある意味突然変異的な成功だったのです。

イモ臭くても大いに結構、220 VOLT も自分達の足元を見つめたサウンド作りで邁進してくれれば良かったのに、と個人的には思うんですが・・。



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220VOLT / 220VOLT (1983)

@Lonely Nights
ANo Return
BThe End of the World
CGypsy Queen
DNightwinds
EChild of the Night
FStop and Look Back
GPrisoner of War
HWoman in White


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 初期北欧メタルの酸いも甘いも含んだアルバムだ、ひゃ〜っ!


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posted by ハムバッカー at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月09日

でも本作は、スラッシュ・メタルではありません THRASHER

アルバム・タイトルが 「THRASHER」 でも本作は、スラッシュ・メタルではありません。(笑)

85年に発表された本作は、NY 界隈の腕利き野武士ミュージシャン達が集まったプロジェクトで、RODS の太っちょドラマー、カール・ケネディとSHAKIN' STREET のアンディ " DICK " マクドナルドが中心となってメンバーが集められました。

THE RODS、TALAS、EXCITER、RIOT、ANTHRAX、VIRGIN STEEL、HELSTAR、BLACKLACE、BLUE CHEER、DUST、TKO、SAVOY BROWN (いくつ知ってる?) もうバンド名を見ただけでヨダレが出る程のアングラ度満点のメンツに思わずワクワク。悪い作品になるはずがありません!

冒頭の@からザクザクとしたギターが飛び出し、アメリカン・パワー・メタル全開のサウンドにノリノリ。能天気なLA メタルとは対極となるサウンドですよ。これこれ、私の大好物は。

本作のハイライトである疾走チューンBでは、当時まだ東海岸のカルト・ヒーロー位の存在だったビリー・シーンの強烈なリード・ベースが炸裂、まさに鬼人ぶりを発揮。曲の中間部ではアンディのギターとビリーのベースとのバトルが大迫力で、ヘッドホンで聴くとスピーカー左右に振り分けられての掛け合いはグサッ、グサッと耳に突き刺さります。ここまで来ると様式美だ! うひょー。

バトル後のアンディのギター・ソロもメロディアスで超カッチョいいです。私この人のことあまり良く知らないんですが、ロス・ザ・ボスがMANOWAR 加入以前に参加していたSHAKIN' STREET というバンドのギタリストだったそうで。どんなバンドだったのでしょうか? 誰か教えて、要注目です。

Cでは私の大好きなBLACKLACE の紅一点・肉感ヴォーカリストのマリアン嬢がバック・コーラスで参加。曲名も " Black Lace and Leather " シャレなんでしょうか。

FはEXCITER の歌うドラマー、ダン・ビーラーの (本曲はヴォーカルのみです) ガッツのあるシャウトが炸裂。TKO のブラッド・シンケルの絞り出すようなヴォーカルも良いんですが、ダンのほこりが舞い立つようなヴォーカルはただただ 「豪快」 の一言に尽きます。素晴らしい。

また、この曲では先出のアンディ " DUCK " マクドナルド、キム・シモンズ (SABOY BROWN、渋いぜ!) ダン・スピッツ、ジャック・スターがギター・ソロにて競演。よーく聴いてみるとそれぞれの個性がソロに反映されてて面白いですよ。個人的にジャック・スターの参加は嬉しいなー。

GのようなハードR&R なサウンドには、ブルージーなレット・フォスターの歌声が良く似合う!

最初から最後までNY のコンクリート・ジャングル内で展開されるようなジェットコースター・サウンドは最高です! 人を喰ったようなアルバム・タイトルも可笑しいし。

こんなサウンドをまとったアメリカン・パワー・メタルはLA メタル創世記にはゴロゴロいたんですが、時代は変わってアメリカ東海岸は、よりコアな激烈サウンドか、耳当りの良いポップ・メタルのどちらかばかりになってしまいました。本作みたいなサウンドが最近無くて寂しいな〜。

先出の沢山のバンド名を見て、一つでも「オッ」と身を乗り出した人、即買いですよ。(笑)


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THRASHER / THRASHER (1985)

@Hot and Heavy
ARide the Viper
BWidomaker
CBlack Lace and Leather
DShe Likes It Rough
ESlipping Away
FBurning at the Speed of Light
GBad Boys 
HNever Say Die


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 国内未発売
雷イチ押しポイント雷 NY のアングラ・サウンドがギュッと凝縮、最高!


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posted by ハムバッカー at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする