2011年05月29日

突然変異とも言える両者の奇跡の融合 BLACKFOOT

この合体に 「こりゃミスマッチ、ダメだ。」 と感じた人がほとんどじゃなかったでしょうか。

82年にアメリカン・サザン・ハード・ロックの雄、BLACKFOOT になんとURIAH HEEP の頭脳とも言われたキーボード奏者、ケン・ヘンズレーが加入したのには驚きました。

アルバムを発表するごとにどんどんアメリカナイズなサウンドに移行し、落ちぶれていったURIAH HEEP の全責任を一人で負わされてて脱退 (首?) したケンが何故サザン・ロックなの ? と思いましたが、当時イギリスで絶大的な人気を誇っていたのにもかかわらず、本国アメリカでは伸び悩んでいたBLACKFOOT がバンド飛躍の突破口としてキーボード奏者を加入させようと目論んでいた事が理由らしいのです。

しかし、加入させようとしていたキーボード奏者の第一候補はなんと、ジョン・ロード ! でもWHITESNAKE に加入してた彼にはあっさり断られ、 (そりゃそうだ。) 第二候補としてHEEP を脱退してフリーだったケンに白羽の矢が立ったそうです。

当時ケンは金銭的にもかなり行き詰った状態で、仕方なく加入したのが真相の様ですが ‥。

そして加入後83年に発表された 「SIOGO」 は、そのミスマッチの不安を宇宙の彼方まで吹き飛ばす程の素晴らしい作品に仕上がっており、私達の度肝を見事に抜いてくれました。嬉しい誤算とはこういうことじゃないでしょうか。

ケンの重厚なキーボードから始まるアルバムトップの@は、これぞBLACKFOOT とも言える荒々しくも男臭いサザン・ロックとURIAH HEEP 譲りのブリティッシュ・テイストの良さがが互いに殺し合うこと無く、1+1が3以上に昇華した本作を代表する名曲となりました。哀愁潤うリック・メドロックのヴォーカルがたまりません。
1st.2nd.がHEEP の最高傑作だと自負する私にとっては 「これ、このサウンドだよ!」 と思わず膝を叩いてしまいますよ。

ザクザクしたギター・リフにハッとさせられるCも迫力満点で、サビの 「I Don't Need〜」 ってところは思わず口ずさんでしまうし、リリカルなキーボードとツイン・リードのハモリが大活躍のマイナー・キーながらもポップなDも出色の出来です。心地良い疾走感にニンマリのラストIまで聴いて、も〜、お腹いっぱいです。
RAINBOW がカヴァーしたラス・バラードの " Since You Been Gone " にそっくりのEには、ちょっと笑ってしまいますが。

本作は全米チャートで30位近辺まで登りましたが、次作 「VERTICAL SMILES」 を84年に発表後、結局ケンはバンドを脱退。残念ながらBLACKFOOT はリック・メドロックのソロと化してしまいました。

元々音楽性に惹かれて加入した訳ではなかったから、長続きしなかったのは仕方ないとは思います。しかし、この突然変異とも言える両者の奇跡の融合はこの名盤を産み落としました。サザン・ロックというハードルを軽く越えたこのブリティッシュ・サウンド寄りの本作は、飯を三食抜いても聴くべきじゃ!



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SIOGO / BLACKFOOT (1983)

@Send Me An Angel
ACrossfire
BHeart's Grown Cold
CWe're Goin' Down
DTeenage Idol
EGoin' in Circles 
FRun for Cover
GWhite Man's Land
HSail Away
IDrivin' Fool


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 こりゃサザン・ロックじゃないよ、ブリティッシュ・ハードだ!


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posted by ハムバッカー at 16:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月21日

でも、この象の絵をよーく見てみると JON LORD

バンドに在籍しながらソロ・アルバムを発表する定義には、自分が思い描いた音楽にチャレンジしたい前向きな理由や、バンド内で自分の意見があまり反映されない事への反発が理由となる事があります。

ブルース・ベースのHR が持ち味のWHITESNAKE 在籍中の82年に発表したソロ4作目 「BEFORE I FORGET」 を発表したのは、明らかに後者の理由が当てはまると思います。しかし今までのクラシック・シンフォニー中心のソロ作だったのに対してかなりHR 寄りのサウンドで固めた本作は、ゲストに当時の白蛇の盟友バーニー・マースデン、イアン・ペイス、ニール・マーレイ。さらにドラマーにコージー・パウエル、サイモン・フィリップス。BAD COMPANY のサイモン・カーク、ミック・ラルフス、ボズ・バレル。PAICE ASHTON LORD のトニー・アシュトンら、彼のブリティッシュ人脈をフルに生かした豪華さに期待ワクワク。

冒頭の@は、バーニー・マースデンがヴォーカルをとる何てことない普通のブリティッシュ・ロックでちょっと拍子抜けですが、最もHR サウンド寄りのインストAは 「いったい誰のソロ・アルバムなの?」 と思える程 (笑) ハリキリ・ボーイ、コージー・パウエルの強烈なドラミングがフューチャーされており、ジョンのハモンドが見事に喰われてます。でも楽曲自体は英国特有の重厚な雰囲気を持ち、凄くカッコいいですよ。

イギリスでシングル・カットもされたCはバッハの 「トッカータとフーガ ニ短調」 がベースとなる本アルバムのハイライト的ナンバーで、ライヴでのソロ・タイムにおける彼のインター・プレイがたっぷりと堪能出来る大作。Aのコージーと比べて、本曲ではサイモン・フィリップスのシャープなドラミングが印象的。

