2017年09月03日

何ともロックらしくないアルバム・ジャケットは FOGHAT

HR/HM のルーツはブルースであり、70年代にFLEETWOOD MACやCHICKEN SHACK と並び英国3大ブルースバンドの一つとして数えられたSAVOY BROWN から脱退したメンバーを中心に結成されたFOGHAT は、そのブルースをルーツに様々な味付けを施したサウンドで72年にデビューを果たしました。

今回紹介する75年発表の5作目 「FOOL FOR THE CITY」 は彼らの出世作であり、シングル・ヒットも手伝って見事全米進出を果たしました。当時のブリティッシュ・バンドは英国内だけの活動ではバンドを維持出来ず、皆アメリカでのブレイクを夢見てアルバム制作&ライヴを行っていたのです。

彼らのサウンドはアメリカナイズされた物だとおっしゃる方もいますが、BAD COMPANY やSTATUS QUO らと共通するその根底に脈々と流れる深いブリティッシュなカラーは、実に私好みです。判るかな?

長い髭ずらのじいちゃんが都会のマンホールに釣り糸を垂らしている何ともロックらしくないアルバム・ジャケットは、いろんな意味でインパクト十分、笑えます。ガハハ。見事にアルバム・タイトルをもじってます。

タイトル・トラックの@はライヴのオープニングを飾るにふさわしいノリノリのR&Rでもあり代表曲。アメリカの広大なハイウェイをぶっ飛ばしながら聴きたいイメージがピッタリだ。ロンサム・デイヴの張りのあるストレートな歌声はサウンドに躍動感を与えてます。

全米チャート40位台に食い込んだBも、ライヴのハイライトで披露される名曲中の名曲。8分に及ぶ大作ですが横ノリのブギー・サウンドで同じリフを繰り返すシンプルな構成は圧巻。全編で披露されるロッド・プライスの分厚いスライド奏法はバンドのトレード・マークと言えるでしょう。エンディングに向けてどんどんスピードアップしていく展開は実にスリリングだ。

1930年代にアコースティック・ギター1本で驚愕なプレイをし、悪魔に心を売り渡してそのテクニックを身に付けたと噂された伝説のブルース・マン、ロバート・ジョンソンのカヴァーCは文字通り泥臭いブルース・ナンバー。う〜ん、渋い。渋すぎる。

ラストのFはこれまでのブギー / ブルースとは趣を変えた哀愁を帯びレイド・バックした曲調に驚き。FOGHAT の音楽性の深さを再認識させられます。いい曲です。

本作は最終的に全米プラチナ・ディスクを獲得し、この後発表されるライヴ・アルバム 「LIVE」 と共に彼らの代表作となりました。併せて聴くことをお勧めしますよ。ブギー万歳!


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FOOL FOR THE CITY / FOGHAT (1975)

@Fool for the City
AMy babe
BSlow Ride
CTerraplane Blues
DSave Your Loving
EDrive Me home 
FTake it or Leave it


歴史的インパクト ★★★ 個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン  レア度 
イチ押しポイント 取っつきやすいブギー/ブルースサウンドでっせ。


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posted by ハムバッカー at 22:23| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月30日

何も変わらないサウンドに思わずニンマリ SAVAGE

80年代に英国で勃発したNWOBHM のムーヴメントは、IRON MAIDEN、SAXON、DEF LEPPARD など一流のバンドを生み出しましたが、その底辺には何百というB級、C級のバンドがウヨウヨと存在していました。

NEAT RECORDS と並んで当時のシーンを支えたEBONY の第一弾アーティストとしてデビューしたSAVAGE もその底辺の中で動めいてたバンドの一つで、何故静かに眠っていた墓場から突然引きずり出されて脚光を浴びたのか? それはNWOBHM の影響を受けて83年に登場したMETALLICA が原因なのです。

ブレイクした彼らが影響を受けた英国のバンドをこぞってカヴァーした事がきっかけで、SWEET SAVAGE やHOLOCAUST と合わせてこのSAVAGE も注目されたのですが、確かに私もリアルタイムでNWOBHM を体感してますがこれらのバンドは当時知る由もなく、実はMETALLICA 経由で知ったのです。たぶん、ほとんどの方がそうだと思います。

低予算で制作された本作はこの時期に作られたアルバム群と同様に音質は悪いですが、その弱点をモノともしない粗削りなサウンドは今聴いても実にカッコ良く、劣悪な音質を軽く凌駕してるのが凄い!

そのMETALLICA がカヴァーした@とBが本作 「LOOSE'N LETHAL」 の核であり、特に@はパワー・メタル然とした重く疾走するサウンドが痛快です。これが同じく83年にデビューしたJAGUAR を彷彿させます。クリス・ブラッドリーのちょっとうわずり気味ながらもパワフルで直線的なヴォーカルはカッコいい。

Aのギター・ソロ前にライト・ハンド奏法を炸裂させる展開や、泣きのツイン・リードのイントロを擁するEなど、一本調子にならないよう細かい所に気を配った作りとなっていて、B級ながらもなかなかの聴き応えとなってます。

本作はアメリカへの輸入盤を中心に2万5,000枚以上のセールスを記録したにもかかわらず、ビジネス・マネージャーの無能さや弱小レーベルの力の無さが足を引っ張り、全くの無風状態となってしまいました。

その後レーベルを移籍して心機一転を図ったが徐々にバンド内部から崩壊が始まり、残念ながらバンドは解散の道を辿りました。

しかし、多くのファンの後押しを受けてなんと95年に再結成。アルバム 「HOLY WARS」 を発表して私達マニアの度肝を抜いたのです。何も変わらないサウンドに思わずニンマリ、NWOBHM だね〜。



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LOOSE'N LETHAL / SAVAGE (1983)

@Let It Loose
ACry Wolf
BBerlin
CDirty Money
DAin't No Fit Place
EOn the Rocks
FThe China Run
GWhite Hot


歴史的インパクト ★ 個人的思い入れ ★★★
ジャケット・デザイン ★★★ レア度 ★★★
イチ押しポイント スピード感あふれるサウンドは最高!


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posted by ハムバッカー at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月19日

何故かネガティヴなイメージから入ってしまいます BLACK 'N BLUE

このバンドを語る時、メジャーからアルバムを4枚発表したにも関わらず全くブレイクしなかったという、何故かネガティヴなイメージから入ってしまいます。

そのバンドである BLACK 'N BLUE の3枚目となる 「NASTY NASTY」 のプロデューサーはなんと、ジーン・シモンズ。元々KISS のASYLUM TOUR のサポートとして同行したのが縁で起用されたんでしょう。

1作目がディーダー・ダークス、2作目がブルース・フェイバーンと大物プロデューサーを起用してもアルバム・セールスが伸びなかった反省から、彼らの本質であるR&R を最大限に引き出してくれる事を期待して、ジーンに声をかけたと思われます。

ただ、ジーンのプロデュース方針は A.徹底的にヘヴィなサウンド一本鎗で勝負 B.豪華ゲストを迎えて絢爛豪華な作品を の2パターンのどちらかなのです。個人的にはA に該当するEZO、KEEL 「THE RIGHT TO ROCK」 ウエンディ・O・ウイリアムス 「WOW」 らの作風が好きなんですが、残念ながら本作はB のパターンでの作風に、うーん。

@ABはジーンのクレジットも見受けられることから、まさにKISS を想起させる楽曲だ。特に@の後半にはKISS の「Only You」 のリフがいきなり挿入されててビックリ。

ポップでメロディアスなFはアルバム内で妙に1曲だけ浮いてるんですが、この曲だけプロデューサーはJOURNEY のジョナサン・ケインが担当。しかも全曲中この曲が一番イイのだ (笑)

Hではゲストにピーター・クリス、ロン・キールがバック・コーラスで参加。ウイスキー焼けしたピーターのソウルフルな声とけたたましいロン・キールのシャウトが目立つ目立つ。

全体の作風からイメージすると、本作はKEEL の「THE FINAL FRONTIEA」 に雰囲気に酷似している事実に気が付きます。ただ、 " Because the Night " や " Tears of Fire " などのKILLER な楽曲が無い分、「NASTY NASTY」 はインパクトの弱い作品と位置付けられてしまったのではないでしょうか?

ポートランドから鳴り物入りでLA に移住した彼らは非常に期待されていたバンドだったのですが、作品を発表するごとにバンドの音のイメージが変わってしまうマイナス点や、インパクトのある名曲を書くことが出来なかった事実が最後までブレイクを阻んだ原因だと思います。

解散後角メンバー達が立ち上げたバンドも残念ながら全く話題になりませんでしたし。唯一、トミー・セイヤーがKISS に加入出来たのが救いですね。


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NASTY NASTY / BLACK 'N BLUE(1986)

@Nasty Nasty
AI Want it All(I Want it Now)
BDoes She or Dosen't She
CKiss of Death
D12 O'clock High
EDo What You Wanna Do
FI'll Be There for You
GRules
HBest in the West


歴史的インパクト  個人的思い入れ 
ジャケット・デザイン  レア度 ★★★
イチ押しポイント 彼らの作品中、最もハードです。


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posted by ハムバッカー at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月05日

ヒゲを生やしたその顔がちょっと気持ち悪い TREASURE

64年にニューヨークで結成され 「People Got to be Free」「Groovin'」 など多くの楽曲をビルボード・チャートのNo.1に送り出したTHE RASCALS は、白人による黒人音楽を継承するブルー・アイド・ソウルを基盤としたバンドです。

中心人物であったヴォーカリスト、フェリックス・キャバリエはTHE RASCALS 解散後にソロ・アルバムを発表。そして77年に本バンドTREASURE を結成します。

まあ、ここまで書くとHR/HM にはあまり関係無いんじゃない? と思うのですが、このバンドにギタリストとして参加しているのが、その後KISS 〜 VINNIE VINCENT INVASION を結成するヴィニー・ヴィンセントなのです。

ヴィニーといえば、KISS 加入後にその卓越したソング・ライティングで低迷していたバンドを浮上させ、またフラッシーなギター・スタイルは当時のLAメタルのシーンに負けないテクニックを持ち、KISS を同じ土俵で共存させる力を授与しました。

そのヴィニーのキャリアの振り出しとなった本バンドの加入の経緯は詳しくわかりませんが、きっとニューヨーク近辺の人脈から選ばれたのでしょう。この頃は本名のヴィニー・クサノを名乗っており、裏ジャケの写真を見るとヒゲを生やしたその顔がちょっと気持ち悪い。(笑)

アルバムは全編AORっぽいポップなサウンドで占められていて、その中でヴィニーのギター・プレイもメロディアスなソロを弾いてます。さすがにKISS、VVI の頃みたいに狂ったようなマシンガン・ピッキングでは弾けずとても控えめですが、@のソロのフィードバックを聴くと一瞬、ヴィニーらしさを垣間見ることが出来ますよ。

またAやFも彼の単独ペンで書かれた曲で、アレンジによっては十分ハード・ロックに変えられるナイスな曲であり、ソングライティングのセンスを感じさせます。

結論本作はフェリックスのキャリにおいてもさほど影響の無い作品であり、ヴィニー自身もその後フィリックスのソロ作品でギターをプレイするもパッとせず、KISS に加入するまでの82年までは成功を夢見て安アパートの床に直接寝るような生活を送るのですが、彼の黎明期を知ることが出来る貴重な作品であることは間違いありません。

我の強さからバンドを崩壊させてきたヴィニーは一体今何をしているのでしょうか? 才能あるミュージシャンなので彼の復活をぜひ、期待したいのですが。


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TREASURE/TREASURE (1977)

@I Wanna Love You
AInnocent Eyes
BLove Me Tonight
CJubilation
DWhen the Sun Shines
EMy Lady Once Told Me
FTurn Yourself Around
GThink It's Love
HTreasure


歴史的インパクト  個人的思い入れ ★★
ジャケット・デザイン ★★ レア度 ★★★
イチ押しポイント KISS ファンだけでなくメロハー好きの方も是非聴いてくれぃ


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posted by ハムバッカー at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

LIVE REVIEW : GRAHAM BONNET BAND & ALCATRAZZ

GRAHAM BONNET BAND
2017年3月14日(火) 名古屋クラブクアトロ


まさかグラハムのリーダー・バンドの単独公演が観られるなんて、夢にも思ってませんでした。いやー、長い間待った甲斐がありました!

今回はGRAHAM BONNET BAND としての公演なんですが、途中ベーシストがゲイリー・シュアに代わってALCATRAZZ のライヴとなるという、一粒で二度美味しいライヴなのです。イングウェイやスティーヴ・ヴァイは無理にしろ、どうせならヤン・ウヴェナあたりも呼んで、よりオリジナル・ラインアップに近くすればと思ったのは自分だけ?

会場である名古屋クラブ・クアトロはキャパ500人のハコ。ここは初めて来たんですが、あまりのコンパクトな会場にビックリ。最前列に詰めなくても一段高い後方からでも十分間近に観れる距離にひと安心、のんびりと開演を待ちました。

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そして定刻を過ぎ、あのホルストの火星のイントロが流れメンバーが登場。RAINBOW の名曲@からライヴがスタート。グラハム、声が凄く出ています。御年69歳とは思えぬパワフルなシャウトに脱帽。声が出ずオリジナル・キーで歌えなくなるベテラン・ヴォーカリストが多い中、彼の声はまさに奇跡的。

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新曲を挟んで、グラハムのソロ曲BCあたりが聴けるのも嬉しいね。それにしてもバンドの演奏は凄くタイトて、聴いてて気持ちがイイです。特にグラハムの恋人でもあるベースのベス・エイミー嬢は存在感抜群。ルックスも最高で、実に華があります。

ニューアルバムのリーダー・トラックEに続いて、MSG 時代の名曲F。バンドのギタリストは歴代のスーパー・ギタリスト達のコピーをするというタフな立場なんですが、なかなかソツ無く弾きこなしてます。しかし、Fのソロは、ピロピロと早弾きしちゃアカンよ。オリジナル通りに弾いてくれぃ!

泣きのイントロから始まるGが始まった瞬間、会場から大きなどよめきが。いや〜、この曲を演ってくれるなんて涙がチョチョ切れました。たぶんグラハムのキャリアの中で、この曲を演るのは初めてじゃないでしょうか? この曲を生で聴けただけでも今日来た価値有りっす。

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JKKの名曲3連発で、いったんグラハム・ボネット・バンドのセットは終了。ベス・エイミー嬢がいったんステージから去るんですが、その際の彼女のMC、なんとキュートな声! 見た目はちょっとツンとしていて、綺麗ですがちょっと冷たい感じの印象だったんですが、一発でファンになっちゃいました。

するとALCATRAZZ のオリジナル・メンバーの1人、ゲイリー・シュアが入れ替わりで登場。おおっデカい!(笑) 元々大きいのは知っていたんですけど、小柄なメンバーの中で、しかもグイグイとステージ前に出てくるから、まあとにかく目立つわ。

ALCATRAZZ としてのライヴは曲順の拙さもあってか、それまでの盛り上がりからちょっとトーンダウンした内容に。いや、全然悪くはないんですがQS㉑辺りでちょっとダレるのです。(その後の東京公演では、" Hiroshima Mon Amour " と " Ohayo Tokyo " (!) が演奏されたそうです。なにーっ!)

再びべス嬢がステージに戻り、ラストの㉓に雪崩れ込みます。グラハム、さすがに長丁場のせいかちょっとシャウトが辛そう。しかし会場の熱気はピークに達し、大団円を迎えました。全員揃って客席に挨拶をし、そして客席をバックにメンバー達が集まって記念写真を楽しそうに撮ってました。後日、バンドのFacebook にその写真がアップされたんですが、なんと後方に自分が映り込んでいてビックリ! 良い記念になりました、ハハッ。

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グラハムのライヴを観るのは今回3回目なんですが、観るたびにますます声の張りが良くなってる気がするんですが。まだまだ現役ですね。世界最高級のヴォーカルと名曲が聴ける、実にパワフルなライヴで大満足でした!


SETLIST

@Eyes of the World
ACalifornia Air
BSOS
CNight Games
DStand in Line
EInto the Night
FDancer
GSamurai
HDesert Song
IRider
JSince You Been Gone
KAssault Attack
LAll Night Long

MSE 〜 Night of the Shooting Star
NToo Young to Die, Too Drunk to Live
OSuffer me
PGod Blessed Video
QWill you be Home Tonight
RJet to Jet
SThe Witchwood
㉑Skyfire
㉒Island in the Sun

ENCORE

㉓Lost in Hollywood




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posted by ハムバッカー at 23:01| Comment(2) | TrackBack(0) | LIVE REVIEW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする