2010年08月29日

生身の男女の体に銅像風の色を塗って BLACK SABBATH

知名度、セールス面を含めてBLACK SABBATH とはオジー〜ロニー期までしか認めないとぞ!言うファンが非常に多いのには今もって全く閉口すしますよ、私は。

元々ソロ・アルバムとして発表されるはずだった 「SEVENTH STAR」 はその後の様式美サバスを方向付ける英国的な作品で、本作の出来に満足したのかそれからの3作はいわゆるSABBATH の様式美三部作と呼ばれ、それぞれが非常に高い完成度を持っています。

その一発目となる 「ETERNAL IDOL」 は制作当初物凄くゴタゴタした経緯があり、レコーディングの最中にヴォーカルのレイ・ギランとベースのデイヴ・スピッツがプロデューサーと対立して脱退 (ギャランティの問題との噂もあり) 続いてドラマーのエリック・シンガーも自らのトラックを取り終えた後に脱退、さらにジェフ・グリックスマンが薬物による自らの健康問題の為にプロデューサーを降板するというレコーディング前と後ではメンバー以下製作者が半分以上違う顔ぶれとなった異常事態となりました。

しかし、本作そんなトラブルを微塵も感じさせない名盤に仕上がっており、@のイントロはあの名曲 "Heaven and Hell" を彷彿させる妖しさと美しさを持った名曲で、PV もなかなか綺麗なオネーちゃんが登場するゴシック調のカッコ良さに涙・涙。

新加入のヴォーカル、トニー・マーティンは見た目がイマイチながらも (笑) ロニー・ジェイムズ・ディオに似た唱法で見事な歌いっぷりを披露。なんでもレイ・ギランのヴォーカルのほぼ完パケが既に録音されてあったらしく、そのトラックを聴きながら全く同じ様に歌ったみたいで、あのレイのハイトーンを見事にコピーできる実力はタダ者ではありません。

個人的にレイのカン高いだけのヴォーカルはあまり好きではなかったので、トニーの加入は大正解です。レイのヴォーカル・トラックでの本作のブートを聴いた事があるんですが、なんか雰囲気が全然違いましたし。

CDGの力強くも切ないメロディはRAINBOW を思わせる雰囲気で感服しますし、Fのインストも実にいい味を出してます。そしてラストを飾るタイトル・トラックのHも実にスローかつ甘美な名曲で、全体的に非の打ち所が見当たりませんよ、様式美ファン必聴じゃ〜。

前作にて別れたギーザー・バトラーがいないと、SABBATH の音楽性ってトニー・アイオミの音楽センス、即ち正統派ブリティッシュへの傾倒が意外な程モロに出るのは非常に興味深いですね。

アルバム・ジャケットも実にゴシック調で美しいんですが、何とこのジャケットの男女は石膏の銅像に見えますが、本当は生身の男女の体に銅像風の色を塗って撮影したとの事。 (凄っ!)

本作発表後、VIRGINA WOLF やCLASH (!?) のメンバーを加入させてツアーに出ますが、様々なトラブルに巻き込まれてもはやバンドは死に体状態、その後、起死回生を狙って様式美必須のMy Favolite ドラマーが加入します・・。



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THE ETERNAL IDOL / BLACK SABBATH (1987)

@The Shining
AAncient Warrior
BHard Life to Love
CGlory Ride
DBorn to Lose
ENightmare
FScarlet Pimpernel
GLost Forever
HEternal Idol


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 
雷イチ押しポイント雷 美しい純英国正統派様式美ハード・ロックの傑作だ!どう?


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posted by ハムバッカー at 01:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月22日

LOU REEDのカヴァーをアルバムのトップに持っていく感覚 TRASH

80年代北欧のHR/HM バンドと言えば、EUROPE、SILVER MOUNTAIN を始めとした様式美タイプのバンドがメイン・ストリームでしたが、その中でTRASH は異彩を放っていた風変わりな存在で、私の思い出深いバンドの一つです。

音楽性はハードなR&R です。しかしアメリカ・サイドの能天気なストリートR&R じゃなく、何かNY 辺りの冷たさと凶暴さを兼ね備えたサウンドで、シンプルながらもソリッドなサウンドには 「おっ」 と思わせます。

その証拠に、@からなんと、LOU REED の 「TRANSFORMER」 収録曲をカヴァーしており、その退廃的な雰囲気は息を呑む程カッコイイ!
北欧出身でこの頃にアメリカのパンク / グラム寄りのLOU REED のカヴァーを、しかもアルバムのトップに持ってくる感覚 (勇気?) はちょっと普通じゃ考えられません。

Aでは一転、小気味良くグイグイと引っ張られる単音のリフにドライヴされながら吐き捨てられる殺伐なヴォーカルがこれまたカッコイイんですよ。

Bのタイトル・トラックを聴けば顕著ですが、ヴォーカリストのトニー・ロイ・テイラーの声は甲高いながらも非常に張りのある独特なしゃがれ声で、同様のヴォーカル・スタイルを持つヴォーカリストがちょっと思い浮かびません。Fの気だるい感じのセクシーな歌声も最高!

ラストのHも 「今夜はもう、ロックはいらね〜」 と高らかに叫び、後半のライヴを意識したバックがドラムだけになる所なんて、なかなかよく考えてますよ、彼らは。

これだけクールかつ素晴らしい作品を作り出した結果、セカンドはなんとあのメジャーのATLANTIC よりマックス・ノーマンのプロデュースで発表。確かアメリカ等ワールド・ワイドで発売されたと思いましたが、セールス的には惨敗。 (悲) シンプルながらも部分的にシンセを導入した意欲作で、なかなかカッコイイ作品だったんですが。

そしてサードはお蔵入りとなって結局バンドは解散。GUNS らストリートR&R が大挙デビューした87年位まで持ち堪えてれば、結構イイ線いったんじゃないかと思わせます、惜しいな〜。
HANOI ROCK なんて目じゃない程、期待してたんですが、実は。



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WATCH OUT / TRASH (1983)

@Vicious
ABorn to Be on the Top
BWatch Out
CName of the Game
DBombaY-Mail
EWe Gonna Get Foxes
FDrop and Die
GHigh-Speed
HNo More Rock Tonight


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 国内未発売
雷イチ押しポイント雷 北欧出身でこんな退廃的な音が出るのか不思議


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posted by ハムバッカー at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月13日

大人の階段登る、背伸びしたい年頃 RAIL

このRAIL というバンドは知名度があまり無いながらも、私にとって非常に記憶に残っている不思議なバンドです。

デビュー・アルバム発表後、MTV かなんかのコンテストでメジャー・デビューが決まり、84年に本作の12inchEP が発表されましたが、私が最初に聴いたのがこの作品なんですよ。

グラフィック風のジャケ (今改めて見るとかなりダサいが) が印象的で、何気なしにレンタル・レコード店で借りたんですが、これが聴いてみたら大当たり!たった4曲なのに、この出来栄えは何?という感じです。

@は確かGIRLSCHOOL もカヴァーしたノリノリのポップな曲。(オリジナルが誰か判らん、知ってる人教えて) サビに合わせて思わず、 「ワーン・トゥー・スリー・フォー」 と思わず叫んでしまうこと間違い無し。

当時バンド活動に勤しんでた高校生の私が、「この曲をコピーしようぜ」とメンバーに聴かせたところ、 「なんだ、この曲。ダッセいな」 とメンバー全員に見事に却下された悲しき思い出があります。 (笑)
ちょうど大人の階段登る (?) 背伸びしたい年頃だったので、当時は皆RAINBOW とかMSG など、ちょっとクールでテクニカルなサウンドをコピーしたがりました。確かに判りますが。

その@と打って変わってAは私の琴線をビンビンと刺激するマイナー・メロディが炸裂する名曲。イントロのギターの泣きっぷりと哀愁を帯びたサビのメロディには思わずニンマリ。
テリー・ジェイムズ・ヤングの歌声は個性的で、非常に細く、ちょっとどこか抜けた様にフワフワとしており、こんな哀しげなサウンドに不思議とピッタリ合うんですよ。
このちょっと風変わりな歌声が、彼らをゴリゴリのHR/HM サウンドからうまく分離させてる要因になってたんじゃないでしょうか。

4曲中一番ヘヴィなBもサビの掛け合いのコーラスが印象的で、ギターも結構頑張って弾きまくってます。そして最後を締めくくるメジャー・キーのポップCもなかなか。

後から知ったんですが、NIGHT RANGER の初期の名作を手掛けたパット・グラッサーが本作をプロデュースをしていて納得。どうりでアメリカン・ハード・ポップの王道を行くサウンドに仕上がってるわけだ。でも、どっちかって言えばNIGHT RANGER よりAUTOGRAPH のほうに雰囲気は近いかな?

こんな素晴らしいミニ・アルバムにも拘らず、私のまわりでは (いや、日本では) 全く話題にならなかったのが今でも凄く不思議です。

先日、本作とサード・アルバムがカップリングされた14曲入り輸入CD を入手し超感激。しかし、この4曲の印象が強いせいなのか、いつも4曲目までしか聴けません。結局サード・アルバムはイマイチなんだろうな、私の中では。(汗)



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RAIL / RAIL (1984)

@1-2-3-4 (Rock 'n' Roll)
AFantasy
BYou've Got to Give
CHard Girl to Love


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 国内未発売(LPのみ)
雷イチ押しポイント雷 まあ、騙されたと思って聴いてみて下さいな、皆さん


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posted by ハムバッカー at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月07日

誰だ、日本語訳したのは? TANK

MOTORHEAD の弟分としてデビューした大酒飲み集団、TANK の最高傑作は84年発表の 「HONOUR AND BLOOD」 であることは周知の事実です。

だが、これからという時に所属レコード会社のBronze がなんと倒産。彼らは約2年間の間、契約上の関係からアルバム制作はおろか活動もままならない状況に追い込まれます。

その間、リーダーのアルジー・ワードはWARFARE やBULLDOZER らの怪物バンド(笑)のプロデュースなどで食い繋ぎ、次のチャンスをじっと待ってました。

マネージメントが設立したレーベル、GWR に無事籍を移して87年に発表された5作目 「TANK」 はその鬱憤を晴らすかのごとく、彼ららしいサウンドをバシッと叩きつけてきました。

まずドイツ国旗と同じ配色のシンプルなジャケットに 「おっ」 と驚かせられます。アルバム・タイトルにバンド名を持ってきたのも、これは勝負作だぞ!との意気込みがひしひしと伝わってきますし。

彼らの代名詞と言えるドラマティックかつ壮大なイントロダクションに導かれて狂おしく疾走する@は、まるで前作の1曲目 " The War Drugs Even On " を彷彿させるナンバーで、炸裂するリフの嵐や中間部のツイン・リードの美しさに 「これ、これだよ!」 と思わず膝を叩いてしまう素晴らしさ。

Aのタイトルは "三月の日本の子供達" と何故か日本語。戦争に送り込まれた若者に、「進め、行進しろ、ニッポンの若者よ」 と高らかに叫ぶ歌詞から推測すると原題 " March on, Sons of Nippon " の " March " は 「三月」 じゃなくて 「行進」 の意味じゃねーか?誰だ、日本語訳したのは!(ギャハハ〜)
「ジャパン」 じゃなくて 「ニッポン」 というのも泣かせますね。

その他、彼らが初めて挑戦したバラードEは、その退廃的かつ絶望的なサウンドに乗せて、愛する彼女を失った男の悲哀が切々と歌われていて思わず涙、涙。
隠し味程度のキーボード・サウンドも音の幅をグンと広げてますよ。

これ程の素晴らしい作品を発表したにも拘らず、NWOBHM の衰退に合わせて彼らも解散の道を歩みます‥。激しいサウンドの中に物哀しくも美しいメロディを持つ「これが英国だ」と言える貴重なバンドだっただけにとても残念です。

所属レーベルGWR も倒産、TANK が過去在籍したKamaflage、Bronze、GWR の全てのレーベルが倒産した事実を考えると、彼らは悲運のバンドだったんじゃないでしょうか。

しかし2002年に突如彼らは復活してアルバムを発表、私を含む少ない(?)マニアらを狂喜乱舞させました。

でもやっぱり (笑) 何も起こらずに中心人物のアルジー・ワードが遂に脱退、2008年になんとドゥギー・ホワイト (RAINBOW / Y.MALMSTEEN) が加入!私の度肝を抜きました。その音源はあるのか!是非聴きて〜っ。



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TANK / TANK (1987)

@Reign of Thuder
AMarch on, Sons of Nippon
BWith Your Life
CNone But the Brave
DThe Enemy Below
ELost
F(The Hell They Must) Suffer
GIt Fell from the Sky


歴史的インパクト 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 これが英国必殺のパワー・メタルじゃ!聴け


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posted by ハムバッカー at 00:42| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする