2010年04月25日

劣悪な音質を凌駕する北欧幻の名盤 PROUD

79年にホーヴァス兄弟によって結成されたPROUD は84年に唯一のアルバム「FIRE BREAKS THE DAWN」を発表しましたが、この作品は個人的に十指に入る北欧メタル名盤だと断言しちゃいます。

たった1枚のみ発表したアルバムのあまりの素晴らしさに、日本国内でCDの再発があるまで本作はウン万円もするかなりのレア盤扱いで、93年にCD化された際に私はそりゃもう狂喜乱舞しながら踊り狂いました。

とにかくこのバンド、NWOBHM の影響下に置かれた楽曲の雰囲気を持ってますが、BやGに代表される曲の展開がこんなのあり?と思う程意外な進行をする楽曲が多く、その印象的なリフや様式美的なギター・プレイと合わせて非常にドラマティックなサウンドが満載の作品にビックリ!

さらに初期北欧メタルのバンドの代名詞 (?) とも言えるちょっと頼りない感じのヴォーカルなんですが、このヴォーカルが歌うメロディ・ラインが非常に甘く切なくて、北欧独特の哀愁を帯びたなんとも愁いな雰囲気とほのかに暗いイメージが混ざり合った感じを醸し出しており、@のサビの部分やEの中間部の歌メロなんかは私のツボをズビッと突きまくります。

メジャー・レーベルながらプロモーション等が全く期待出来ないレコード会社 「EMI SWEDEN」 と契約した不運も手伝ってか、アルバムの音質は劣悪を極めたデモテープ並みのサウンド・クオリティですが、そんな酷い音質を凌駕する素晴らしい楽曲群には屈服しちゃいます。平均年齢20歳前後のメンバーばかりという事実からも将来を期待できるバンドだったと思うのですが。

たぶん北欧の多くのバンドと同じく、スウェーデンの悪しき徴兵制度の影響をモロに受けたんでしょう。そんな感じがします。多くの才能を持った若者の自由を奪うこの制度、とっても悲しい事です。平和ボケした日本ではまず考えられませんし。

こういった重みを感じながら初期北欧メタルの名盤を聴くってのも、たまにはいいんじゃないかなと思います・・。



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FIRE BREAKS THE DAWN / PROUD (1984)

@Star Fighter
AEchoes from the Past
BUnited World
CNo Losers
DFire Breaks the Dawn
EDark Lady Forest
FCrucified
GStar of the Masquerade


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 暗さと甘さとドラマティックさが混じったサウンドは唯我独尊。


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2010年04月23日

ジーン・シモンズがプロデュースしたアルバムは売れないという法則は KEEL

LA メタルでの知名度とセールスが反比例していたバンド、ロン・キール率いるKEEL はセカンド・アルバム同様、KISS のジーン・シモンズを再びプロデューサーに迎えて、サードにあたる 「THE FINAL FRONTIER」 を発表しました。

KEEL の魅力はそのアメリカン・メタル寄りの地を這う様な重低音に、ロン・キールのけたたましいシャウトが挙げられれますが、本作ではあえてその逆の方法論を強調した驚きのアプローチを駆使した音作りにビックリ。

@Aは前作と同様ヘヴィな楽曲が続きますが、BはあのMR.アメリカ、ブルース・スプリングスティーン作でニューヨーク・パンクの女王、パティ・スミスが78年発表のアルバム「EASTER」に収録した名曲であり、「夜は恋人達のもの」という物哀しい歌詞が切ないバラードをロン・キールが普通の声 (!) で歌っており、 「お、ちゃんと歌えるじゃん」 と当時思ったものです。

ロン・キールのヴォーカルといえば、スクリームが一番安定していて普通の声域が音痴という(笑)特異なヴォーカリストのイメージしかなかったですから。

スマッシュ・ヒットした美しいバラードGの歌いっぷりにも、彼の成長ぶりが窺えて驚き、驚き。 (この曲の美しいギター・ソロは何故かミッチ・ペリーが弾いてます)
THIN LIZZY のフィル・ライノットに捧げられたアコースティックの美しいインストHから疾走チューンのIへなだれ込む展開は、鳥肌モノのカッコよさですよ。

しかし、アルバムの楽曲の出来にばらつきが多いのが本作の最大の弱点であり、B〜Fの中間部を占める曲がイマイチなんですよ。特にFはパーティ・メタルのバンドに任せておけば良いような能天気な楽曲でKEEL がやるべきではありません。

本作でドカン! とブレイクすると思っていた私の希望に反して、驚く程セールスは振るわず、ジーン・シモンズがプロデュースしたアルバムは売れないという法則(笑)は見事に実証されちゃいました。 (悲)

EZO やW.O.W. などのプロデュース作品は、結構好きなんですが・・。

でもBは名曲でっせ、いつ聴いても泣けるぜ!



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THE FINAL FRONTIER / KEEL (1986)

@The Final Frontier
ARock and Roll Animal
BBecause the Night
CHere Today, Gone Tomorrow
DArm and a Leg
ERaise on Rock
FJust Another Girl
GTears of Fire
HNightfall
INo Pain No Gain


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 ロン・キールの歌が聴きどころです、嘘みたいですが


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2010年04月21日

ミュージシャン冥利に尽きるトリビュート作品 QUEEN TRIBUTE

TRIBUTE = 賞賛、感謝、尊敬、敬意。まあ、ざっとこんな意味でしょうか。

ハード・ロック・バンドのトリビュート作品は巷に山の様に溢れ、大物ミュージシャンへのトリビュート作品はほとんど出尽くしたとの感があります。作品が出ている事自体がそのバンドの人気、敬愛のバロメーターを計れるものだと思います。

純然たるHR/HM 系ではありませんが、永年に渡って数多くのリスナーを魅惑してきたQUEEN のトリビュート作品は数多く発売されてます。その中で一番のお薦めは、2001年に発表された 「STONE COLD QUEEN」 じゃないでしょうか。

本作はALICE COOPER、AEROSMITH、VAN HALEN、METALLICA、OZZY OSBOURNE、VAN HALEN などを発表したシリーズの1作であり、企画・プロデュースにHM 界のむき卵 (爆笑) ボブ・キューリックが全作に関与してます。

参加ミュージシャン数も30人以上と豪華共演であり、様々な解釈にてQUEEN の名曲を演奏。参加者はジョー・リン・ターナー、ジャック・ラッセル、キップ・ウインガー、トミー・ショウ、マーティ・フリードマン、ダグ・アルドリッジ、トニー・フランクリン、ジェフ・ピルソン、エリック・シンガー、デレク・シェリニアン、ああっ、全部触れると朝までかかるので (汗) ざっと掻い摘んで紹介しましょう!

QUEEN の作品中、HR 度がかなり高い名曲の@は、スティーヴ・スティーヴンス、ビリー・シーン、マット・ソーラムらの思わずヨダレが出そうな豪華バック陣を従え、七色の声を持つヴォーカリスト、CHEAP TRICK のロビン・ザンダーが熱唱してるじゃあーりませんか。
ロビンのこれ程のシャウトを聴くのは驚きですし、スティーヴの変態的 (?) ギター・プレイにもまったく脱帽です。

ゴスペル調のCではQUEENSRYCHE のジェフ・テイトが自慢のノドで熱唱、そしてHではグレン・ヒューズが、まさに彼しか出来ない歌い方でこの曲を料理してますよ。一聴とするとちょっと奇妙な歌い方で、思わず笑っちゃうんですが、GOD OF VOICE と呼ばれる彼独特の個性的な唱法にはマイッタ。盟友パット・スロールとの久々の共演も涙、涙。

また、本作で意外にマニアックな選曲Eでは、これまたマニアックなギタリスト (笑) ジェイク・E・リーとジャック・ブレイズという面白い組み合わせでヘヴィに熱演してますよ。

ラストのJも「 LIVE KILLERS」 収録の疾走ヴァージョンってのが嬉しいですね。本企画者のボブとブルースのキューリック兄弟が実に気持ちよくソロを弾いてます。企画者の面目躍如といったところでしょうか。

明らかにトリビュートの意味を判ってない売名行為や、小遣い稼ぎ程度のミュージシャンしか参加していないクズみたいな作品も多々ありますが、本作はロック・オペラ・フォーク・ラップなど全てのジャンルを飲み込んだQUEEN の孤高のサウンドをHR/HM の一流ミュージシャンが敬意を表して熱演するトリビュート・アルバム最高峰の作品と断言しまっせ、ほんと。



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STONE COLD QUEEN A TRIBUTE / QUEEN TRIBUTE ALBUM (2001)

@Stone Cold Crazy
APlay the Game
BFat Bottomed Girl
CSomebody to Love
DCrazy Little Thing Called Love
EFight From the Inside
FYou're My Best Friend
GI'm in Love with My Car
HKiller Queen
ISpread Your Wings
JWe Will Rock You


歴史的インパクト ★★ 個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 名曲はどんなアレンジしても、やっぱ名曲さ!

ワシがむき卵じゃー(笑) ↓

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2010年04月18日

あんた、年いくつなの? C.J.S.S.

イングウェイ・マルムスティーンが劇的にシーンへ登場してから、その後のギタリストの弾くスピードが音速100マイル以上 (?) 早くなったような気がします。

それに合わせてトニー・マカパイン、ヴィニー・ムーア、ポール・ギルバート等のShrapnel 系テクニカル・ギタリストが次々に現れましたが、今回紹介するデイヴィッド・T・チャステインは前出のギタリストらとはひと味もふた味も違う、ちょっと異質の存在でした。

まず20歳前後の若さ溢れるギタリスト達の中で、その気難しい哲学者の様な風貌は、 「あんた、年いくつなの(笑)」 と思わず聞いてみたくなるほどのルックスです。本人も年齢不詳を通してましたし。

さらに当時は、このC.J.S.S. とCHASTAIN のバンドの掛け持ちと、はたまたソロ名義の作品もほぼ同時に発表され、一体どれが本職なの? と思ったものです。今じゃ普通ですが、昔はバンド・プロジェクトの掛け持ちをするミュージシャンなんてほとんど見かけませんでしたから。

元々はC.J.S.S.が彼のメインのバンドらしく、自己のレーベルLeviathan より発表したのに対し、レザー・レオーネとジョイントしたバンドのCHASTAIN はギタリスト発掘人、マイク・ヴァーニーの誘いで結成したスタジオ・バンドだというのが真相です。

C.J.S.S. はアメリカン・メタル、CHASTAIN は欧州メタル風と音楽性を分けてたらしいんですが、私の耳にはどちらもそう変わり映えのない様なサウンドに聴こえました。

思わずヘッド・バンギングを誘発する@のファスト・チューンや、イントロの重厚なギター・オーケストレーションがカッコいいA、パワフルなEHはCHASTAIN とまさに同路線です。Fで少々アメリカン・サウンドの片鱗を見せますが、ヴォーカルのラッセル・ジンケンスの声がレザー嬢を少し細くした様な非常に似た声のために違いが良く判りません。
ただ、ZEP のカヴァーBで一番生き生き歌ってるのには困ったものですが・・。

結局メインのはずだったC.J.S.S. はパッとせず、ライヴ活動も始めたCHASTAIN の方ばかりに注目が集まって、力を入れるバンドの立場が逆転しちゃったのは本末転倒です。3枚しか作品を発表しなかったC.J.S.S. に対してその後何枚もの作品を出し続けたCHASTAIN 。
個人的にはC.J.S.S. の方が最初はのめり込んだんですが。

ま、この人の弾く奇怪なギター・フレーズが乗っかったサウンドならば、どっちもそう変わり無いですよ。実際。

ただ、ストラトキャスターをモチーフにしたアルバム・ジャケットが、国内CD化に伴って超ダサ・ジャケットに変わったのは何故だろう? 不思議だ。



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WORLD GONE MAD / C.J.S.S. (1986)

@Hell on Earth
ANo Man's Land
BCommunication Breakdown
CWorld Gone Mad
DRun to Another Day
EThe Gates of Eternity
FDestiny
GWelcome to Damnation
HLiving in Exile


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
雷イチ押しポイント雷 デイヴィッドのギター・プレイは奇怪でマジカルだ!


こっちがその超ダサ・ジャケット ↓

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さて、私はいくつでしょうか? ↓

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2010年04月15日

B級メタルの美学 FIST

80年にイギリス全土からマグマのように吹き上げたNWOBHM のムーヴメントはマイナー、メジャー・レーベルを巻き込んで嵐のような旋風を巻き起こします。

僅かながらそのムーヴメントの一端を担ったFIST も、B級メタルの美学や哲学を携えたバンドでした。

皆個性的でしたが、実際は一握りのバンドを除いて日の目を見なかったバンドがほとんどで、彼らの出身地の近郊を表すニュー・キャッスルからもVENOM、TYGERS OF PAN TANG、BLITZKRIEG、AVENGER、PARAIAH (いくつ知ってる?) らの愛すべきB級メタル・バンドらがザクザクと登場します。

マイナー・メタルの宝庫、Neat Records より80年にシングルを1枚発表しただけでなんとメジャーのMCA と契約、1st. 「Turn the Hell on」 を発表、 「これがNWOBHM の基本だよ」 と説明出来るお手本の様な音の作品 (笑) でしたが、いかんせん地味な内容のため、アッという間に契約を切られてしまいました。

まあ、当時の青田買い的なレコード会社の契約を象徴する事実ですが。

ギター1人とドラマーを残して大幅なメンバー・チェンジを断行、古巣のNeat に戻った82年に本作「Back with a Vengeance」を発表しますが、これがまた愛すべきB級メタルなんですよ。嬉しくなるじゃあ〜りませんか!

Neat のホーム・スタジオにてハウス・プロデューサーを起用、16チャンネルの機材で録音された音はチ−プですが、つんのめるように突進する@や、ツイン・リードのお手本ですよ!とも呼べるA、ブルージーかつクールななCや、最高にカッコいいリフが炸裂するGなど、イギリスにしか生み出す事の出来ない激しくもウエットで何処か叙情的な、私好みのサウンドが満載で思わずニンマリ。

まあ、売れる事なんか何処吹く風だったんでしょうね。彼らも含めて殆どのバンドが。

一つのスタイルが流行ると皆そのサウンドに跳び付いてしまうアメリカのバンドとは大違いです。その頑固さが愛すべきブリティッシュ・サウンドなんですよ、うんうん。



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BACK WITH A VENGEANCE / FIST (1982)

@Turn the Hell on
AS.S. Giro
BToo Hot
CLost and Found
DThe Feeling's Right
EDog Soldier
FAll I Can Do
GDevil Rise
HGoing Wild Tonight


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン  レア度 ★★
雷イチ押しポイント雷 NWOBHM万歳!のサウンドです


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