シンプルなピアノ・ソロを奏でるタイトル・トラックのDや、別れた家族らを想う気持ちが込められた物哀しいFは、クラシックに精通したジョンならではの壮厳なインスト、美し〜い。

ヴィッキー・ブラウンなる女性ヴォーカルをフューチャーしたバラードのEや、エルマー・ジェントリーの渋いヴォーカルが味わい深いGなどもありますが、本作では歌入りの楽曲よりインストのほうが圧倒的な存在感を放っており、まさにジョンの面目躍如とも言える内容です。とにかく彼の操るハモンド・サウンドが古いと言われようが、暖かみのある素晴らしくナイスな音色である事には間違い無いのです!

DEEP PURPLE 時代にリッチー・ブラックモアが 「ジョンは曲のアイディアを全く持ってこない、ただ自分のキーボードのパートを弾くだけ。」 と愚痴をこぼしてましが、本作の充実度を考えるとリッチーの言葉があながち本当だとは思えません。まあ、リッチーくらいのミュージシャンになかなか物申せる人間もあまりいないでしょうし。

真っ赤なバック・ドロップに、何故が鼻がコマ結びされた象の絵が妙な存在感を醸し出すジャケットが印象的。でも、この象の絵をよーく見てみると、不思議とジョンの顔ソックリに見えるんですが。 (笑) どう?



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BEFORE I FORGET / JON LORD (1985)

@Chance on a Feeling
ATender Babes
BHollywood Rock and Roll
CBach Onto This
DBefore I Forget
ESay It's All Right
FBurntwood
GWhere Are You


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 ハモンドの音色は最高じゃ!


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posted by ハムバッカー at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月05日

初期北欧メタルとLAメタルが程好くミックスされた SPELLBOUND

" Seven Doors Hotel " 擁するEUROPE を筆頭に、我が愛すべき初期北欧メタル・バンドらの作品は、その透明感溢れるサウンドに哀愁を帯びたメロディやDEEP PURPLE らを師と仰ぐ様式美的なテクニカルさを兼ね備えてました。

これとは全く逆に、欧米へのサウンドにベクトルを向けていたHANOI ROCKS、ALIEN などのバンドもありますが、初期北欧メタル独特の哀愁美とLAメタル的なサウンドが程良くミックスされた極上のサウンドをもったバンドのパイオニアといえば、今回紹介するSPELLBOUND じゃないでしょうか。

元々キャリア組が集結して結成されたバンドだけに、83年の結成後わずか1年程度でレコード・ディールを獲得。 (あのEUROPE を発掘したsonet レーベル) そして84年には早くもデビュー・アルバム 「BREAKING THE SPELL」 を発表、LAメタル風のファッションに身を包んだ姿は北欧出身のバンドとはちょっと思えない雰囲気。

実はメンバーら皆北欧独特のサウンドには全く興味が無いらしく、良い意味でアメリカナイズされたサウンドを目指してるんですが、やはりどうしても抜けきらない北欧のウエットな雰囲気が楽曲のそこいらに顔を出しており、それが良い意味で彼らのサウンド・クオリティを個性的なものにしてるんですよ。

女たらし、誘惑者の意味を持つタイトルながら神秘的かつ壮大な序章インストの@に続いて、冒頭からツイン・リードのチョーキングが冴えるAへの流れには悶絶。もうここまで聴いてすっかりヤラレちゃいました。ハンス・フレベリのヴォーカルはハスキーかつワイルドながらもそれ程耳障りには聴こえず、キャッチャーな歌メロを器用に歌いこなしてます。

同じく北欧のバンドであるPROUD と並んで彼らのメロディ・ラインも異常にポップで、BEIのサビを聴くと私の大好きな甘くも哀愁美溢れるメロディがジョワっとほとばしり、それをハードなサウンドで包み込んだ独自のスタイルは唯一無比の存在と言えるんじゃないでしょうか?

疾走系のCもなかなか心地良く、サビの 「Crack Up!」 ってところは思わず一緒に叫んじゃいますし。 (笑)

しかしこれだけの作品を作り上げたにも拘らず、あのスウェーデンの悪しき徴兵制度により思う様なプロモーション活動が出来ず、さらにEUROPE の世界的ブレイクを横目に、ほぼすべての北欧バンドが影響を受けたのと同様、よりポップなサウンドへ大幅に移行し、メンバーの脱退も重なって89年には残念ながら解散の憂き目にあいます。

その後ギタリストのJ.J マーシュはあのGOD OF VOICE、グレン・ヒューズの右腕としてシーンに見事復帰、現在も元気な姿を見せてます。ヴォーカルのハンス・フレベリはSOLID BLUE を90年前半に結成、SPELLBOUND とはまた違ったAOR なサウンドの作品を数枚発表した模様。

この北欧サウンドのようで一味違うアルバム、一聴の価値がありまっせ!



bs01.jpg


BREAKING THE SPELL / SPELLBOUND (1984)

@Seducer
ALove Taker
BBurning Love
CCrack Up the Sky
DHooked on Metal
ERaise the Roof
FPassion Kills
GLoud & Dirty
HPiece of My Heart
IRock the Nation


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 アメリカでブレイクする器があったかも?


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posted by ハムバッカー at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする