2011年03月31日

腐っても鯛、弱ってもUFO UFO

UFO のライヴ・アルバムといえば、マイカル・シェンカー在籍時の 「STRANGERS IN THE NIGHT」 が超有名ですが、本作を挟んで前後に発売されているライヴ・アルバムは、共に日本で収録された作品なのはご存知でしょうか?

デビュー時からずっと日本と蜜月関係にあったUFO が92年に発表した 「LIGHTS OUT IN TOKYO - LIVE 」 はその東京と付くタイトルに反して、同年6月20日の川崎クラブ・チッタ公演が (笑) 収録されており、熱のこもった演奏を聴くことが出来ます。

一時期はアルコール依存症から声が出なくなり、引退寸前だったフィル・モグがピート・ウェイと劇的な再合体。そして注目のギタリストの座についたのは、なんとローレンス・アーチャー。

この人、STANPEDE というUFO そっくりの音楽性を披露していたバンドのギタリストで、その他WILD HORSES やフィル・ライノットのGRAND SLAM など、イマイチ知名度の低い位置に準じるバンドに在籍していた印象しかありません。確か、彼が出したソロ・アルバムも 「お前ギタリストかよ?」 と叫んでしまう程のAOR 寄りのサウンドに、ガックリと肩を落とした記憶がありますし。

さらに、本作より一足先に発表されたスタジオ盤 「HIGH STAKES & DANGEROUS MEN」 も良く言えばブルージー、正直に言うとモッタリとした雰囲気からなる少々退屈な作品だったので、あまり期待はしてなかったのですが ‥ 。

新旧取り混ぜたセット・リストは非常に起伏に富んだ魅力的な楽曲が並べられており、前作からの@ACEFはスタジオ・ヴァージョンを遥かに凌ぐ出来の良さに思わずニンマリ。特にアリス・クーパーの 「I'm Eighteen」 にちょっと似てるEの重厚なノリや、スタジオ・ヴァージョンより疾走感が二割増しの@なんかはカッコ良く、過去の名曲らと遜色無く聴こえると言うのはちょっと誉めすぎかな?

往年の名曲JKもイントロから意外に面白いアレンジが施されて、ローレンス・アーチャーもノリノリで弾きまくってます。マイケル・シェンカーというより、ポール・チャップマンのほうに少々似ている感じがするのですが、彼ってこんなに弾けたんだと痛感。フィルの声も驚くほど伸びやかですし。

腐っても鯛、弱ってもUFO ですね。ライヴに関しては。 (笑)

そしてなんと言っても日本のオーディエンスの熱いノリや、バンドに対する温かさが感じ取れますし、それに応じて力のこもった演奏を繰り広げるバンド。う〜ん、美しい相乗効果だ。

ラスト・ナンバーのMは御存知、エディ・コクランのカヴァー。日本で最初にヒットしたUFO のナンバーで、彼らも何十年ぶりに演奏したとの事。エンディングの近くで同じくエディ・コクランの 「Summertime Blues」 のリフをちょっと挟み込んでる所が心憎いじゃありませんか。

このMのヒットしか無かった74年のUFO 初来日公演時に、赤坂のディスコで同時期に来日していたLED ZEPPELIN のジミー・ペイジとジョン・ボーナムに偶然出会い、UFO のメンバーは思わずサインをして貰ったという (爆笑) のは有名な話で、その後の大阪公演でZEPP がこのMを突然演奏したとの凄い逸話も残ってます。

まあ、個人的にフィル・モグのヴォーカルは大好きですし、彼自身がUFO だと断言しても良いでしょう。今なおしぶとく現役で頑張るUFO を今後も温かく見続けていきたいです。



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LIGHTS OUT IN TOKYO - LIVE / UFO (1992)

@Running Up the Highway
ABorderline
BToo Hot to Hnadle
CShe's the One
DCherry
EBack Door Man
FOne of Those Nights
GLove to Love
HOnly You Can Rock Me
ILights Out
JDoctor,Doctor
KRock Bottom
LShoot,Shoot
MC'mon Everybody


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 生粋のブリティッシュ・サウンドって、やっぱりイイですね〜。


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2011年03月20日

何事をするのにもまず己を知る事が大事 BLUE BLUD

何事をするのにもまず己を知る事が大事なのですが、NWOBHM 以降のイギリス勢の凋落さは目を覆うばかりであまりにも悲しすぎます。

アメリカで巻き起こったLAメタルのムーヴメント、空前の成功を収めたBON JOVI を筆頭に、MOTLEY CRUE、RATT などのアメリカ勢と、DEF LEPPARD、WHITESNAKE の一部のイギリス勢らに習って、多くのバンドが次々とアメリカン・マーケットを目指して音楽性までも変えていきました。

NWOBHM 時代にシングルを数枚発表しただけで消えていった幻のバンド、TRESPASS に在籍していたマーク&ポール・サトクリフ兄弟とデイヴ・クロウトが中心となって88年に結成されたBLUE BLUD もそういった類いのバンドで、SHY やTOBURK と同様、アメリカンな武装を施してのデビュー・アルバム 「THE BIG NOISE」 を89年に発表します。

前出の2バンドほど、きらきらとしたキーボード・サウンドに彩られているわけではなく、どちらかと言うと霧のかかったような英国独特の湿り気が抜けきらない何とも不思議なサウンドなんですが、「1・2・3・4 !」 と元気良い掛け声に始まる@を聴くとまるでBON JOVI のような雰囲気に思わずひっくり返ってしまいます。 (笑)

そしてフィル・ケインのヴォーカルがこれまたジョン・ボン・ジョヴィに泣けるほどそっくりで、正直どの曲を聴いてもなんだかな〜という感じが拭えません。
泣きのイントロが渋い、北欧っぽいメロディのHなんかは割とカッコいいんですが‥。

ヴォーカルの音域の狭さや、ミディアム・テンポばかりの、のっぺりとした楽曲が多いのも少々辛いなー。絶対的な個性を確立するには至ってません。

DEF LEPPARD を除いて、この頃の英国の新人バンドはアメリカでは全くお呼びじゃなかったんですよ、結局。

どうせ散るなら、野武士のように自分達の信念を守りながらアメリカにぶつかってった方が美しかったんじゃないでしょうか。

実際、JUDAS PREIST、IRON MAIDEN はそういった方法論でファンを開拓していき、最終的にブレイクしましたし。PRAYING MANTIS 風の叙情性を持ったTRESPASS の頃は結構好きだったんですが。

でも本作、巷では幻のメロディアス・ハード名盤として人気が高いそうです。
幻の名盤ってのも、結構怪しい言い回しですね。 (爆笑)



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THE BIG NOISE / BLUE BLUD (1989)

@One More Night
ARunning Back
BDon't Turn Out the Light
CLove Grows Wild
DNever Rains in England
ESecret Lover
FMy Idea of Heaven
GI Can't Wait
HNight Time City
IRoad to Ruin


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン
 ★★ レア度 ★★
雷イチおしポイント雷 似合わない服を着ても、やっぱ似合わない?


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posted by ハムバッカー at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

エディの熱き野望が大英断を決意 FASTWAY

レミーとの大喧嘩の末にMOTORHEAD を脱退したギタリスト、エディ・ファスト・クラークが82年に結成した新バンドは、その名の通り彼の名と新たな相棒となった元UFO のベーシスト、ピート・ウェイ双方の名前を取ってFASTWAY と命名されました。 (ファスト+ウェイね)

しかし、アルバム・デビューの前になんとピート・ウェイがバンドを早々に脱退。レコード・ディールもあった為、そのままのバンド名で活動を続けることに。(ガハハ〜) かなり間抜けですが、GUNS N' ROSES なんかと同じパターンですね。

そのFASTWAY、ロバート・プラント張りの歌声を聴かせる若きヴォーカリスト、デイヴ・キングを主軸にブルージーかつZEP を彷彿させる正統派サウンドの1st.2nd.を発表しますが、思うようなセールスが上がらずバンド内には不穏な空気が流れます。

レコード会社からのプレッシャーもあったのでしょうか、エディ・デイヴ以外のメンバーを一新、音楽性までも刷新して発表された3rd.「WAITING FOR THE ROAR」 は、キーボード主体の衝撃的なサウンド、大仰なオーケストラの導入など、私を含めたそれまでのファンが 「えっ!」 と固唾を呑みました。

しかもリーダーのはずのエディ、今回は曲作りに全く参加してません。 (!) プロデューサーのテリー・マニングとデイヴ・キング、そして新加入のデイヴのアイルランド時代の友人3人で書かれた曲は、ハード・ポップと呼ぶに相応しいものばかり。

MOTORHEAD 在籍時はアルバム・チャートNo.1を獲得するなど、本国イギリスである程度の成功は収めたが、アメリカでのブレイクは見果てぬ夢となってました。そのアメリカでの成功を喉から手が出る程欲してたエディの熱き野望と、レコード会社の思惑が今回の大英断を決意させたんでしょう。

ただ、今までの彼らの対極に当たる妙にポップなサウンドは、個人的にどうもしっくりときません。初期北欧メタルのテイストを匂わせる@は悪くはないですし、シャッフルのHやシャープなサビを持つIなんかは、違うミックスで録れば代表曲の仲間入りをしたかもしれない佳曲ですが。

やっぱ、ジャニス・ジョプリンの超有名曲のカヴァーDやうねりまくるFなんかは、70年代のあの熱き空気と80年代のモダンなサウンドが融合されてて聴き応えも十分、この路線でガツンと突き進めばアメリカ成功への突破口が開けたんじゃないか思います。その証拠に2年後の88年には、KINGDOM COME を筆頭にZEP クローンのバンドが一世を風靡しましたし、時代がちょっと早すぎたのか?

でも本作発表当時は全くといっていい程、話題にならなかった事実は悲しい‥。

でも、エディのブルージーかつ粘りのあるギター・プレイに、何故か惹かれるんですよ〜。私は。



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WAITING FOR THE ROAR / FASTWAY (1986)

@The World Waits for You
AKill Me with Your Heart
BTired of Your Love
CChange
DMove Over
ELittle by Little
FRock On
GWaiting for the Roar
HGirl
IBack Door Man


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 エディはやっぱ、MOTORHEADが一番イイね


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posted by ハムバッカー at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月02日

いいんです、名曲が1曲あれば SAGA

カナダのプログレ・ハード・ロック代表と言えば、RUSH、TRIUMPH などが挙げられますか、欧米の人気とは裏腹に、どちらも日本での知名度はかなり低め。

その知名度よりもさらに低い (失礼) 位置につけるバンドが、今回紹介するSAGA なんです。

カナダという国は、元々フランス領〜イギリス領を経て1867年に国が成立したいきさつがあり、また位置付けもアメリカ合衆国の隣国ということもあってか、非常に多文化が入り組んでるイメージがあります。そのためか国民性も非常におおらかでのんびりしてるらしく、ANVIL やHELIX よりLOVERBOY、Bryan Adamsなんかが有名なのがわかるような気がします。

そのイメージに、このSAGA もぴったりと当てはまってしまうのはなんとも言えませんが‥。

最初に彼らの音を聴いたのが85年に発表された7作目の 「BEHAVIOUR」 なのがまずかった。彼らの発表した作品中、かなりのソフトなサウンドで、AOR よりもヒーリング・ミュージックに近い (?) 楽曲が並んだアルバムは、血気盛んな若き頃の私にとって睡魔を催すだけの退屈な物でしかありませんでした。

その後、メンバーが2人抜けて暫くの間日本では音沙汰が全く無しの状態だったバンドが、93年にオリジナル・メンバーが復活してのリユニオン作 「THE SECURITY OF ILLUSION」 を発表したという記事をたまたまどっかで読み、その変なバンド名を覚えていた私はなんとなく聴いてみようかな、と思ったのです。

コンセプト・アルバムとの触れ込みにちょっとワクワクしたんですが、アルバム・カヴァーのダサさに思わず絶句! まあ、このバンドのアルバム・ジャケット全般に言えるんですが、なんかピカソの絵みたくセンスが良いのか悪いのかよく分からない物が多く、それで聴くのに二の足を踏むリスナーも多いんじゃないんでしょうか?

まずQUEEN を思わせる遊園地のSE@に導かれて始まったAのギターの分厚さにはビックリ。 「これ、これだよ」 と思わずニンマリしてしまうサウンド・アプローチは大正解。スペイシーなキーボードのイントロから始まるBも、物悲しいサビのメロディはまさにSAGA の真骨頂。
またHのクラシカルなイントロからI辺りは往年のプログレッシヴ的展開と各パートのスリリングな演奏に思わず絶句。

ただ正直言って中には退屈な曲もけっこうありましたが、しかし、クライマックスは最後に待っていたのです。

ラストを飾るJはイントロの重いリズムにおっ!と驚かされ、ソフトなAメロで気分を和ませてから一転、サビでは強力な哀愁を解き放つメロディにもうメロメロ、効果的に切り込んでくるギターも緊迫感溢れてて、これだけでご飯三杯はいけるでしょう。(笑)

80年代初頭の北欧系とか、オランダ産のHELLOISE 辺りを彷彿させる見事な哀愁美と気品溢れるサウンドに、この曲を93年のHR/HMベスト・ソングと断言しちゃいます。この曲を聴くために本作を買うだけの価値は十分あると個人的には思います。

いいんです、名曲が1曲あれば。全曲クズのアルバムなんて、世の中にワンサカありますから。(笑)



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THE SECURITY OF ILLUSION / SAGA (1993)

@Entracte
AMind Over Matter
BOnce is Never Enough
CAlone Again Tonight
DI'll Leave it in Your Hands
EThe Security of Illusion
FStand Up
GDays Like These
HVoila!
INo Man's Land
JWithout You


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
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