2011年10月30日

お色気タップリのコスチュームがムッシュムラムラ ? LEE AARON

HR/HM 系の女性ヴォーカリストは数々いるんですが、METAL QUEEN というなんとも大胆なアルバム・タイトルで世に登場したのが、カナダの歌姫、LEE AARON です。

ハイ・スクールをトップの成績で卒業したにもかかわらず、進学することも顧みずに17歳でロックの世界に飛び込んだ彼女は、多くのカナダのミュージシャンの人脈を駆使して見事デビューを飾りました。Metal Queen と呼ばれるだけあってお色気タップリのコスチュームがムッシュムラムラ ? とソソりますし、ハスキーな声質で迫るの歌唱力はなかなかのもの。

今回紹介するサード・アルバム 「Call of the Wild」 は、彼女のの作品中最も充実した作品で、プロデューサーは前作同様、NIGHT RANGER らを手掛けたポール・グロスを起用。また劇的な作品を作らせたら右に出る者はいない、ボブ・エズリンが1曲でプロデューサーとしてクレジットされてます。

全曲ずっしりとしたミディアム・テンポで統一された楽曲は、彼女の右腕のギタリストであるカナダのハード・ポップバンド、元WRABIT のギタリストだったジョン・アルバニとの共作にて書かれてますが、今回はレコード会社のテコ入れがありありと分かるクレジットも見受けられ、 JUDAS PRIEST、KIX、ICON などの作品にポップな楽曲を提供したソングライター、ボブ・ハリガンJr.がFGでクレジットされており、彼らしいキャッチャーなサビが印象的な楽曲も含まれてます。

しかし、どうも物足りないんですよ。女性ヴォーカリストの中では1,2を争う歌唱力を持ち、ROUGH CUTT のポール・ショーティノを彷彿させる浅黒いヴォーカル・スタイルは唯一無比の個性を燦然と放ってるんですが、先出のミディアム・テンポで統一された楽曲と彼女のヴォーカルとの相性は、良く言えば渋い、悪く言えば地味な印象を拭えませんし、ちょっと12曲は多すぎんじゃない?

彼女の場合、もっとハードな作品にするか、AOR ぽいアダルトなテイストを強めて勝負するか、ハッキリとどちらかに振りきった方が彼女の歌が生きると思うのですが、どうもメリハリの少ない中途半端な作風が歯痒いんですよ。

その中でドラマティックなバラードのCは出色の出来で、ボブ・エズリンならではの壮大なスケールの中で堂々とソウルフルに熱く歌い上げる姿は見事の一言に尽きます。

また非常にポップなDは、 「どっかで聴いた事あるな〜」 と思いクレジットをふと見てみると、A.Blue / H.Knight おお〜っ ! これは今をときめく売れっ子ソングライター、ホリー・ナイトや名ドラマー、アントン・フィグを擁し、80年代初頭に活躍したSPIDER の曲じゃありませんか。 (ビックリ)
どういう経緯でカヴァーされたのかよく分かりませんが、いい曲ですね。本作中ではちょっと浮いてますが。(笑)

その後の彼女はポップ・テイストを強めた作品を次々と発表。ロック・テイストは皆無の世界へ旅立ち、なんと今はジャズ・シンガー (!) に転身してアルバムも数枚発表してます。

でも、よくよく考えてみると、確かにLEE の太い声質はHR/HM よりジャズ・シンガーの方が合っていると思います。現在、バツ1で2人の子持ちだそうです。(笑)



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CALL OF THE WILD / LEE AARON (1986)

@Rock Me All Over
ARunnin' From the Fire
BChampion
CBarely Holdin' On
DBuning' Love
ECall of the Wild
FLine of Fire
GBeat'em Up
HParadise
IEvil Game
JDanger Zone
KHot to be Rocked


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン  レア度 国内未発売(LPのみ)
雷イチ押しポイント雷 聴け、魂のシャウトを!


デビュー当時はこんな感じでした。イヤ〜ン!
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posted by ハムバッカー at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月15日

ニュー・ウェイヴやパンクとは対極をなす斬新なサウンド MAGNUM

いきなり冒頭から恐縮ですが、個人的にプログレッシヴ・ロックはあまり得意ではないんですよ。

もちろん、「In the Court of the Crimson King」 の強烈な威圧感には相当参ったし、「The Dark Side of the Moon」の神秘性には思わず舌を巻きました。

でも、やはりHR/HM の要はギターであり、初期のURIHA HEEP やQUEEN あたりなら良いんですが、あまりに展開の速い英国産のプログレには残念ながら全くついていけません。

その中で私のお気に入りは、パンク、ニュー・ウエィヴの嵐が吹き荒れる80年代突入前の英国で結成されたMAGNUM で、彼らはギターの逆回転やフルート、メロトロンや荘厳なシンセサイザーなどプログレの常套手段ともいえる武器を巧みに使いながら、分厚いコーラスとヘヴィなギター・サウンドを組み合わせた、あくまででもHR としてのスタンツを確立しており、さらにそこに脈々と流れるポップなメロディ・ラインには思わずハッとさせられます。

幻想的なジャケットが印象的な本作は、マイナー調のギター・イントロから突然メジャー・キーに転調するイントロの@にいきなり度肝を抜かれました。7分台の大作にもかかわらず、悠長さを感じさせない展開の妙には思わず感服。

アルバムのタイトル・トラックでもあるCはアコギ〜フルート〜ギターと音が重なっていき、スピード感溢れるボブ・カトレイのヴォーカル・スタイルが絶妙に絡むのには悶絶モノ。サビの哀愁溢れるメロディと重厚なコーラスは 「QUEEN U」 と比較しても全く遜色無い雰囲気を生み出していると個人的に思うのですが。

ただ、フレディ・マーキュリーほどはドギツイ個性があるヴォーカルじゃ無いので、むしろ初期のSTYX あたりにも雰囲気が通じて、一般的には聴き易いんじゃないんでしょうか?

前出のCのサビ部分が再びリフレインされ始まるFは、本作の楽曲中一番の疾走感を持つ楽曲。ギターの素早いパッセージはHR の枠組みの中に存在している事を堂々と主張しており、結成以来この曲がライヴで必ず演奏され続けてる理由もよく分かります。

彼らは本作を発表後、82年に発表のサード・アルバム 「Chase the Dragon」 でプログレッシヴ・サウンドとHR テイストを絶妙にブレンドしたサウンドで頂点を向かえ、その後徐々にポップ・サイドの強い作風へと移行していきました。

86年発表の 「Vigilante」 88年発表の 「Wings of Heaven」 も良質のポップさで味わい深いのですが、まずはMAGNUM とは何ぞや? と思うのでしたら、最初にこのデビュー作、 「Kingdom of Madness 」 を是非聴いてみて下さい。
ニュー・ウェイヴやパンクとは対極をなす斬新なサウンドに身も心も打ちひしがれますよ!



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KINGDOM OF MADNESS / MAGNUM (1979)

@In the Beginning
ABaby Rock Me
BUniverse
CKingdom of Madness
DAll That is Real
EThe Bringer 
FInvasion
GLords of Chaos
HAll Come Together


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 もうこんな個性的なバンドは生まれないんだろうな〜


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posted by ハムバッカー at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月01日

最後尾で髪を振り乱しながら歌っている2匹の狂獣 HEAR 'N AID

USA FOR AFRICA より始まったチャリティーの波は、HR/HM のアーティスト達にも波及し、1985年にHEAR 'N AID というプロジェクトが発足。大勢のHR/HM 系ミュージシャンが一堂に会してチャリティ・ソングが製作されました。

元々はDIO のジミー・ベイン、ヴィヴィアン・キャンベルの2人が発起人で、それに賛同したロニー・ジェイムズ・ディオが 「俺がバンドの大将として、いっちょ話をまとめて、いろんなミュージシャンに声をかけちゃるぜ。」 と言ったかどうかは分かりませんが、 (笑) 彼が中心となって本プロジェクトがスタート。

発足当時はリッチー・ブラックモアやジミー・ペイジ、エディ・ヴァン・ヘイレンなど錚々たる名前も挙がりましたが、まあ彼らが参加するわけが無く (そりゃそうだ) ロブ・ハルフォードとIRON MAIDEN の2人、イングウェイ・マルムスティーン以外は、ほとんどアメリカのアーティストで占められました。

そのチャリティ・ソング "Stars" は、いかにもDIO っぽいミディアム・テンポのずっしりとしたナンバーで、参加したヴォーカリストがメドレー形式で歌う形式は先出のUSA FOR AFRICA での曲 "We are the World" をなぞってます。

ヴォーカリストの競演も見所満載ですが、やっぱHR/HM だけあってギター・ソロのバトルにはかなりの注目が集まり、腕に自身のあるギタリスト達がここぞとばかりにソロを引き倒してます。しかし、誰が誰だか映像を見ないと、これがさっぱり分かりません (笑)

音色とプレイ・スタイルではっきりと分かるのがイングウェイとブラッド・ギルスの2人で、現在はこういったクラシカルな高速プレイをする輩が巷には腐る程溢れてますが、当時はイングウェイのセカンド・ソロのド頭のスウィープ・ピッキングを聴いた時に 「おおっ!」 と興奮したものです。ブラッドの 「ぎゅい〜んっ」 と唸る強烈なアーミングも凄い凄い。

高速プレイが交錯する中、エディ・オジェータ (TWISTED SISTER) のスローなプレイが異彩 (?) を放ってます。
当時、私のバンドにいたギタリストが 「あのT.SISTER のギタリスト、リハーサルでもおんなじソロしか弾いてなかったぜ!」 と笑い飛ばしてました。まあ、アドリブ系では無く構築系のギタリストと言っておきましょう、きっと・・。

ロニーがギター・ソロの一番最初のとこを弾いたクレイグ・ゴールディに対して 「連続するギター・ソロの一番最初の所が一番難しいんだが、その困難な所をクレイグが見事にプレイしてくれた。」 と絶賛してました。しかし、この頃はロニーとヴィヴィアンの関係が非常に微妙な時期であり、複雑な人間関係が交錯する中、のちにギタリスト交代の伏線になったのでは? と思わず勘繰ってしまいます。

また、唯我独尊のイングウェイに対して、ロニーが参加したミュージシャン達に 「イングウェイは嫌な奴だ。」 とふれ回ってたらしいとの話が。 (おいおい)

個人的に本作のハイライトは、参加ミュージシャンら全員が並び 「うぃ、あ、すた〜ぁ」 のサビを歌う所で、映像で確認すると、いわゆる最前列のセンターにピンクのジャケットを着たケヴィン・ダブロウが陣取っており、奴の出たがりの性格が見え見えで思わず苦笑。

さらに当時のL.A METAL 勃発時の中、飛ぶ鳥を落とす勢いであったもMOTLEY CRUE のヴィンス・ニールが真っ白なジャケットで着飾って最前列をキープ。これはソロ・ヴォーカル・パートを与えられなかった事に対して、せめて目立って帰ってやろうという魂胆なのかよく分かりませんが、個々のミュージシャンらの野心が所々で見え隠れしてるようで非常に面白いですね。

だって、集合写真の際には後ろの方に居たはずのブラッキー・ローレス (W.A.S.P.) なんか、サビを歌ってる所を録ってる最中に、いつの間にか最前列のケヴィンの横に現れたかと思うと、一人だけカメラ目線でポーズまでとって歌ってるし。 (爆笑)

最後にはケヴィンを肩車なんかしちゃって。う〜ん、計算高い!

他にも、頭の血管がブチ切れそうな勢いでシャウトしてるロブ・ハルフォードや、HR/HM らしくないセンスの悪い柄のスーツを着ているせいで何故か目立ってるフランキー・バネリーもかなり面白いのですが、最後尾で髪を振り乱しながら歌っている2匹の狂獣 (笑) クリス・ホームズとテッド・ニュージェントが最高にインパクトがあります!

本曲 "Stars" の他には、ACCEPT、MOTORHEAD、KISS、SCORPIONS らの既発表曲のライヴ・ヴァージョン等が収録されてます。KISS のポール・スタンレーはこのプロジェクトに対して 「二流のBAND AID だ!」 と後に非難してましたが、しっかり彼らの曲も収録されており、 「なんでやねん!」 と思わず突っ込みを入れたくなります。

チャリティという名の元に始まったこのHEAR 'N AID ですが、最終的に得た収益が何故か公表されなかった事や、本作品とDIO の新譜の発表時期が近かったなど、ネガティヴなミソがついたのも事実です。やはり、攻撃的かつ野心的な人間の多いHR/HM の世界では、こういったプロジェクトは難しいのでしょうか?
 


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HEAR 'N AID (1986)

@Stars
AUp to the Limit / ACCEPT
BOn the Road / MOTORHEAD
CDistant early Warning / RUSH
DHeaven's on Fire / KISS
ECan You See Me / JIMI HENDRIX
FHungry for Heaven / DIO
GGo for the Throat / Y&T
HThe Zoo / SCORPIONS


歴史的インパクト ★★★ 個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 いろんな意味で楽しんで下さい!


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posted by ハムバッカー at 01:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする